250食目、ジュースの泉
マヨネーズを堪能した後、更に奥に進む。途中途中、常に湧き出てる泉が何個か発見した。
魚や肉がなる植物を見てから、水が湧き出ている事に歓喜したが、それは半分間違いであった。
湧き出てたのは、何とジュースであった。味により湧き出てる泉の場所は違っており、けして混ざる事はない。
「ここはブドウジュースか」
それもまるでフ○ンタグレープのような炭酸で、こちらに来てからは久方飲んでなかったが、やはりファ〇タは美味しい。
喉奥で弾ける炭酸が心地良い。フ〇ンタみたいな炭酸飲料を飲んでしまうと、どうしてもコーラを飲みたくってくる。
現時代において、コーラを飲んだ事のない者を探すの方が難しいだろう。例外として、スラム街や貧しい者ならば別だが。
「この液体は飲めるのか?」
「飲めるが、最初だと驚くかもしれないな」
「??」
まぁ異世界に青というより紫に色付いた飲み物なんて本来なら存在しないだろう。知ってるから躊躇無く飲めるが、全く知らないと俺でも飲めるかどうか分からない。
「?!」
「ゲホッ!~~~~っ!」
言葉にならないような表情で悶えてる。今でこそジュースという立場だが、炭酸飲料の初登場時は薬剤として販売されたらしい。
だが、炭酸には病気を治す効果は無く、後にジュースとして販売されるとは誰が想像出来ただろうか?
「慣れないと驚くよな」
「死ぬかと思いました」
「でも、ギュー慣れると美味しいぞ」
最初は驚いた様子だが、ドンはもう慣れた様子でグラスの中身を空にした。
「これは炭酸飲料と言いまして、1番の特徴は味わって頂いて分かったと思います。私の世界では様々な味がありまして嫌いな人など皆無でした」
「それだけ美味で、このシュワシュワが楽しい」
「持ち帰る事は出来るか?」
「それは難しいと思います」
完璧に密閉出来る容器があれば持つと思うが、今手持ちにはない。帰る頃には炭酸が抜けて、ただの甘い水となってしまう。
そうなっては飲めたものじゃない。
「そうか、良い案だと思ったが」
「ですが、ここにいる間だけなら大丈夫かと」
砂糖が入ってない分、自然な甘味で多少物足りなさを感じる。それに、周囲が暑いからか?思ったよりも冷たくない。
「水筒に入れられるだけ入れて行きましょう。この先、水分補給が出来るとは限りませんから」
「はい、分かりました。ドンも手伝え」
「手伝うので水筒を貸して下さい」
こんなに暑いと、直ぐにぬるくなるだろうがないよりはマシだ。アイテムボックスに入れようとしたが、何故かジュースは入らなかった。
他の食材は、何の問題無しに入るのに何故だろうか?液体状の食材は入らないのか?それともジュースだけなのかは不明。
「これで十分でしょう。先に進みましょうか」
「先頭を歩きます。ドンは後方を」
「分かった」
数分歩いた後に、またもや気候が変動した。熱帯から温帯の秋らへんに変動した感覚だ。気温としては多少涼しくなり過ごしやすくなった感はある。
だが、いきなりの気温差が激し過ぎる。およそ20℃は変化したんじゃないだろうか?砂漠だと、昼間と夜の気温差は20℃はあるらしい。
「キノコが増えて来たな」
日本で見慣れたキノコがある傍ら、大木みたく育った巨大キノコや歩くキノコなどファンタジーぽいキノコも見掛ける。
食材の楽園にある以上、おそらくだが食べれると思われる。だが、外見で判断するのは良くいが遠慮したい。
「あれは、ウォーキング・マッシュ?」
「神樹の外では、高級食材の1つ」
えっ?あれが高級食材だって!いやいや、タダ歩いてるキノコだよ?大きさは、4~5歳の子供ほどあり、大木みたいなキノコと比べと小さいが、それでも普通サイズのキノコと比べると段違いに大きい。
「外の奴らは、あれをスープにすると美味いと言っていた」
想像したら、何か魔女が鍋をグルグルと掻き回し怪しい薬を作ってる様を想像してしまった。
「ジーーーーっ」
「作らないぞ」
「ジーーーーーっ」
「つ、作らないからな」
作るとしてもどう調理したら良いのか分からない。いや、待てよ?案外いけるんじゃないか?
普段調理に包丁として使用してる料理の聖剣エックス。俺の調理技能が相まって格段に俺の料理は自画自賛じゃないが美味いと自信を持っていえる。
俺と相棒なら未確認な食材でも調理出来ることは、勇者パーティの時に既に証明済だ。




