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成すべきことを成すために  作者: 旬の過ぎたカレー
1/2

俺は一体

なし

※一部改行がおかしくなってたりするのでパソコンで見ることを推奨します。


序章 「出会いと別れ」

10月9日

俺は今とあるマンションの屋上へ向かっている。


「(なぜ今俺が屋上へ向かっているのかって?それは自分にもわからない。)」


などと心の中で独り言を話している自分を客観的に見てみると多分、いや確実におかしい奴だろうなと思いながらマンションの階段を一歩ずつ上っている。

マンションは6階建てでエレベーター有なのだが、なぜか俺は階段を使っている。


俺「なぜ俺はエレベータを使わず階段を使っているんだ?」

と汗だくになりながら4階に差し掛かったところで、ふと心で思ったことを口に出してしまう。俺はお世辞にも運動ができる方でもなく体力もない。なのに階段を使っている。

なぜエレベーターを使わずに階段を使っているのだろうかと自分で自分がわからなくなり、休憩がてら足を止めて少し考えてみる。

30秒ほど経った。

きっと自分は階段を上ったという達成感を得たいのだろう。

と自分なりの結論を出す。そしてまた階段を上り始める。

扉を開け屋上へ着いたところでまた心の中で独り言を始める。


俺「(マンションの屋上とかって普通登れなかったりするんじゃないの?俺マンション住んでないからわからないや)」


自問自答しただけだった。


俺「(そもそも俺がマンションの屋上へ来た理由は何となくわかる。マンションの屋上へ行ってみた

かったからだ。)」


当たり前の事だと思うがそれが自分なりの答えである。

俺は昔からそうだった。自分のやりたいことが頭の中に浮かんだら、即座に行動に移してしまう。学校の授業中であろうと、友達と遊んでいる時であろうと、その状態でできる範囲の事であれば周りの目も気にせずに行動に移してしまう。

昔から一軒家住みの俺からしたらマンションなんて憧れだ。そして、マンションの屋上という未知の場所に行ってみたいという好奇心が俺を掻き立てたのだろう。

屋上を一通り見て回ったが何もない


俺「案外屋上ってつまらない所なんだな」


普通はそうである。屋上にはそんなに価値のあるものはない。

ふと屋上から下を覗いてみる

まだ昼に差し掛かる前、夏の猛暑日だったのでシャツの袖をまくって営業に行くサラリーマンや買い

物に行く主婦、はたまた変な格好をしたおじさんなどが見える。


俺「すげー!こんな感じなんだ~」


などと適当な感想を言い

飽きたので家に帰ろうと思い屋上の扉を開けようと思ったその時、扉がひとりでに開く音が聞こえた。


俺「えっ?」


扉の先には一人の女の子がいた。

ロングヘアーで制服を着ている。きっと学生だろう。胸は…あまりないな…性癖ドストライクだ。

名前がわからないのでAと名付けよう。Aは開口一番


A「えっ?誰?何でこんな所に人がいるの?」


誰とは失礼な。せめてこんにちはの一言でも言えないのだろうか。最近の女の子はなってない。と思いながら返事をする。


俺「こんにちは。何となく屋上に来てみたくなったからここにいるんだよ。そんな君はいったい誰なんだい?」と質問に回答した後に質問を返す


A「あっ…こんにちは。私は○○高校の桜木友恵さくらぎともえと申します。私も屋上に来てみたかったので…」


まさか高校名と名前を言ってしまうなんて。もし俺が悪い奴だったら何かと悪用されてしまうぞ。と思った。がすぐに


俺「えっ!君も屋上に来たかったの!?奇遇だね~」


などと適当な返事を返す。

ていうかそもそも女子高生がこんな時間に何をしているのだろう。普通この時間帯って学校があるんじゃないのか?と思ったので聞いてみる。


俺「君○○高校って言ってたけど高校生なんだね。なんでこんな時間帯にこの場所にいるの?普通に

学校がある時間帯じゃないの?」


質問に対して友恵さんは


友恵「いや…ちょっと…色々と…」


話を濁した。これには何かあるのだろう。

ちょっと気になるな…聞いてみるか。


俺「色々とじゃわからないよ。屋上に行きたいという好奇心があるのかもしれないけど、普通は学校で勉強してるはずだよね?本来はそれを優先するべきじゃないのかな?それなのになぜわざわざ屋上に来てるのかな?ずる休み?」


我ながら意地悪な言い方をしたと思う。


友恵「その…あまり人に言えないというか…なんといいますか…」


すごく悲しそうな表情をしている。

もしかしてと思い。思い切って聞いてみた。


俺「もしかして自殺でもしようとしてるんじゃないだろうね?」

友恵「!」


表情が一気に変わった。図星だったのだろう。

そもそも屋上に行きたいと思う人と偶然同じ場所で出くわすはずがない。沢山マンションがある中で自殺する直前の子に会うこともないと思うが。


俺「図星?図星だよね?自殺しちゃダメだよ~。君まだ高校生なんだからこれから先長いぜ?死んだらもったいないよ。やめときな?」


今から自殺をしようと考えてる人に対しての言葉じゃない。自分でもそう思う。でも思ったことをそのまま言ってしまう。そしたら友恵さんが口を開いた。


友恵「自殺とかじゃないですよ。本当に屋上に来たかっただけです。先客がいたので私は他の屋上に

行きますね。それではさようなら。」


と作り笑いを浮かべながら言い、扉を閉めようとする。俺はとっさに扉の取っ手を握り閉めさせまいとする。


友恵「えっ?何するんですか?」

俺「いやいやいや…そういうのやめようよ。君笑ってるように見せてるけど笑ってないよ。」


笑ってないという根拠はないがこういうのは大体言えば当たるので何となく言ってみる。

そしたら急に友恵さんが涙を浮かべながらその場に崩れ落ちた。


友恵「なんなんですか!貴方が私の自殺を止める理由がないじゃないですか!何も知らないくせに!これから先長い?今この時点で転んでいたらこれから先も転ぶに決まってるじゃないですか!」


流石に驚いた。急に泣き始めたので少し動揺する。そして自殺をするという推測が本当になる。

なんか人が死ぬのは嫌なので流石に止めておきたい。


俺「取り合えず落ち着こう?ほらそこの階段に座ろう。」

きっと彼女は色々と限界だったのだろう。こういうのは一回落ち着かせて話を聞いて上げるのが一番だ。根拠はない。

取り合えず友恵さんを階段に座らせる。

1分ほど経っただろうか。彼女が泣き止んだ。


俺「君は何で自殺なんてしようとしたんだい?これから先長いじゃん?今転んでてももしかしたら数年後いいことあるかもしれないよ?」

友恵「私もう嫌なんです。クラスの生徒からは馬鹿にされ、女子からは生意気だからっていじめられ、先生は取り合ってくれない。いじめられてることを親に話したら。そんなめんどくさいことに巻き込むな。自分で何とかしろって…そして、もう何もかも嫌になって死んでしまおうって思って。」


うわぁ…結構ひどいなこれ…普通にいじめられてるし先生糞じゃねえか…親も親でひどいわこれ…


俺「それはひどいな…でも生きてりゃいいことあるぜ?ほら今もこうやって話を聞いてくれてる人に出会えてるじゃないか。」


何も思いつかなかったので取り合えず何か言ってみる。


友恵「無責任すぎるんですよ。今があってもそれが安定しなければ意味がないんです。貴方にそういわれてもこれから先また同じことの繰り返しです。」


まさにそうだ。何も言い返せない。流石に無責任すぎた。そもそも今から自殺をしようと覚悟をしている人に対しての言葉じゃない。もうちょっといいことを言えないのだろうか。と自分を批難する。


俺「すまんすまん。でも、死んでほしくないんだよ。ほら、人が死ぬのって嫌じゃん?君だって目の前で人が死ぬのは嫌だろ?ましてや今こうして話してる人が自殺したらもしかしたら助けれたんじゃないんだろうかって後悔するでしょ?そういうことだよ。」

友恵「貴方に何ができるっていうんですか?今の貴方にできるのはこうやって私の話を聞くことだけ。私のこの現状を変えることはできないじゃないですか!」


確かにそうだ。俺は大学生で、なおかつ国から奨学金を借りてる身である。よくアニメや漫画である

女の子を家に住まわせるようなことは流石にできない。ていうか捕まるそんなことしたら。


俺「まぁ…確かにそうだけど…でも君の今の現状を変えることができる手助けができるかもしれないじゃん?」


流石に相手が自殺しようとしているのだから食い下がるわけにはいかない。というか食い下がれない。ていうか「確かにそうですね。私には何もできません。自殺して良いですよ」なんて言えるわけがない。


友恵「そんなことして何になるんですか?変えられる保証なんてないじゃないですか。」


おっ少し話に乗ってくれそうだな。


俺「いやいやいや、俺は君より数年長く生きてるんだぜ?という事は高校生活を営んでいたわけだ。

俺も何事もなく高校生活を過ごしてきたわけじゃない。無責任?保証?じゃあ俺が責任を取るし保証する。何かあったら俺を責めればいい。」


俺はあまり責任や保証という言葉が好きじゃないのだが俺の知能では自殺を止めるには責任を取り、保証することしかないと思ったのでもうやけになって言ってしまった。


友恵「・・・」


まぁそうだよな。普通はこういうこと言わないよな…反応に困るよな…


俺「あ…まぁ…うん…話なら何でも聞くよ。それに対する解決策も一緒に考えるし俺もできる範囲で実行する。だから取り合えず自殺はやめない?」


友恵さんはこくりとうなづいた。


俺「(いや~よかった~)」


と心の中でガッツポーズをする。

すると友恵さんが何かを言い始めた。


友恵「ありがとうございます。私なんかのためにこんなめんどくさいこと巻き込もうとしちゃって」

俺「いえいえ大丈夫ですよ。むしろ人のために貢献できるって素晴らしいことじゃないですか。それじゃあ解決策、考えましょうか。まずは今までの状況をできるだけ詳しく教えてくれません?それから・・・」


夕方になるまで色んなことを話した。色々な解決策を考えた。

幸い彼女の親はあまり家におらず優先度は低いと考えたのでまた後日考えようと彼女に話したら。彼女も承諾してくれた。

ていうか友恵さん普通に可愛かった。

あらかた話し終わった後


友恵「本当にありがとうございました。貴方に会えてなかったら私はこのまま自殺していました。こんな解決策私は絶対に思いつきません。」

俺「いいよいいよ。人の命を救えたっていう達成感で悦に浸れるから」

友恵「え…」


流石に引かれた。そりゃそうだ

今後の事も踏まえ彼女の連絡先を聞かなければいけないなと思い彼女に聞く。


俺「そうだそうだ。ここで別れたらこれから先の進捗具合を聞くことができないから君の連絡先を教えてくれないかね?別に悪いことに使わないからいい?」

友恵「もちろんですとも。ハイ、これが私の連絡先です。」


友恵の連絡先を追加し、そろそろ俺も帰らないといけないのだが家でのことが心配なので言ってみる


俺「おけー連絡先追加したよ。今から帰るでしょ?」

友恵「はい」

俺「でも家には親がいるじゃん?大丈夫なん?」

友恵「俺さんが話を聞いてくれるなら今のところは大丈夫だと思います。いざとなったら家を出ればいいですし。そうなったときは俺さんが何とかしてくれるでしょう。」


無責任な!と思ったが責任を取るといった以上あまり否定はできない


俺「(とほほ…マジで犯罪者にだけはなりたくねえなあ)」


と心の中でつぶやく


友恵「それでは、今日はここの所でお開きにしましょう!」

友恵がパンッとてを叩いた。

俺「おっそうだな。それじゃあ帰るか!そうだ!昼めし食ってなかったし夕方だけど帰る前に何か食べて帰らない?今からだったら丁度いい時間に帰れると思うから。」


俺が撒いた種のせいで彼女はご飯を食べれなかったんだから奢るのは当たり前だ。

それより何だろう…階段で考えるよりこういう所に行って解決策考えてもらっていいですか?


友恵「いいんですか?それじゃあ俺さんの奢りでお願いします!」


あまり金はないのだが流石にここは年上が奢るべきだろう


俺「いいぞい。飯くらい奢ってやる」

友恵「わぁ!ありがとうございます!それじゃあ今すぐ行きましょう!もうおなかぺこぺこですよ~」


彼女もすっかり元気になったようだ。

近くのファミレスで適当に食事をし、帰る方向が別だったので彼女と別れた。


俺「いや~今日はなんかすごかったな~そうだ!武田の奴に教えてやろっと」


武田とは昔からの大親友でお互いに信頼しあってる仲だ。

夕暮れの帰り道に


俺「(友恵さん可愛かったな~見た目は清楚系で話してる限り頭も普通の人よりは良い。しかも胸が無い。俺の性癖ドチャクソストライクやんけ!)」


などと思いながら色んな所で道草を食い家に帰った。

帰宅後、急に疲れが押し寄せてきたのでまだ7時前だがそのままベットにダイブしそのまま眠ってしまった。

10月10日

気付けば朝になっていた。カーテンの隙間から零れる光、静かに動く時計。そんなことを思いながら

周りをまさぐりテレビのリモコンを掴み、何となくテレビを付けた。ニュース番組が何かを報道してる。まだ目は開かない。取り合えず内容は聞いてみる。


ニュースアナウンサー「昨日の夜8時頃に通り殺人事件が起こりました。まだ犯人は見つかっていない模様。皆さんは人通りが少ない場所には気を付け、できるだけ早めに帰宅するようにしてください。繰り返します・・・」

俺「(殺人事件か…物騒だな…そういえば通り魔が最近出たって言ってたな。警察は行方を追っているがまだ捕まっていないとか。)」

俺「(そういえばあの時は彼女の事だけに集中していたが。通り魔が出た場所って彼女の帰る方向じゃないか。大丈夫かな)」


いつもの心の中で独り言を言っていると急に嫌な予感がした。

半覚醒状態だったが嫌な予感と共に起き上がり、携帯を確認した。

嫌な予感は的中していた。


俺「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!嘘だ!嘘だ!そんなこと…そんなことあっていいはずが…ちくしょう…ちくしょう…」


俺はベットの上で蹲り深く後悔した。今までにないほどに後悔した。自分が自分で嫌になるほど後悔した。ひたすらに自分に問い続ける


俺「なぜ携帯の通知に気付けなかったんだ?あの時彼女を家まで送ってあげていれば?早めに話を切り上げて学校に行かせていれば?別のルートで帰らせる方法は?通り魔がいるって教えて上げれたんじゃないのか?何でで何もできなかったんだ!何で…何で…」


ただひたすらに後悔し、泣き続ける。

そして彼は後悔の波とともに突然の眠気に襲われそのまま闇に飲まれるかのように眠ってしまった。

彼の右手にしっかりと握りしめられた携帯には彼女からの着信とメールが来ていた。

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   友恵                                俺

5:13 スタンプ

                                 5:13スタンプ 

6:08 俺さん!今日はありがとうございました!

                                 6:10こちらこそ~

6:27 無事に帰宅しました!

7:00 今家の近くの公園にいます!夜の空気っていいですね!

     公園の木の写真を撮ってみました!

7:01 (写真)

7:27 誰かに付けられてる気がします…怖いです…

7:30 ずっと付けられてます。怖い

7:32 着信

7:32 着信

7:33 着信

7:33 着信

7:35 助けて

7:36 (写真)

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ここでメールは終わっている。

最後に送られてきた写真は急いで撮ったのかブレていたが何か黒い服を着た男がいるのは確認できる。

こんにちは!この作品を最後までお読みいただきありがとうございます!

前々からなろうで小説を出してみようと思っていたんですけどなかなか行動に移せず…

最近あまりに暇だったので暇つぶし程度に書いてみました。あまり内容には自信はないですが…

何か間違いや設定での矛盾点があれば優しく教えていただけるとありがたいです。

それではまた次の作品でお会いしましょう。

それでは

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