ホワイトデーSP2020
今日ホワイトデーですね。
先月にバレンタインの話書きましたので、ホワイトデーの話を書いて見ました。
本編にもしかしたら、関係するかもしれません。そこはまだ書いてないので、自分でも分からないですけどね。
カズトは悩んでいた。仕事中にも心ココに非ずみたく悩みまくった。もうそろそろ、ホワイトデーの時期が近付いて来たのだ。先月、俺に嫁達は例外はいるが慣れないチョコ作りに奮闘しプレゼントしてくれた。
そのお返しを何にするか考えてる最中なのだ。こちらにはバレンタインやホワイトデーの習慣はなく、参考になるものが存在しない。
日本にいた頃、バレンタインは妹と従姉からしか貰っていなかったからホワイトデーに返すのは簡単だった。通例としてカズト一日自由券を発行したのだ。
簡単に言うとカズトを1日好きに使っても良いという券で、俗に言う子供が親御さんに渡す肩たたき券みたいなものだ。
子供ぽいと思われがちだが、自由とは何しても良いという事で…………例えば、添い寝やデザートをあーんとか耳元でトキメク言葉を囁く事なんかさせられたものだ。
それが1日=24時間させられた。妹なら一緒の家なので、まぁ楽な方で従姉だと従姉の家にお持ち帰りさせられ、翌日朝まで一緒にいる羽目になった。今になっては良い思い出だ。朝まで何をしていたのかは内緒にしていただきたい。
「マジで何も思いつかん」
冒険してた頃は新しい武器や珍しい魔道具とか買ってあげると喜ばれたが、今になっては嫁となり俺の店で働く余り戦闘は客の喧嘩を止める位で自らやらない。
よって、冒険者が喜ぶものはNGになった。バレンタインと同じくこちらもお菓子系で行く手もあるが、それでは普段と何ら変わらない。
「しょうがない。背と腹は変えられないし、みんなに聞いてみるか」
聞くのは男らしくないが、欲しくない物を貰っても困らせるだけだし、聞いて見る事にした。
一人目に厨房にいるミミに聞いてみる。ミミなら自分だけではやく、他の嫁が欲しがる物の何かしらヒントもしくは答えを持ってるかもしれない。
「なぁ、先月のバレンタインのお返し何か欲しい物あるか?もうすぐホワイトデーだから」
「そう言うと思って用意してた。ほい」
ミミから手渡されたのは手の平サイズの羊皮紙が六枚、そこにこう記されていた。
『カズト1日自由券』と、なんとも日本にいた頃を思い出されるような気持ちになってくる。もしや、また俺の頭の中を覗き込んだのか?まぁ用意してくれたなら助かった。
昔の事で忘れている事でも頭の中を覗き見る事はミミにとって朝飯前だ。まぁミミ曰く俺しかやらない魔法らしいけど。
「また俺のを覗き込んだのか?」
「んっ、カズトが困ってそうだったから。迷惑だった?」
上目遣いで俺の瞳を覗き込むミミ。
そんな顔をされたら怒られないし、覗き込むのは恥ずかしいから辞めて欲しいがとてもじゃないが言えないじゃないか!
「いや、ありがとうミミ。助かったよ、マジで」
「んっ、カズトのためなら何だってやる」
うぐっ!何か愛が重い気がするが気のせいだろう。
「六枚あるから一枚はミミが持っていてくれ。ミミが用意してくれたけど、早目のホワイトデーという事で」
「んっ、ありがとう。あっ、因みにホワイトデー過ぎないと使えないから。そういう魔道具」
ホワット!えっ、これ魔道具だったのか!じゃぁ、これを用意するの大変だったんじゃ…………。
「こういう時にしか使えない代物だから、ミミは魔道具作るの好きだから大変じゃ…………ない」
「………………」
ミミの説明によると、ホワイトデー以降でないと使用出来ない。カズトに無理難題を仕掛けられない。カズトにのみ命令を実行出来る。一回使用したら消滅する。命令が出来ると判断されたなら"契約の儀"と同様に執行される。使用してから1日で効果が切れる。カズトの嫁しか使用出来ない。
以上がこの羊皮紙型の魔道具の説明だ。
「ミミサンキューな。ふと、思ったがミミは俺に何をさせるつもりなんだ?」
「……………ヒミツ……………ホワイトデーまでのお楽しみ」
まぁ無理難題は出来ないみたいだし、ミミの事だから魔法の実験とかそんなところだろう。
さて、これをみんなへホワイトデー時に渡そう。この店の店長として従業員を労うのも大切だ。
ホワイトデー後、何を命令されたのかは別の話である。




