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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-73、帝国の三勇者~水は最強~

「ただの土壁がこんなに硬いはずはない!」

『これは硬い鉱石を固めた壁だ。そんな弱いパンチで打ち破れる訳ねぇだろ』


 強気だが内心冷や汗しか出てない。一発喰らっただけで中身が出そうなったゴブリン・ロード。

 涙目を浮かべたが、アクアに悟られないように我慢する。1回隙を見せたら殺られると本能がそう告げている。


「なら、水が最強だと思い知らせる。ご主人様のために」

『なら、来い!絶望の顔が楽しみでしょうがない』


 アクアのメグミに対する忠誠心が勝つか、ゴブリン・ロードの魔王種に対するプライドが勝つか、それは誰にも分からない。


「先ずは、その厄介な壁を切る。【水流斬ウォーターカッター】」


 アクアがグーの拳から手刀を思わせるように掌を開き、空中を切る素振りをした。そしたら、なんと!ゴブリン・ロードが作り出した壁を難なく切り崩したのである。


『なにっ!なら、これならどうだ?土魔法【土槍アースジャベリン】』


 地面から土で出来た突起物が数十本とはきかない程にせり上ってアクアを襲う。


「全部切る」


水流斬ウォーターカッター】を両手で発動し、連続で【土槍アースジャベリン】を切って行くが、数が多い。

 次第に捌き切れなくなり、いくつかは喰らってしまう。だが、それでも切り続ける。


『ぐっわっはははは、これでお終いだ。優級土魔法【絶対死の地割れ(グランド・デス)】』


 ゴブリン・ロードの詠唱が終わると地面が数秒間揺れ始め、アクアの足元に地面が口を開くようにヒビが入り割れ、その中に吸い込まれる。


 そして、口は閉じられた。


「これは!くそぉぉぉぉ」


 アクアの悲鳴は虚しく地面が閉じられたと同時に聞こえなくなった。魔法が放たれる前の状態へと戻った。


『ぐっわっはははは、優級魔法の中でも凶悪。これを喰らって生きていた者はいない。ぐっわっはははは。だが、死体を持って帰れないのが残念だが』


 地面に飲み込まれた以上、死体の回収は無理というもの。だが、おかしい。

 どちらかが死亡するしか、この世界から出る手段はない。それ故にアクアが死亡認定すれば元の場所へと戻れるはずなのだが………。


『??…………何故、戻れぬ?ヤツは死んだはず………あの魔法で生きてる者など皆無。まさか、我が主に騙されているのか?』


 元の世界に戻れない原因は直ぐに明らかになった。


 ゴッゴォォォゴォォォ


 地震や地割れなどの地響きとは違う地面の揺れが起こった。


『一体何が起こっている。早く帰って人間の女を犯したいのに』


 ブシューーーっブシューーーーっ


 地面からいきなり間欠泉みたいに水が勢い良く吹き出てきた。温度は熱くなく、普通に水のようだ。


『これは何が起きている?』

「ぷはぁー、このアクアじゃなかったら死んでいた」

『お前、死んだはずでは』


 水が吹き出した穴の1つからアクアは這い出て来た。多少疲れてる様子はあるものの、無傷な状態でほぼ全快な状態である。


「焦った。水で横壁に穴を掘った」


 岩盤に水で穴を掘り進め地上へ戻れた。流石に、あのまま落下し挟まれていたらアクアでもタダでは済まないところであった。


『ちっ、そのまま楽に死ねたものを』

「アクアはご主人様のために死ねない」

『なら、また奈落に落ちろぉぉぉぉぉ【絶対死の地割れ(グランド・デス)】』


 再びゴブリン・ロードは地割れを起こそうとする。が、不発に終わった。


「それは、もう懲り懲り。優級氷魔法【氷平原アイス・バーン】」


 地面が氷づき地割れを抑えている。多少は揺れてはいるが氷の方が頑丈のようで地面が割れる事はない。


「これで地割れは起こらない」

『なにっ!こんな大規模の氷魔法は初めて見た』


 氷魔法自体が珍しい。氷魔法の使い手は大抵、戦闘要因とは数えられていない。

 何故なら、氷魔法は海産物や農作物の運搬のために使われている。それも貴族御用達の運搬のために。

 だから、ほとんどの人は知らない。氷魔法が戦闘てして使えるって事を。


『まさか氷魔法を戦闘で使うとはワスには思い付かない』

「それはアクアよりも頭が悪いってこと?」

『ふがぁ!お前、今なんと言った?!』

「だから、頭が悪いと」

『ワスは頭は悪くない。その証拠に魔法が使える』

「魔王種だから、魔法が使えて当たり前ではないか?」


 アクアに論破され、バンバンとゴブリン・ロードは地団駄を踏む。

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