(八)無情の悪魔、闇の中。
マールムから南へ一直線に続く華街中央通り。平日である今日この時刻の人通りは決して多いわけではない。スーツ姿の人は既に会社に着いているだろうし、制服姿の人は基本的に学校に居る筈。たまに見かけるのは、口に朝食を挟みながら全速力で駆ける学生の姿くらいだ。
「まずいまずいまずい! 僕としたことが〜っ!」
そんな中、ここにも走る通行人が居た。特徴的なハネのある銀髪とメッシュの入った後髪を揺さぶり、三日月を模したネックレスも落ちそうなほど全速力で道を駆ける少年。彼が目指すのは学校でも職場でもない。カフェ〔Black & White〕だ。
その若々しい目の輝きに、どこか子犬に似たものを感じさせる彼の名はルナ。ここ最近、開店日は毎日来店しているカフェの常連だ。来店時刻はまばらで日によって変わるが、基本的に店に一番乗りできるように心掛けているのだという。そこまでして早く飲みに来るほどに、彼は無我夜の淹れるコーヒーの虜になっているのだ。
彼は今日も通りを駆ける。今日こうしているのには、寝坊して遅れた、という単純な理由があった。食パンこそ咥えていないが、さながら登校に遅れる危機に追われた高校生に見える。実際には、今は学校に通っていない自称旅人の十九歳だが。
(あともう少しだ。もう少し……十軒くらい先が無我夜さんのカフェだ……! 今日もコーヒーにし~よおっと!)
俯き加減にひたむきに全速力で走っていたルナだったが、ようやく顔を見上げる。数メートル先には、きっと〔OPEN〕の札が掛けられたガラス戸がある筈だ──。
「って、あれ?」
咄嗟に足を止めて街路樹の陰に隠れる。その理由は、目的地の前に三名の大人がたむろしていたからだ。何やら店の方を見て話している。もしや、無我夜の友人か、もしくはこの店を訪れようとしているお客さんだろうか。何を話しているのだろうか、と思い店の扉を見ると、そこには〔CLOSE〕と記された札が掛けられていて、ガックリと肩を落とした。
ルナは気を取り直すと、こそこそ躊躇いつつその個性の強い三人組に寄っていく。彼は心優しい青年だ。
「あ、あのう……そのカフェのマスターさんなら、昼間はもう帰ってこないと思いますよ。ここのマスターさん、たまにこういうことがあるんです」
三人のやけに鋭い目が、一瞬こちらを睨んだ。その刹那、蛇に睨まれた蛙の絶望が分かったような気がした。尋常でない量の冷や汗が、極めて生物的なところで反応して溢れ、背をじっとりと濡らしたのをはっきり感じた。ルナにとってはその時間は何時間にも感じられたが、実際はほんの一瞬の出来事で、三人のうち、ウサギ耳のパーカーが特徴的な女性は、どこか頼り甲斐のある笑顔を向けていた。
「へー、そうか。あんがとよ、名前も知らない坊ちゃん」
いつの間にか頭を撫でられていた。銀髪を搔き乱す指は細く白く、人間味から掛け離れた冷たさを纏っていた。
「帰るぞ、アンタ等」
またいつの間にか、既にウサギの女性は背を向けて遠ざかっている。すると、先程までどこかに連絡を入れている様子だった男性か女性か判断しにくい黒髪の人は「ちょっと!」と顔を上げる。
「ま、待ってくださいよ! あぁ、心優しき貴方、本当にありがとうございました」
まるで手品終わりのマジシャンのように華麗に一礼すると、再度「ちょっとぉ!!」と叫んで彼女を追いかけた。故に、その場にはもう一人、妙に達観した白髪の女性が残ってしまっている。年齢は髪色に反して若そうだ。
彼女はカフェの方を見て目を細めていた。確かに視線はそこを捉えているが、彼女が実際に見ているのは、もっと深く、もっと大きい何かのような、そんな感じがした。
そんなにこの店のことが気になるのか、と自分のことではないが何だか誇らしくなった。確かに無我夜の淹れるコーヒーは最高だから、是非来店してほしい。そう思った。きっと彼女等はここの通りを歩いている最中このカフェが気になった将来の客なのだろうと思いつつ、ルナはオドオドしつつ言った。
「あ、あの、置いてかれてますけど……」
ルナの声に気づくのに、十秒はかかっていたと思う。目の前に居るのに何故反応が遅れたのか、甚だ疑問だった。
「……ああ、そうだな」
ルナを一瞥した後、再度移ったのは矢張りカフェ。ルナは目の前の彼女を訝し気に見つめていた。その視線を物ともせず、じっくりと店舗全体を眺めると、唐突に笑ったので驚いてしまった。
「君、この店の常連か?」
更には質問まで飛んできたので、ルナは混乱しながらも頷いた。
「は、はい。そうですけど……」
「そうか──」
彼女は若干嬉しそうな表情でカフェを見る。次に、ぽつりと零した。
「無我夜をよろしくな」
そそくさと去っていく後ろ姿。ルナが情報を処理している間には、既に数メートル離れていた。
「無我夜さんを知っているんですかっ!?」
背中に投げ掛けた質問に、返答が返ってくることはなかった。ルナは激しい疑問を抱きながら、らしくなく眉間に皺を寄せて、首を傾げながら渋々帰路に着いた。
大扉を抉じ開けると、予想を反さずヤツはそこに居た。頬杖を突いて、脚を組み、不敵に笑って。その笑顔を見る度、昔から不信感を抱いてきた。この男の微笑は、きっと、ただの微笑ではないという確信があった。
「いらっしゃいませ、無我夜。調子はどうですか」
大扉が閉まる音がやけに五月蝿い。つかつかと歩を進めながら、口は回った。
「明言しなければならないほどのことはない。体調に異常もないが、絶好調というわけでもない、とでも答えておこうか」
創造神は眉を下げる。ただし眉頭は上がったままだ。典型的な困り眉だが、口は変わらず微笑んでいる。まるで名画の女のようだ。
「ああ、そうでした。伝達するのを忘れていましたが、貴方が受注する予定でした任務『謎の笛音捜査任務』は輝と花林が解決してくれましたよ。貴方と輝の仲ですから聞いていると思いますが、一応、御報告までに」
創造神が言うように、その件は輝から聞いている。幾ら聞いてもありがたい話だ。俺は元より難度の高く時間の掛かる任務に赴くことが多いので、そのうちの一つがなくなったことによる負担の軽減は計り知れない。輝と花林にとっても偶然解決した一件らしいので、申し訳なさを感じることも少ない。俺にとっては得しかなかった。
「……それでは本題に移りましょうか。本日は何の用件で?」
創造神が腕を組むと、俺は淡々と答えた。
「任務を受注しに来た。対象任務は〔トウメイカメレオン捕獲任務〕だ。受注可能か」
「ええ、承りました。それでは一応、任務内容を読み上げます。今回の任務は〔トウメイカメレオン捕獲任務〕です。華街ガク区郊外でトウメイカメレオンの痕跡らしき鳥の捕食痕が発見されました。恐らくその地域を中心に活発に活動しているのだろうと思われています。トウメイカメレオンは名のとおり、全くの透明になることが可能の特殊な大カメレオンです。非常に貪欲な雑食性のためにヒトが襲われたという例が後を絶たない立派な害獣ですので、捕獲をお願い致します。因みに今回の捕獲任務、理想は完全な状態での捕獲ですが、対象の身体が多少欠損していても任務遂行に見なします。それでは、闇の守り人・日暮無我夜一名の〔トウメイカメレオン捕獲任務〕の受注を承諾致します。どうぞ、いってらっしゃいませ」
俺は創造神に何も答えず、大扉を振り返る。無言で立ち去ろうと扉に手を掛け体重を荷けたところで、背中に「そういえば」と声が掛かる。
「世界保護団の始末官長さんの件ですが。近日中に担当事件が片付くので、こちらの任務にも協力できるようになるとの報告がありました。そちらにも恐らく連絡があると思いますので、その際はお願いしますよ」
「……そうか、ありがとう」
その肩書に火照る背を、生暖かい目が見送っているような気がしたが、俺はぴしゃりと戸を閉じた。
世界保護団(通称界護団)始末官長と聞くと、その肩書を背負う彼女の顔が自然と想起された。銀色の長髪の隙間から覗く美麗な横顔。古傷の付いた左頬を、左側頭部に着用した階級を表す黒のリボンが擽っている。小柄な体躯からは想像できない知性と力を内面に忍ばせている彼女の映像が、何故俺の脳内から中々消え去らないのだろうか。俺は不思議で堪らなかった。
並ぶ生家は静まり返っている。平日の十時となれば当然だ。基本大人は職場に赴き、大半の子供は登校する。静寂に覆われた寂しい住宅街では、深夜以上に声を潜めろという同調圧力が強いように感じていた。足音一つも憚れるような気がする。
住宅街を歩く無我夜は静寂を纏い、周囲の音に鋭敏になっていた。何せ今回の対象は基本的に目に見えないので、当てになるのは音だけだ。今回の任務も、いつもどおり難易度が高いな……と思いつつ、アスファルトに息を落とした。
この国、というより、この世界には人類に被害を及ぼす害獣と見なされし生物が多数存在する。第一、この世界は二つの大陸・区画で二分化されている。創造神が中央に君臨す人類の居住区サピエンティアと、天然資源に溢れる獣の世界であり工業区のヴィタだ。普段、害獣と呼ばれる存在やその他の野生生物はヴィタで生活を送り、生態系を形作っているのだが、極稀にどういう経緯かサピエンティアに現れることがある。ヴィタでは常に種の淘汰が絶えず行われ、更に強く、更に特殊で、更に崇高な生物への進化が著しい。そんな超生物が人類の下に現れれば、魔法があったとて大損害は免れない。そこで、守り人の力が必要となるわけだ。
それにしても、と無我夜は眉を顰める。目に見えないとなると大変厄介だ。遠くに逃げられでもしたら、それこそ何も情報を得られないということなのだから。
「まあ、第一まだ発見できてすらいないわけだが」
特段面白味も感じないが、どうにも鼻で笑ってしまう。不都合な事実に蓋をして思い込むことが、人間の本能なのだろうな、と思った。もしかすると、今回の任務は過去最高難易度かもしれないと思っていた。一週間費やすことも視野に入れておこう、と覚悟しながら、終わりの見えない道路を駆け出した。
明るい太陽はすっかり脳天を照らしている。さわさわと揺れる木々の葉の梢と揺れ動く木陰のみが涼しさという安らぎを与えていた。
「もう十三時か……」
時計を見ながら呟いたのは無我夜だ。ここはちょっとした公園。ブランコに座り前後に小さく揺れる彼の手には、自分で作ってきた弁当が載っていた。
本当に見つかる気がしない。季節外れの太陽光の残酷さも相俟って、気が遠くなるのを感じた。得る情報の大半を目からの情報が占めている生物、人間にとって、透明で目に見えないものほど恐ろしいものはない。
(本当にたった一人で見つけることができるのか……? 場合によっては応援を呼ぶことも考えるべきだろうか)
難しい表情を浮かべながらも、手は箸を出して皺を合わせていたし、口は動いていた。
「いただきます」
色々と、現在進行形で行っている任務のことや普段のカフェの仕事のこと、輝のことや、界護団始末官長のことを考えながら、箸先は口と弁当箱を行き来している。静寂が満たす公園内では、ただ体内の音と、体外の木々の音や風の音、ブランコの鎖がきいきいと呻く音のみ生まれては消えていく。
じゃり──。
新しい音の参入に、無我夜の体はぴくと微動を見せた。公園の砂が擦れる音が、今確かに、入口の方から聞こえたという確信があった。
弁当箱の縁に箸がついた音のあと延々と伸び続く静寂の中で、自分の鼓動と呼吸音だけが鼓膜の裏を駆け巡っていた。唾を呑み込む音すら、まるでホイッスルのようによく響いているように感じる。
じゃり、じゃりじゃり、じゃりじゃり、じゃり──。
鳴る度鳴る度、音は大きく──つまり近づいてきていた。同時に二つの場所で目立つ音が鳴る、そして他の二か所も小さく呻くことで、無我夜は確信を得た。一つ目の音だけでは、霊障という可能性も否定できなかったが、今回はその類ではない。そこには確かに目に見えない四足歩行の何かが居るのだ。きっとその何かの正体は──。
「はじめまして、トウメイカメレオンさん。まずはその面、拝ませてもらおうかッ」
ブランコの座面に弁当箱を置いて、素早く数歩先に歩み出た。いつもの癖で骨盤あたりに手が行きかけるが、捜索に途方もない時間がかかるために二対双剣を装備していないことに気づいて急停止した。
使い慣れた武器を持ってきていないことに少し後悔もしたが、逆に良かった気もする。何せ今回の相手は特殊で、しかも任務内容は対象の捕獲。思考停止で扱える武器がないことで、冷静に対策を練れると考えたからだ。
捜索中恐ろしく暇だったので、今回の対象についてインターネットやら図鑑やらで調べてみたのだが、どうやらトウメイカメレオンは体表を周囲の風景と馴染むように完璧に擬態することで透明になっているらしい。つまり、それは体内は透明でないということでもある。例えば、口内は透明にならず、また、本来は体表でない傷口や切断面も即座に透明にすることは不可能だというのだ(時間が経てば傷も透明になってしまうが)。
それならば。見えない物は見えるようにすれば良いのだ。今すべきことは一つ。
「死なない程度に切り刻ませていただこうかッ」
軽く手を開くと、彼の周囲には闇の魔力で構成された黒く半透明の板が数枚出現し、浮遊した。大きさに多少の違いはあるものの、いずれも端は暴力的に鋭利だ。破片。彼は口頭で言うつもりで、心の中でそう呟いた。
切り刻む、といっても。未だその姿は視認できていない。だからこそ切り刻まなければいけないのだろう? そのとおりだ。だが、そもそも何故、彼はトウメイカメレオンと対峙しているのか。それは、任務の対象だからだ。そう、捕獲任務の対象として。生きている状態の対象をマールムに引っ提げていかねば、彼がここに居る意味は水泡に帰すわけだ。
何も見えていない状態で、急所を避けるも何もない。或る程度の場所は分かるが、正確な場所というわけではないのだ。切ればどこかしらには当たる筈だが、誤って致命傷を与えてしまいかねない。だから、今の無我夜は下手に動けないのだ。
待て。まだ待て。心の中でそう唱える。周囲の音に耳を澄ませば、大体に位置が視えてくる。
じゃり、じゃり、じゃり、じゃり──。
こちらの様子を窺うように、周囲を回っているようだ。コイツはヒトを喰う。気を緩めればいつ喰い殺されても可笑しくない。
じゃり。
背後で音が止まった。全身の筋肉に一瞬で力がこもり、或る部分は何倍にも膨張し、或る部分は逆に何倍も収縮した。それは殆ど脊髄反射のようなものだった。振り向くように体を捻り、腕は闇の破片を引き連れた。目の先には、何もない空中に大きな口がぽっかり開き、そこから血潮で深紅に染まった槍のように鋭く長い舌が、弾丸の如き速さでこちらに迫っていた。
鼻先のすんでに到達せんとしていた舌は、その勢いを抹殺されることとなる。破片は舌の軌道を通過し、ボトッという生々しい音が虚しく鳴った。そんな虚しさは、直後轟くカメレオンの絶叫によって吹き飛んでしまったが。少し先では、一瞬だけ全身を陽に晒した普段は透明である筈のトウメイカメレオンがこちらを睨んでいた。神秘的でもある純白の鱗が、強く頭に残った。
直ぐに空気に溶けた白姿を脳が忘れぬうちに、目の前の獲物が動かぬうちに、足を踏み込んだ。獲物の足下からした砂利同士が転げる音は、己の足下のそれと混じり合った。無我夜は自分の健が伸びる心地好くも窮屈な感覚に歯を食い縛ると同時に、魔力を放った。
「脅迫ッ」
地中を魔力が伝うのに並走し、無我夜も駆ける。強く地を蹴る度に、周囲の破片が更に小さな破片へ割れた。一際大きな音がピリオドとなると、黒い鋭利な塵たちは一斉に前方に投げ出された。
回転し、飛ぶ破片たち。空虚を切り裂こうとした途端、赤が宙を舞った。歪な呻きも上がる。先程まで空虚でしかなかったその空間に、赤く傷付けられた白い御御足が四本確認できるようになった。
瞬間、地中から出てくるのはヒトのそれより少々細く、長く、禍々しいほど闇色の手、脅迫。十数本のそれらは、快晴の空をばっと覆った。それらは現れた四足にそれぞれ絡み付き、今にも暴れ出そうとしていた足たちの動きを一切止めた。
どうにか藻掻く足たち。ふぅ、と息を吐こうとした瞬間、視界の左端に赤色の何かを捉えた。
ぼとっ。
無我夜の手には闇に染ったような刃が握られ、地には赤い槍先が落ちていた。再度絶叫がけたたましく轟き、今度はしっかりとその白い姿を捉えることができた。
無我夜は、自分が切り落とした舌よりも、幻想的な爬虫類の姿よりも、自分のポケットから抜き去って振り切った、輝きを失った包丁に目を落としていた。
なるべく使わないようにしていたのに──。
ハッとして、現実を見直した。目の前には全体を晒しジタバタうねうね藻掻くトウメイカメレオンの姿があった。今こそ捕獲のときだ。包丁が入っていた方ではない右側のポケットに手を突っ込むと、銀のケースが出てきた。素早く開けると、そこには注射器が収納されていて、共に小瓶も添えられていた。
ピストンを引いて液体を含み、針内の空気を抜いてからカメレオンの太腿に値するであろう場所にできた比較的大きな傷口に突き刺す。ピストンを押し込み針を抜くと、即座に獲物の動きがぴたりと止まった。魔法を全て解くと、巨体は砂上に伏した。
支給されていた花林特製の麻酔。流石と言ったところだ。効き目は速攻、しかも超強力。ようやく一息吐ける、と肩の力を抜いた。
目の前の獲物を見ながら思う。腹が減った、と。まだ食事もそこまで済んでいないというのに。かといって、このデカブツをここに放置して、自分はのんびりランチタイムともいかない。
今度は溜息が零れた。仕方ない、運んでからマールムで食事の続きといこう。振り向いて弁当箱の場所まで行き、それを拾おうとすると、未だ包丁を握っていたことに気づく。今や何も反射しなくなってしまった、錆びた包丁。カバーを取りにもう一度元の場所へ戻り、腰を折り曲げた。
よくもまあ、この刃で切れたものだ。錆だらけで、なまくらに等しいほど切れ味の落ちた、この包丁で。
だが、研ぐという選択肢はなかった。今の「日暮無我夜」は、この見窄らしい錆の付いた包丁から始まっているのだから。
何も反射しない刃を見つめながら、それをカバーで隠してしまった。
闇を抱え、闇を守る青年・無我夜。彼には特別な存在が数名存在する。そのうちの一人、世界を保護するため害を始末する女性に、久方振りに対面する。
次回「頬の傷、闇の痕。」