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254食目、《世界》=森精族初代女王?

「何でおまえがここにいる?まさか【魔神の左手】を」

「そこまで分かっているのなら隠しても意味をなさないか。これが【魔神の左手】よ」


 《世界ザ・ワールド》の右手に【魔神の左手】が入ってる容器が握られている。だが、何故直ぐ側にあるのに魔神の瘴気にやられないのか?


「安心して。見た目では分からないけど、こことは違う空間に仕舞ってるから瘴気には掛からないわ」


 俺の心を読んだのか!


「むふっ、その通りよ。《世界ザ・ワールド》の技術スキルを持ってすれば雑作もないことよ」


 意外にと《世界ザ・ワールド》の能力は厄介のようだ。他人の世界に干渉するだけではなくて、心を読むとかチートかよと思ってしまう。


 ガクガクガクガク


「ど………どうして!あ…………有り得ない」

「おいっ!ドンどうした!」


 ドンの身体全体が震えてる。一体どうしたというのだ?こいつに何かあるのか?


「何で!ここにいるのですか?!初代様」


 初代様?まさか森精族エルフの初代女王?!


 まだカズトが王国の城にいた頃、文献の1つに載っており、それによれば1000年前に神樹の森フリーヘイムを創設・納めていた歴史上の人物として書かれていた。

 歴史上の人物として書かれていたという事は、常識的にもう既に亡くなっているはずで目の前にいるはずがない。

 ドンが驚愕ととまどう訳だ。目の前に死んでるはずの、それも1000年前の王が現れれば、誰だって驚く。俺でさえ、頭がついていってない。


 ただし、1つだけ現実的な回答がある。ドンが初代と言ってるだけだ。まだ初代女王と決まった訳じゃない。

 決まった訳じゃないが、魔法大国マーリンでも感じたこの威圧感はただ者じゃないと、フツフツと肌が感じている。


「本当に初代女王なのか?初代と言ったら1000年前の女王だろ」

「ぁぁ間違いない。あのお姿は、城の大広間に飾ってる肖像画と同じだ。それに、これ程精霊がザワつくのは初代様しか有り得ない」

「あらっ?ワタクシの絵が、まだ飾ってあるなんて、何か恥ずかしいな。これは」


 くっ……………当たって欲しくない現実が本当になるとは!だが、森精族エルフというなら絶対的な特徴がある。それは、耳だ。縦長でとんがった耳が何よりも一発で見分け出来る外見的特徴だ。

 その特徴が、《世界ザ・ワールド》にはない。普通の人間みたく楕円形になっている。


「これ?これで満足かしら?」


 自分自身の耳を一瞬触ると、人間の耳から森精族エルフの耳へと変化した。

 だが、まただ。最後の砦であり希望である【鑑定】様がある。


「【鑑定】」


 俺の【鑑定】でも見えたのは極1部。種族名と称号だ。種族には森精族エルフと称号には神樹の森フリーヘイム初代女王と記さていた。


「ぐっ………てめぇ、わざとか」


【鑑定】を行った後に頭痛がした。これは【鑑定】に慣れてない初心者に良く起こる現象で、情報過多による頭内のオーバーヒートによるものである。

 だが、その現象を強制的に起こす方法がある。それは、【鑑定】のレベルより【鑑定妨害】のレベルが遥かに離れている時に起こり得る。

【鑑定妨害】側が、全部情報を隠す訳でなく、わざと一部だけ見えるようにする。

 そうすると、一見情報が少ないように見えてるが、隠されてる情報も見ようとして【鑑定】が頑張り過ぎオーバーヒートを起こす訳だ。


「どうです?見えましたか?」


 本当に態とらしい。絶対に分かってて聞いてきてる。あのニヤケ顔が、その証拠だ。


「あぁ見えたよ。本当に初代女王とはな。どうやって今まで生き抜いてきたんだ?」

「それは、我が主のおかげよ。命の恩人」

「その命の恩人の弟の頼みも聞いてくれると嬉しいのだが?」


 本当は姉に頼るのは嫌だが、ここは戦わなくて済むなら、それに超したことはない。


「それはお断りだ。我が主の弟君であれ、魔神教会の敵になるのであれば容赦するなと申し付けてある。ただし、魔神教会に入れば歓迎はする」

「それは、お断りだ。それにルリ姉は無事なのだろうな?」


 魔法大国マーリンにて、《隠者ハーミット》により魔神教会総本山へと連れ去られてしまった。


「ワタクシの知る由もないが無事のはず。何故なら、我々の仲間になったのだから」

「そんなはずはない。ルリ姉が、貴様らの仲間になるはずがない」

「それはワタクシの知ったことではない。いくら嫌がっても仲間にする方法は山ほどにある」


 フツフツと今にでも斬りかかりそうな程にカズトの怒りが頂点に達そうとしている。

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