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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS12-9、盾の勇者=教祖〜総本山に帰宅〜

「みんな無事ね」


 ここは魔神教会の総本山。誰も場所が分からない場所。特殊な転移しか行き来出来ない場所。故に、異世界アグドにて一番安全な場所といえる。


「ここが魔神教会総本山、本当に実在するとは」


 ここまで巨大な空間とは本の勇者もとい《魔術師ルバトゥル》は思いもしなかったようだ。


「《魔術師ルバトゥル》けして教祖様を裏切らない事ね」

「《隠者ハーミット》何を言ってる?僕が裏切る訳ないだろ?それとも君は今ここで死にたいのか?」

「はいはい、ケンカしない。《世界ザ・ワールド》、《魔術師ルバトゥル》を案内してちょうだい。《魔術師ルバトゥル》は、案内して貰ったら私のところに来てちょうだいね。後は、解散。みんな、ゆっくりと休んでちょうだいね」


 私は、解散を宣言した後に自分の部屋へと戻る。今日は、疲れた。当分は、部下に任せてゆっくりとしたい。そもそも私の性格から国1つなんか放置しても良かった。

 ほぼ精神力を賭けて守る必要は無かった。あそこにカズトがいなかったら放置していた。

 《世界ザ・ワールド》に任せて置けば、万事解決であった。だが、自弟であるカズトには1回顔を見せるべきかとピーンと感じた。

 だって、その方が面白そうだったし、久々に顔を見たかったというのもある。


「ふぅ、寝る前にケンちゃんを出さなきゃ」


鏡世界ミラーワールド】からケンゴを出した。もう魔法大国マーリンにいた時よりは大人しくなってる。いや、どうやら正気を取り戻してるようだ。


「ケンちゃん、ごきげんよう」

「俺を殺せ」


 出して開幕早々、殺せとは穏やかではない。まぁ捕まってる時点で、そう思っちゃうのはある意味仕方ない。


「ケンちゃん、物騒な事を言わないの」

「うるせぇ。みんなの迷惑になって、敵に回るのなら喜んで死ぬさ」

「うんうん、ケンちゃんの気持ちは良く分かった」

「なら」

「でも、断る。何で私がケンちゃんを殺さなきゃならないの?」


 態々何で殺さなきゃならないのか首を傾げる。そんな面倒臭い事、戦う時以外は断固お断りだ。

 自分は地球で大犯罪者だが、自分から他人を殺した事は指の数で事足りる。

 むしろ、精神を崩壊さた方が楽しい。崩壊して自殺に追い込んだ事なら多々あるが、それは私が感知する事ではない。


「折角、私の部下にするのに殺しちゃ勿体無いでしょ?」

「お前の下に就く位なら死んだ方がマシだ」

「なら、死ねば?まぁ出来ないでしょうけど」

「くっ…………」


 勇者は自害が出来ない。敵に拷問を受けたり、辛い修羅場に陥っても自殺出来ない。ある意味、呪いと揶揄される技術スキルである【女神の抱擁】。


「さてと、早く済まそうか。他の子なら耐えられないけど、ケンちゃんなら耐えられるかもね」

「な、何をする気だ?!」

「これが何だか分かる?」


 教祖カノンが懐から1枚のカードを取り出した。そこにはローマ数字の16と塔の絵に文字が書かれている。


「それは!まさか、それがお前のシリーズ系」

「そっ、これが私のシリーズ系のタロットカード。他のシリーズ系と違ってね。他の人にも分け与える事が出来るんだぁ」

「絶対服従の下僕を作るの間違いじゃないか?」

「そうとも言うわね」


 力を分け与える引き換えに絶対服従を誓わせるって間違ってる?私は間違ってないと思ってる。

 お金を与えて仕事をさせるのと、どう大差がある?私はないと思ってる。


「ここは魔神教会の総本山。逃げ場はないけど、断る?」

「くっ…………それを渡せ。受け入れる」

「はい、どうぞ」


 塔のカードを受け取り、ケンゴは自分の身体に突き立てた。みるみる内に吸収され、数秒の内にのた打ち回る程の激痛と頭痛に襲われる。


「ギャァァァァァ」

「我慢してちょうだいね。カードによって身体が作り替えられてるのだから」


 数分しない内に大人しくなった。深く息を吸いながら、ぐったりと寝そべってる。


「成功したようね」

「ハァハァ、生まれ変わった気分だぜ」

「どう?まだ私に逆らう気はあるかしら?」


 意地悪な質問をする。カードを受け入れ適応した時点で絶対服従を誓ったも同然。


「アッハハハ、そんな訳ないですよ。一生、あなたに着いていきます」

「そう、これからよろしくね。No16《ザ・タワー》」


 これで、勇者の1人は完全に敵側に寝返ったのである。



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