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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-81、帝国の三勇者~風と水で氷になる~

 バンバン…………ガキン、ザンザン…………ドカーン


 片方からは槍や剣から響くような金属音、もう方や銃器でも用いてると思わせるような発砲音や爆発音がしてる。

 前者は予想通りで槍を用いてるが、後者は銃器は用いず素手のみで岩をも砕いている。


『何とも頑強な身体だ。人間じゃなければ尊敬していた程に』

「そりゃぁどうも。おめぇも大した槍使いじゃねぇか」


 ここはトカゲの世界。リザード・ロードとジャックが飛ばされ、今まさに戦っている。


「おらおらおらおら【風拳】」

『なんの、【箒星】』


 ジャックが新たに生み出した風属性の技術スキルというより【空弾エアショット】の強化版、拳の形になった【空弾エアショット】が当たれば、拳の形に抉れ、その内部まで響く。それを両手で連射してる。

 その一方で、リザード・ロードは特殊な槍捌きで一突きで3箇所を同時に突くという技を、連続で使用する事で難なく防いでいる。


「これならどうだ!【氷のつぶて】」


 風の拳から氷の拳へと変わった。


 土精族ドワーフの国であるガリウムにてリンカと模擬戦をやった頃は、まだ風属性しか扱えなかったが、古都でリンカ達3人とは別にアクアと一緒に任務を行ってる際に風以外に何か別の属性を扱えないか考えていた。


 切っ掛けはリンカが複数の属性を扱っていたのを見てからだ。それで、任務の最中アクアに水属性を使うコツを教わった。

 今まで使用して来なかった属性をコツを教わったからと言って普通なら一朝一夕で習得出来るものではない。

 だが、風属性と同じくジャックには水属性にも適正があったようで、ほんの数日程度でジャックは水属性の技術スキルを習得したのである。


 その結果論として風と水との合成属性である氷にも目覚め、今まさに氷の拳をリザード・ロードに連射してるのである。


『なにっ!氷だと!風と水の2つを持っているのか!その2つを持っていても氷を発現出来るのは1握りのはず』


 合成属性には、水と風で氷、炎と土で溶岩、風と雷で嵐、水と土で森林、風と炎で黒炎、水と炎で蒸気、土と風で噴煙、土と雷で磁石、水と雷で分解と言ったところだ。


 だが、2つ以上の属性が使えると言っても必ずしも合成属性を使える訳ではない。これには天性の感性や才能が必要だ。

 ジャックの場合は、水属性を習得したのが切っ掛けだが、それだけで最初から覚えてる風と相まって氷を習得してしまうのは天才と言うしかない。


 勇者の中でも合成属性を使う者はいるが、それは聖武器の能力で、本来の属性を極め裏技術ブラックスキルを発現したに過ぎない。

 ジャックみたいに自らの力だけで、合成属性に辿り着ける者は、そう多くない。


「おらおらおら氷漬け」

『くっ!』


 槍先で触れた部分が氷漬いていく。その氷は次第に拡がり始め、腕や足に付着していき終いには全身へと拡がっていく。


「ふぅ、魔王種といえど、これでおしまいか?」


 意外にとあっけない最後だったなぁと……………自分が強過ぎたのかと調子に乗っていた。


「ふっ、リンカの姉御にも俺の勇姿見せてあげたかったぜ」


 ナメるなっ


 何処からか声が聞こえような気がした。振り返るもそこには氷漬けのリザード・ロードしかいない。


「一体誰だ?気のせいか」


 ワッチを誰だと思ってる?魔王種の一角なるぞ。


 今度は、ハッキリと聞こえた。聞こえたというより頭に響いて来た感じだ。


「まだ生きてるのか!なら、直接砕くまで」


 トンッと地面を蹴り真正面へジャンプをし、拳を振り上げ振り降ろしたが…………ジャックの拳が当たる手前で氷が砕け散った。


「ぐはっ!」

『ふぅっ、やっと出られた』


 砕け散った氷の衝撃で、ジャックは後方へ吹き飛ばされ、リザード・ロードはゴキゴキと首を鳴らしている。


『こんなので魔王種を倒せると思うなよ?』


 ギロッとジャックに睨み付ける。


 あそこで直ぐに砕いていたなら勝っていた。なのに、何故あそこで砕なかったのかと…………舐めてるのかとリザード・ロードが怒り心頭になるのも当然である。


「くっ、俺の氷から出られるとは」

『【火夏星】、氷が火で解けない道理はない』


 槍の先端に炎が宿っており、砕け散った氷も全て解け水と化している。


「確かに勉強になる」


 炎は水に弱いが、氷は逆に炎に弱い。強くなったのか、弱くなったのか、これだけ見ると分からない属性だ。

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