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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-99、帝国の三勇者~ウッド・ゴーレム~

『殺りなさい。タクト』

 《~~~~~》

「なっ!」


 ウッド・ゴーレムは、トップレベルに耐久性がある代わりに本来攻撃手段を持たないというより攻撃をしてこない魔物モンスターである。

 だが、このウッド・ゴーレムは図太い腕をブンブンと振り回しながら殴って来た。


「ウッド・ゴーレムが攻撃してくるなんて」


 ウッド・ゴーレムが、ブンブンと回して殴った地面は抉れ、その耐久性は逆に最強の攻撃へと転じる事が出来ると証明してみせた。


「魔王種から産まれた影響なのかしら?」


 最初こそ驚きはしたが、ウッド・ゴーレムが前へ出て来たことによりトレント・ロードを守るものが無くなった。

 だが、ウッド・ゴーレムは意外にと俊敏でアシュリーの速度に着いて来ている。



「ここよ。風の聖弓アストルティン【旋風矢ハリケーンアロー】」


 今度は回転を加えた一撃。いくら弱めようとも止まらない。


『タクト守りなさい』

 《~~~~~》

「そこから間に合うはずが……………そんな!」


 腕を伸ばし受け止め、その軌道を変え遙か彼方に飛んで行ったのである。


「あれは、そんな簡単に曲がる矢ではないのよ!」


 回転に力を割いた結果、貫通力に特化した技術スキルだったのだが、ウッド・ゴーレムの腕にはヒビ1つも入っていない。

 普通ならえぐれてもおかしくないだけにショックを隠せられない。なんて硬い木肌なのだろう。


『オッホホホホ。タクト、良くやりましたわぁ』

 《~~~~~~》


 褒められたウッド・ゴーレムは、テンション高くピョンピョンと跳ねながら奇妙な踊りを見せ付けている。


「それでも魔王種なの?魔王種なら魔王種らしく自分で戦いなさい」

『あら、変なことを言う勇者ねぇ。魔王種だからこそ、手下に戦わせて何がいけないのかしら』

「ぐぬぬぬぬ」

 《~~~~》


 言い返す言葉が見つからない。トレンド・ロードの傍でウッド・ゴーレムが、こちらを指輪というより腕を向けて思いっ切り仰け反り笑ってるように見えなくもない。


「絶対に倒して殺るわ」

『あなたにタクトは殺れるかしら?ねぇ、タクト』

 《~~~~~》

『オッホホホホ、タクトも絶対に負けないと言ってるわよ』


 絶対に負けないと腕をブンブンと回すウッド・ゴーレム。アシュリーの攻撃を防ぎ切ってることに拍車を掛け調子づいてる。

 だが、それも仕方ない。他の勇者と違い、弓の勇者は何処か決定打に欠ける部分がある。

 だけど、弓には弓の強みがある。それは、派手さはないが音が少なく気付かれずに射抜く事が出来る。それを技術スキルとして昇華させたのが【悪戯好きな妖精(ミミック・フェアリー)】。

 これを使えば、使用した技術スキルや魔法を相手に誤認させられる。つまり必殺技が、ただのパンチに見えちゃう訳だ。

 これを使えば、油断を誘うことが出来る。しかし制約がある。連続では使えない欠点がある。必ず一矢ずつ使用しなければならない。


『オッホホホホ、気分が変わりました。タクト行きなさい。殺るのではなく、捕まえなさい。ワタクシのオモチャにしてさしあげますわ』


 それは絶対に嫌だ。もし、あのオバサンのオモチャになるくらいなら死を選んだ方がマシだ。


 《~~~~~~》


 ウッド・ゴーレムが腕をブンブン回して迫って来た。徐々に長く先端から数え切れない程のツルがニョキニョキ生え、一斉にアシュリーへ目掛けて襲いかかって来た。


「こんなの燃やせば良いのよ。火の聖弓アポロン【火球矢ファイヤーアロー×15】」


 迫って来るツルに全て命中した。風の妖精にもお願いして燃えやすくしてる。


 《~~~~~》


 だが、次から次へと生えキリがない。やはり、本体を狙うのが近道か。


「ワタシならやれるわ。火の聖弓アポロン奥義【黒点アポロン】」


悪戯好きな妖精(ミミック・フェアリー)】で、ただの矢だと誤認させ、風の妖精に誘導して貰い針の穴に糸を通す精密さでツルの軍勢を抜けさせる。


 ギィィィィィっと思いっ切り弓の弦を引き、そして放った。1本の何の変哲もない矢が、ツルの間を抜け防御をする間もなく、ウッド・ゴーレムの胴体へ命中した。

 その瞬間、物凄い爆発が置きウッド・ゴーレムの上半身は吹き飛んだ。だが、それだけでは無かった。

 ウッド・ゴーレムより後ろにあるほぼ全ての木々が燃え、崩れては吹き飛んでいた。


『ワタクシの腕がぁぁぁぁぁぁ』


 トレント・ロードは運良く腕だけで済んでいる。まぁ喰らった相手にとっては運悪いと思っても仕方ない。


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