表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

475/551

SS1-70、帝国の三勇者~ネズミの増殖~

 チューチューチューチューチューチュー


 落雷に当たってるはずのリンカは無事である。その代わりにネズミの耳と尻尾が付いたネズミサイズのリンカ?らしき生き物が次々に落雷の餌食になっている。

 まるでリンカを護る障壁となってるような………そんな風に見える。


『これは一体』

「リンカのシリーズ系の1つ、の聖拳リーベラの技術スキル増殖リーベラ】、リンカの分身ネズミを生み出すのです。避ける事も受ける事も無理なら他のもので防げば良い」


 分身を生み出すとだけ聞けば、強力な技術スキルだと思えるだろう。だが、強力なもの程に制約はありもので、先ずはネズミサイズしか生み出せないこと。

 それに、この技術スキル使用中、本人を含めシリーズ系の技術スキルを使用不可になることの2つが制約となる。


『クっハッハハハ、それがどうした?それでは、その場から動けないではないか』

「そう思う?」


 チューチューチュー


『なにっ!』

「なにもリンカの傍から出現するとは言ってないよ?」


 いつの間にか、ウルフ・ロードの近くにリンカの分身ネズミが数匹足元にいた。


『このっ!』


 足で踏み潰そうともすばしっこい分身ネズミには、一向に当たる気配がない。


 チューチューチュー


『ぶほへあっ』


 本来のネズミとは思えない程に超跳で、ウルフ・ロードの顔面にアッパーカットをお見舞いして吹き飛んだ。

 後ろへ転びそうになり頬を押さえながら信じられないと分身ネズミ達を見つめる。

 本人リンカと同等かそれ以上の腕力は持ってるようだ。それに加えて、小さいのが厄介。攻撃が当たり難くてイライラする事、間違いなしだ。


『なんという腕力を持っているのだ』

「それだけじゃないよ?」

『うおっ!』


 分身ネズミ技術スキルをしようした事にウルフ・ロードは驚愕した。それも一匹だけではない。

 それぞれ違う技術スキルを使用している。

 本来なら1回につき1種類しか技術スキルは使用できないはずだが、分身ネズミは複数いるため違う技術スキルが使える。

 これでは、雷を落とす余裕がない。何気に速く防御と回避に徹しないと殺られそうだと逃げの選択を取るウルフ・ロード。


「逃げるの?」

『ここにいたら不利だ。逃げさせて貰う。火の法【煙玉】』


 ボン


 ウルフ・ロードの姿を隠す程の煙が舞い、数秒後晴れるとウルフ・ロードは何処にもいなかった。


「まるで忍者。でも、逃げても無駄」


 チューチューチュー


「あのワンちゃんを探して」


 この世界にいるのは確かだ。まだ気配は感じるが、上手く隠れてるのか?正確な場所までは分からない。

 1番最悪なのは、この世界に置いてけぼりにされる事。だが、どちらかが死ぬまで出られないと言っていた。


 その言葉を信じるなら安心と言えよう。


「何処にカクレンボしたのかな?」


 出来れば、この技術スキルは使いたくなかった。何故なら、自分自身で戦いたいからだ。大抵、分身ネズミ達で勝ってしまう。

 解除しようにも敵を一掃しまうまで止まらない。いや、自分以外の生きとし生ける者を食い殺すまで止まらない。

 だから、仲間がいる所では使えない。むしろ、使ってはダメなやつだ。


 止める方法は、分身ネズミ達が満足するまで待つしかない。リンカでも止められない。

 でも、幸か不幸か?ここにはウルフ・ロードしかいない事が吉となっている。

 多少ならリンカの言う事を聞いてくれるし、肉壁になってくれる。これが魔物の大量発生であるスタンビート並であったなら、そちらに気を取られ全く命令を聞いてくれなくなる。


「んっ?発見した」


 チューチューチュー


「あそこかな?」


 分身ネズミ達が集まってる場所に行くと、ウルフ・ロードが最後の抵抗をしてるように分身ネズミ達と戦っていた。


『このっ!執拗い。一匹一匹は小さいが、纏まったところを殺れば当たる』

「頑張ってる?」

『キサマ!良くもワレにけしかけたな』


 話してる暇があるなら分身ネズミ達の相手をしてた方が良いのでは?早く倒さないと、完璧に分身ネズミの波に飲まれ食い尽くされて骨も残らなくなる。


『くっ!この』

「うん、やるぅ」

『キサマも傍観してないで掛かって来い』

「それはヤダ」


 分身ネズミ達の間に入りたくない。これが、技術スキルの最大のリスクと言えよう。

 分身ネズミ達の食事の邪魔をすると、リンカ本人も襲われる恐れがあるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ