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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-58、帝国の三勇者~未成年には運転はダメ~

 やっと本当に兄さんと会えた。兄さんが帰って来るまで、兄さんの嫁達に毎日のようにもみくちゃされた。それはそれで楽しかった。

 ガラガラと扉を開けた兄さんに飛びついた。久し振りに兄さん成分を補充出来た。兄さんは、国王の任務で、魔法大国マーリンに出張していた。

 兄さんの事だからあっちでもトラブルに巻き込まれたらしい。それも憎き姉さん関連という事。

 姉さんのせいで帰って来た時には、とても疲れたような顔をしていた。兄さんは隠してるつもりでいたけど、リンカにはバレバレなんですから。


 まぁそんなこんなで、兄さんが帰って来てから数日過ぎた頃、また他国に出張するというのだ。出張先は、ファンタジーでお馴染みの森精族エルフが住む国、神樹の森フリーヘイム。

 それで一緒に来るメンバーを募ったところにリンカが直ぐに手を挙げた。リンカも森精族エルフに会いたいのは、二の次でもっと兄さんと一緒にいたいのが本音だ。


「らんらん、これで兄さんと一緒にいられる」

「リンカ、上機嫌のようね」

「だってぇ、唯一無二の兄妹なんだよ。また離れ離れなんて嫌」

「ぷっ、リンカ本当にそう思ってるのか?」

「メグミ、どういう意味かな?」


 三人で間借りしてるカズトの店の部屋にて、いつもながらケンカに発展しそうになるリンカとメグミ。


「はいはい、明日に出発なんだから口じゃなく手を動かす」

「命拾いしたね、メグミ」

「それはこっちの話だ、リンカ」


 三人の内、一番怖いのは…………ココアだとリンカとメグミは理解してる。だから、ココアには逆らわない。


 そして、翌日となり神樹の森フリーヘイムへ行く時間になった。古都の正門から出ると、兄さんは一旦止まりアイテムボックスから何かを取り出した。


「これに乗って行く」

「兄さん、これって」

「ちょっと待て。何でここにあるんだ?これは地球の物だろ!」

「ふむ、成る程。お兄さんの技術スキルですね」


 目の前にキャンピングカーが現れた。ファンタジーな世界で、これは反則に近い。ジャックとアクアの2人には、ただの鉄の箱にしか見えないようだ。

 これが、馬が無くても走るとはジャックとアクアには到底信じられないだろう。

 カズトにもどういう仕組みで走るのか質問されても答えられない。【異世界通販ショッピング】で買っただけのカズトには詳しく説明は出来ないのだから。


「これは何です?鉄の箱?」

「これは自動車。まぁ馬がいなくても走る馬車と思ってくれれば良い。さぁ乗って出発だ」


 兄さんが運転席、リンカも含め後の5人は後部座席に乗り込んだ。予想より広い。リンカもキャンピングカーは初めて乗る。

 人数分のベッドがあり、キッチンも完備で何時でも料理が作れる。冷蔵庫には食材が、ズラッと陳列されており、兄さんの料理が楽しみで仕方ない。


「わぁ広ぉぉぉい」

「これは良いな」

「食料は冷蔵庫に入れてくれ。全員乗ったな」 

「出発おしんこう」


 兄さんがエンジンを掛け発進した。久し振りの車が走る感覚に懐かしさを覚えつつ、景色を楽しんだ。


 あっそうだ。日本の感覚で忘れてた。


「お兄さんに質問があります」

「何だ?」

「このキャンピングカーはどうやって動いているのですか?燃料は、こっちにありませんし」


 異世界アグドの中でも科学寄りに発展してる帝国ブレインズでも石油や石炭を発見されたと聞いた事はない。


「科学よりも発達したものがあるじゃないか」

「魔法…………魔力で動いてるのですか?!」

「あぁそうだ。俺達、勇者は魔力は無尽蔵にあるのに魔法が苦手ときてる。それを有効活用出来るのが、魔道具だ。このキャンピングカーも魔道具の1つだ」


 なら、リンカでも運転出来るのかな?日本では運転免許証は取得していない。だが、異世界アグドでは免許という概念はない。


「私も運転出来ますか?」

「日本で運転していたのか?」

「頻繁ではありませんが、それなりに」

「運転するか?」

「よろしいですか?」


 ココアに先を越された!


「良いなぁ」

「オレにも運転させてくれよ」

「お前ら2人はダメだ」


 えぇーーーーっ、何でダメなの?!良いじゃん良いじゃん!ココアばかりズルい。


「「ぶぅぶぅ」」

「唸ってもダメだ。明らかに速度出し過ぎるの目に見えてるからな。どうしてもと言うならバイクでも乗るか?」

「「乗る!」」


 兄さん分かってるぅ。


 軽く運転方法を教わり、リンカとメグミはバイクで走り出した。カズトは教えてないアクロバティックな乗り方で、キャンピングカーを運転させなくて良かったと安堵している。


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