表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

471/551

SS1-66、帝国の三勇者~神樹の魔物暴走~

 ☆翌日☆


「これは和食?!」

「懐かしい」

「良い味噌の香り」

「先輩、良い仕事してるわぁ」


 久し振りに和食を目の前にすると、ホッコリと田舎で炬燵にでも入ってるかのような感覚に陥る4人の勇者。

 そんな様子にジャックとアクアは首を傾げるが、野菜のぬか漬けを1切れ食べた瞬間に同じ気持ちが芽生えた。


「これが野菜だと!」

「肉より美味しい?!」


 ぬか漬けの程よい塩気が、白いご飯と良く合うと本能から理解出来る。

 1回食べて見たら分かる。ぬか漬け→ご飯→ぬか漬け→ご飯→たまに味噌汁の無限ループが完成する。

 この中に入ったら中々抜け出せない。気が付いた頃には、ご飯が空となっているという現象が起こる。


「ジャックとアクアも和食の魅力に取り憑かれちゃった」

「先輩の料理だからこそだと思うわ。他の市販品だと、絶対にこうはならないわよ」

「食べ過ぎちゃったかしら」


 普段は、少食なココアが今回ばかりはご飯を6杯お代わりしてる。

 それでも少ない方で、他の面々は軽く見積もっても10杯はお代わりをしており、1番小柄なリンカが1番食べている。


「リンカ、良く入るわね」

「うん?動けば、こんなのへっちゃら」


 それにしても凄いのはカズトかもしれない。みんなの食事量を計算して、ご飯のおひつを用意してあり、みんなが食べ終わる頃には、もう空っぽでもう食べれないと、その場でへたれこんでる。


「もう行くか?」

「うん、さっさと片付けちゃおう」

「アシュリーさん、ご案内お願い出来るかしら」

「いいよ」


 ここからは勇者らしく、ビシッと衣服を整え、そして強者にしか勇者だと判別出来る程度にオーラを微量身から溢れさせる。

 これを感知出来ないと、みんな雑魚ということになる。まぁみんながみんなやってる訳ではない。

 むしろ、リンカとメグミが強者と戦いがために編み出した強者探索法である。


「ここが最後オークキングとトレントクイーンの目撃情報があった場所よ」


 門から出て勇者の足で10分、通常な冒険者ハンターの足で1時間ほどの森の奥地。

 そこは周囲は木々に囲われてはいるが、夜営に最適な広場である。360度見渡せ何処から敵が来ても分かるような場所だ。


「これは罠だね」

「罠?リンカ、それはどういう」


 アシュリーの言葉が最後まで続かなかった。何故なら、アシュリーの背後から矢が飛んで来て、それをリンカが寸止めで掴んだのである。

 後、数mmで鏃がアシュリーの背中にブスリと刺さっていた。


「アシュ姉、危なかったね」

「あ、ありがとう。リンカ」

「そこかぁ。闇の聖槍ゲイ・ボルク奥義【絶対必中の魔槍(ゲイ・ボルグ)】」

『ギャウ』


 メグミが背後の茂みに向かって槍投げをした。見事命中したようで、不快な鳴き声と共にゲイ・ボルグが、くるくると回転しながら戻って来た。


「こいつはオークレンジャー、オークの上位種で弓や罠の設置や解除を得意としてるオーク」

「他にもいる。囲まれてる」

「確かにプンプンと臭ってくるぜ」


 リンカに指摘されるまで全員気付かなかった。いや、それは無理もない。

 魔物モンスターなのに【隠密】を器用に使っているからだ。


「ジャック」

「おうよ、リンカの姉御」


 木陰から木のツルが矢の如く迫って来たのを叩き落とした。鉄の棒でも思わせる程に硬く、まるで矢のようであった。


「ちょっと待って!オークやトレントだけではないわ」


 確認出来るだけで、オーク・トレント・ゴブリン・オーガ・ワーウルフ・リザードマンの上位種が見受けられる。

 2種類だけでもありえないのに、これだけの種類の魔物モンスターが徒党を組むなど前代未聞だ。


「これは魔物暴走スタンピード?」


 魔物暴走スタンピードなら複数の魔物モンスターが一斉に動き出す事に説明は付くが、だがしかし…………。


「いいえ、それなら神樹の外で起きてるわ」


 そう、魔物暴走スタンピードはダンジョンの容量がオーバーし外へ溢れ出す現象。

 ここは神樹の森の中、つまりダンジョンの中だということ。それに魔物暴走スタンピード魔物モンスター達は自我を失っている。


「まるで知性を持ってるかのように我々の様子を伺ってるわ」


 知性を持つ魔物モンスターが出現する条件は2つある。1つ目は、単独ではなく群れてる事。

 2つ目は、バックに強力なボスがいる。それもSランク以上の強力な魔物モンスターが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ