声ないゴミ
アンタなんかゴミだ!と強く言ってしまった。
私も腐ってはいないが、立派なゴミなのに。
SNSを見ている流れで、ふとアイツのことが頭をよぎる。
人間であると認めたわけではないが、上質なゴミとしてはもう認めている。
スマホをいじる流れで、アイツに電話を掛けた。
ぷるるるる・・・・・・
ぷるるるる・・・・・・・
ぷるるるる・・・・・・・ガチャ
もしもし、とアイツに呼び掛ける。
しかし、一向にアイツの高い声は聞こえてこない。
また、アイツを何度も何度も呼んだ。
すると、小動物のように泣く声が聞こえてきた。
そして、ありがとうという声を、スマホ越しに放ってくれた。
アイツはあの日、逃げるようにその場から去っていった。
でもアイツは、全然ふて腐れてなどいなかった。
普段から自分のことを、ゴミだゴミだと自虐している私に、アンタなんかゴミだ!と言われたことが、相当嬉しかったのだという。