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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
1章グフィーラ王国・古都

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SS3-1、魔王の娘の軌跡~剣の勇者に辿り着くまで~

寝落ちしまして、更新遅れました。

「ほっ、勇者め良くも妾の父上を倒してくれたのじゃ。ヤッホーイ、これで自由になったのじゃが一文無しになってしまったのじゃ。

 そうじゃ、勇者に父上を倒した責任を取って貰うのじゃ。早速行動開始じゃ」


 勇者パーティーと魔王の激闘の末、廃墟になった魔王城━━━いや、元魔王城跡から勇者パーティーが女魔法使いであるドロシーが展開した魔法陣で帰ったところで柱の影から出て来た人影がいた。

 その人影とは、魔王の娘であるリリーシア・スムージーだ。頭には魔族の証である角が立派に2本生えている。


「それにしても勇者はバカじゃのぉ。妾の父上を倒したら帰ってしもうた。あの様子からして宝物庫は手付かずじゃろう」


 リリーシアは、そんなに急ぐ訳ではなく早歩きで宝物庫がある元魔王城跡の地下へ来ていた。

 リリーシアの予測通りに宝物庫に繋がる廊下はネズミ一匹侵入した形跡は無く最近誰も近付いてない事を証明していた。


「むふふふふ、こればかしは勇者に感謝するかのぉ。父上が貯めまくった宝を自由に支える(使える)のじゃからな。確かここら辺に………」


 宝物庫は隠し部屋になっており、廊下の壁の何処かにあるボタンを押すと開くのだが正解と不正解のボタンがあり不正解を押すと罠が発動する仕組みだ。

 罠はもちろん侵入者を撃退するための物で、まさか宝物庫のボタンだと思って押して、それが罠だとは思わないだろう。


「これじゃな。ほれ、ポチっとな」


 リリーシアがボタンを押すと、廊下の壁が凹みググーっとホコリを立て開いていく。

 如何にも魔女や錬金術師が研究成果を隠して置くような隠し部屋の入り口だ。


「うむ、間違いじゃなくて助かったのじゃ(危ない危ない。うろ覚えじゃったからヒヤヒヤしたのぉ)」


 中へ入ると自動的に照明が━━━━魔法だろうか蝋燭に火が灯り隠し部屋の中を照らし出す。

 その中は金銀財宝で満たされており、蝋燭の光を反射して眩しい位だ。金の延べ棒、金貨銀貨、名工が打ちし武器、用途不明な魔道具等々お宝満載だ。

 日本円に換算すると、人生を数十回は送れるであろう計算だ。ただし、良い知らせの後には悪い知らせあるものだ。

 地球では、金は貴重な金属として高く取り引きされるが、こちらの世界でも貴重であるが金の加工技術が無いに等しくゴミクズ当然と扱われる。

 なら何故、金貨が存在してるのか?は謎に包まれておりダンジョンにて発見される事がしばしばあるのだ。よって、どうやって加工して作られたのかは謎なのである。

 だから、こんな物だと思って何も考えずに使用しているのだ。


「ゴミが幾つかあるが、勇者にたどり着くまでは大丈夫じゃろう。それにまさか魔剣グラムがあるとは驚きじゃ」


 魔剣とは、魔武器の一種であるのと同時に《聖武器の出来損ない》と言われている。

 聖武器が形状を変え技術スキルを変えながら戦えるのに対し、魔武器は一つの技術スキルしか扱えない。だから、《聖武器の出来損ない》と言われる由縁だ。

 だけど、良い箇所もある。聖武器は勇者しか扱えないのに対し、魔武器は適性があれば誰だって扱えるチャンスがあるのだ。

 そして、魔剣グラムの技術スキルの能力は透過:相手の武器や防具をすり抜け防御不可能な攻撃を繰り出すのだ。


「魔剣グラムをアイテムボックスに仕舞ってと、他には何があるのじゃかな?むひひひひ」


 金の延べ棒は兎も角として、こんなに財宝があってはリリーシアの笑いが止まらない。

 金貨銀貨だけでも何千枚何万枚と数え切れない程あるのだから。それに加え売ったら金貨何千枚としそうな武器や防具に魔道具が転がってるのだ。これを見て笑わずにいられようものか。


「うん?これは何じゃ?確か父上が身に着けておったクロークかのぉ?ふむ、あの父上の事じゃから魔法の一つや二つ付与されてもおかしくはないが…………」


 壁のフックに掛けてあったのは巨大な魔王の体を包むにも事足りる程大きいクロークだ。その巨大さゆえ床にまで届き下側が汚れてる風に見える。

 だけど、それだけだ。その巨大さしか特徴が見られない。魔王が身に付けていた物ならば、リリーシアが仰る(言う)通りに魔法の一つや二つ、最低でも技術スキル一つは付与されてなくてはおかしい。

 リリーシアは知らなかった。このクロークには数え切れない程に魔法と技術スキルが組み込まれている事に。恐らく本来の持ち主である魔王ですら、使いこなせはしなかっただろう。


「しかしのぉ、こんなに大きくては妾にはいくら父上の形見とて使い道がないのぉ」


 いらないと考えたが、つい親の形見だからかその手に取ってしまった。それがこのクロークの凄さを目の当たりにする切っ掛けとなる。



仕事は忙しいけど、ストック貯蓄していて定期的に提供出来てます。

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