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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
1章グフィーラ王国・古都

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58食目、自業自得

 カズトは獅子之助とジブリールを連れ、正式に雇う前に店の雰囲気や料理を味わって頂こうとレストラン〝カズト〟へとカズトの勝手な判断でご招待する事にした。その訳で店の前までカズトの【転移テレポート】で移動しようとする。


「二人共、しっかりと捕まっておけよ」

「儂は大丈夫だ」

「私もよ、早くやってしまいなさいな」


 二人の了解を取れたところでカズトは自分が取得してる数少ない魔法である【テレポート】を発動させる。瞬時に三人の姿は消え、そこに残されたのは暗殺者リーダーのみとなる。


「………これから俺はどうすれば、良いんだ。クソッ何時かはあの勇者絶対にみんなの仇を取ってやる。それがみんなの弔いになるだろう」


 ポツーンと一人取り残された暗殺者リーダーはカズト達が消えた箇所をジーッと見詰め、そう一人で呟くとその場から去り、行き先は━━━━に歩きながら決め目指すのであった。


 店の前に着いた三人は先ずジブリールには、パニックにならないよう角や尻尾を隠して貰い、カズトは中をひっそりと覗いた。暗殺者や獅子之助との戦闘があったせいで、どうやら昼に差し掛かってるようで、中々忙しくレイラやドロシーが慌ただしく走り掛けてる。

 それに接客に板がついてきたのかルーシーとリリーシアもサポート無しでもお客様の応対やレジ係に配膳と実に二人とも可愛く頑張っているようだ。

 店の様子を確認出来た中で、バレないよう裏口に廻って獅子之助とジブリールには個室に、カズトは厨房へと料理長シェフの格好に瞬時に着替えあたかも〝今までいましたよ〟アピールをする。


「カズト!一体今まで何処をほっつき歩いていたのですか?」


 早速厨房へ入って来たのは、プンプンと頬を膨らまして怒るレイラのようだ。やはり無理があったようでバレてしまう。助けを求めようとミミに目線で合図を送るが、こちらを向き『が・ん・ばっ・て』と口パクで応援される。


「ハァ~、今は忙しいので後にしますが………けして逃げないように」

 と言われ「良いですね?」と念を捺され、ホールへと戻って行く。これでほぼ逃げ場がなくなった訳だ。勇者であるのに、嫁には弱い。再度ミミを見ると親指を立てて『グッジョブ、がんばれ』と合図を送られる。

 どう頑張ってもレイラとドロシーにはどうやっても敵わない気がする。これが世間で言う尻に敷かれるって事なのか?!


『ジゴウジトクデス』


 食器を洗う(食事中)のスゥにも言われる始末だ。もうショックで立ち直れるかどうかわからない。それでも、趣味を仕事にしてるお陰でそつなくこなせる。


 バタン

「兄ちゃん帰って来たのか?」


 落ち込んだところにルーシーが厨房に勢い良く入って来る。ルーシーを見るや否やカズトは何の躊躇もなく、ルーシーを抱き上げ、尻尾や頭をモフモフという癒しを━━━モフモフエネルギーを充電をする訳である。


「ちょっ!くすぐったい、何処を触ってるの!兄ちゃん」


「もうちょっとだけ、モフモフエネルギーを充電させて」

 モフモフモフモフモフモフモフモフ

 めっちゃ癒されるぅぅぅぅぅ


「それならしょうがねぇです」

 と言った瞬間にまた誰かが厨房に入って来た。


 バタン

「カズト帰ってた……のね………な、何とも羨ましい事を!私にも抱かせなさい。抱かせて下さい。絶対に抱かせろ」


 入って来たのはドロシーで、カズトの顔を見た次に目にしたルーシーを見た瞬間、狂喜に迫る程の笑顔になりこちらへと近寄って来る。

 そして、ドロシーはカズトからルーシーを奪い、サワサワと触りだすがルーシーは抵抗して逃げ出す。カズトの後ろに隠れ「フシャー」と威嚇する。


「ドゥドゥ、ルーシー抑えて抑えて」


 最近明らかになったことだが、ルーシーはドロシーに抱かれる事を嫌がる。本人に聞いて見ると━━━「ドロシー姉ちゃんにダッコされると毛並みがコワゴワして、それからビリビリするんだもん」と証言があった。

 その原因として考えられるのは、ドロシーの体質が関係あるらしい。ドロシーの得意魔法が炎と雷であり、それが体質としても出てしまい静電気をほぼ体に纏ってる状態になっている。

 しかし、その電気は人間が感じない程度なのだが犬人族コボルトを含める獣人は毛が多い分静電気を貯めやすい。ドロシーの体質と獣人の体毛の相乗効果により、雷魔法でも使用したのかって言う程バチッと痛くなるらしいのだ。


「う~ん、静電気か。そういえば【異世界通販ショッピング】で静電気対策グッズが売ってたような?」


「「それだ」」


 ドロシーとルーシーの二人はカズトの言葉に食い付き、カズトは早速【異世界通販ショッピング】で静電気対策ブレスレットを二つを買い二人に与えた。

 ついでに犬用のブラッシングブラシを買い、ドロシーにやり方を教え、それ以降ドロシーとルーシーは仲良しになったという。休憩時間になると、ドロシーはルーシーの尻尾をブラッシングしてる光景を見掛けるようになった。


 二人の件を解決した後、カズトは獅子之助とジブリールに出す料理を思い付き調理を開始するのである。




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