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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-76、帝国の三勇者~槍vs鬼~

 カキンッカキンッ


 金属同士が交差する音が鳴り響く。


 ここは鬼の世界。額にツノを持つ以外は人間に近い魔物モンスターであるオーガのトップに君臨するオーガ・ロード。獲物は赤黒く光る刀。

 それと相対するのは槍の勇者であるメグミ。ここに喚ばれた瞬間に切り掛かり今に至る。


「ふっはははは、やはり命を掛けた戦いは楽しいなぁ。お前もそう思うよな」

『分かってるやないか。殺し合いが、今生きてると実感出来る瞬間やで』


 ここには邪魔する奴は誰もいない。いつもココアとリンカの邪魔が入るが、その2人もいない。思いっきり殺れるというものだ。


「炎の聖槍グングニル【焔裂き】」

『炎の槍なら、こっちは水の刀をお見せしようざないか。水の型【流水牡丹】』


 炎と水のぶつかり合いで一面に水蒸気で視界が悪くなる。先に姿を見つけ方が有利になる。


「そこか!」

『ハズレや』


 カキン


 シュンと空を突き、背後から刃が迫って来るところを槍の柄で防いだ。

 だが、再び水蒸気の霧の中へとオーガ・ロードは消えた。気配察知は苦手なメグミは、何度も霧を突くが当たらない。


『何処を狙ってるんや?ここやで?』

「くぅっ、うるせい!ちょこまかと攻撃しやがって。剣士なら剣士らしく正々堂々と戦いやがれ」


 刀の斬撃を防いだ瞬間に突くが槍だと先端に刃があるため一瞬遅れる。


『遅い………遅いですぜ。これが勇者の実力だとはガッカリですわ』

「くっ!しゃらくせぇー、風の聖槍ゼピュロス【扇風槍】」


 扇風機が如く、槍の刃が回転し局所的な竜巻を発生させ霧を霧散させた。


「これで良く見える。で、何がガッカリなんだ?」

『……………撤回しますやで。これくらいやって貰わないと面白くない!』


 ガキんガキっ


 剣と槍では、槍の方がリーチがあるため本来なら剣士は槍の3倍実力がないと相手にならないと言うが、オーガ・ロードは互角以上にメグミの槍を捌き、あわよくば懐へ飛び込んで来る。


『これは避けられるかいな【燕返し】』


 一振りで三本の斬撃がメグミを襲う。日本で有名な剣豪が使う技を、ここで見れるとはと、メグミは内心ドキドキと興奮してやまない。


 だけど、喰らう訳にはいかない。


「雷の聖槍ゼウス【蜜蜂】」


 三本の斬撃ならこっちは三本の突きで防ぐのみ。回避不可能ならそれしかない。

 同時に放たれた三本の斬撃は、雷霆の如く速い雷速の突きで防がれた……………だけかと思われた。


『なにっ!ワイの【燕返し】を防いだだと!』

「何か勘違いしてないか?」

『なぬっ!』


 三本の斬撃を突き破り、雷の槍が雷雨が如くオーガ・ロードに降り注がれる。


「雷の聖槍ゼウス【雀蜂】おらぁぁぁぁぁ」


【蜜蜂】の斬撃が1つに重なり、よりいっそう巨大な斬撃へと進化した。スズメバチの毒が強烈みたいに【雀蜂】の威力は巨大な隕石のクレーターみたいに地面を抉る威力を持つ。


「吹き飛んだか?久々に命を掛けた戦いをやると、力加減が分からなくなるな」


 クレーターの底には、メグミしかいない。オーガ・ロードの姿は何処にも見当たらない。


「あれで死んだとかないよな?」


 流石に魔王種の一角が、あの程度で殺られたとは考えたくない。もし、殺られていたら、このウズウズした気持ちを、何処に向けてやれば良いのか分からない。


 ドカッ


『ゲボっ、危ないところじゃったわい』


 クレーターの隅に穴が空き、そこからオーガ・ロードが這い出て来た。


『もう少し穴を掘る時間が遅かったら、消し炭になっていたわい』

「そこにおったのか!安心した、あれくらいで殺られては詰まらないからな」


 リンカやメグミには悪いが、勝利は二の次にしてもっとこの戦いを続けたいと内心から思ってる自分いる。


『さすが勇者という事あるな。ワイ、ゾクゾクしたきたわ』

「オレも楽しくて身震いしてるところだ」


 バチバチ…………ガキンっ


「さてと続きを始めようか」

『突っ込んでから言うセリフじゃないってぇの』


 雷の聖槍ゼウスのまま瞬足でメグミが突っ込み、1突きをかました。本来なら目の端に捉える事も難しいが、侍が如く動体視力の良さでメグミの姿を捉えたオーガ・ロードは構え防いだ。


「まさか防がれると思いませんでした」

『こちとら愛武器が刀なもんで、動体視力には自信があるんや。それに雷を使えるのが、そちらさんだけではあらへんで』


 一旦、お互い離れ様子を見ている。オーガ・ロードは、刀を鞘に納刀し、なにやら構えを取った模様である。

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