表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

400/551

199食目、槌vsマンティコアその2

 魔法による攻撃をさせないためには、第一に詠唱が完成する前に魔導師を攻撃や妨害で詠唱を中断させるのが一番効率が良い。


『グハッ』

「ほらっ、もういっちょう」


 サクラのスイングが早過ぎて目で追えない。マンティコアが魔法を唱える隙がない。


 ブンっブンっブンっブンっ


『ゲホッガハッブホッゲフッ』


 不細工だったマンティコアの顔が更に不細工と成り果てる。ちょっと可愛そうになってくるが、マンティコアは魔物モンスター。手心を加える必要はない。


「アッハハハハハ、ここまで殴っても意識があるとは頑丈だね」

『ゲフッ、オデが悪かったから許して』

「うーん、どうしようかしらね」

『こ、この通り』


 マンティコアが人間顔負けの土下座を器用に足や腰を曲げて実演してる。最初は、あんなに気迫があったのに、今となっては型無しだ。


「うーん、何か可愛そうに思えてきたな」

『そ、それじゃぁ!』

「でーも、ダーメ。ここで死んで貰うから」


 ニコニコと笑顔のまま雷の聖槌ミョルニルを振り上げ、音を置き去りにして振り下ろした。

 だけど、そこにはマンティコアはいなかった。その代わりに小さなクレーターが出来ていた。


『ハァハァ』

「もう避けないでよ」

『それは断る。オデは帰るのでな。帰還魔法【帰還リターン】』

「させないよ」


 サクラのスイングは空振りに終わった。マンティコアの姿は、何処にもなく勇者の【感知サーチ】にも引っ掛らない。


「あーあ、逃しちゃったか。ショウの方はどうなってるかな?」


 少し時間は遡り、ショウキが合成獣キメラのララを真っ二つに切り裂き爆発させ、腹辺りから2つに分かれ倒れている。


「これで、残りはお前だけだ。《教皇ハイエロファント》」

「クッククククカァァァハッハハハハハ」


 召喚した魔物モンスターが倒されたというのに腹を抱えて甲高い声で笑い出す《教皇ハイエロファント》。


「何がおかしい」

「これがおかしくて、誰だって嘲笑ってしまうわ。お前の目は節穴か?ほれ、さっさと起きろ」

「もう、バラすの早過ぎよぉ」


 死んだはずの合成獣キメラのララの上半身から声が聞こえた。身体を真っ二つにされて生きてる魔物モンスターなんて聞いた事がない。


「奇襲で楽にコレクションに加えられると考えていたのに」

「それは悪い事をした。でも、お前なら楽に捕らえられるだろ?」

「それもそうさね」


 合成獣キメラのララの上半身と下半身の切り口から百足ムカデぽい魔物モンスターらしき物体が、ウネウネと這いずり回り上半身と下半身が結合、合体した。


「うぃ、よっこらっせっと。いきなり真っ二つとか酷ぇな」


 何事も無かった風に起き上がる。傷口は既に塞がっており、どういう原理か服も元通りだ。


「今ので死なないとか、マジで化け物なんか!」

「まぁ化け物なのは認めるわ。なにせ、アチキの身体は百万の魔物モンスターを飼ってるさかい」


 ビリビリと自ら服を破いて見せて来た。純粋な男なら目を反らす場面だが、目を離せないでいた。

 何故なら、服の向こう側は肌じゃなくて、デカい虫やらゴブリン等の小型の魔物モンスターが蠢き合ってる。

 ソンビや虫が蠢くパニック映画に耐性がない人が見れば、グロ過ぎて吐き出すに違いない。


「ぐっ、身体の中に魔物モンスターか!」

「クックックッ、怖じ気づいたかい。そうアチキは合成獣キメラのララ。百万の魔物モンスターの大群と戦った事あるかい?」


 一般の冒険者ハンターなら自分の命の欲しさに100%逃げ出す事だろう。

 だけど、俺は逃げる訳には行かない。勇者が逃げては人々に希望が失くなる。


「あるぜ。楽勝だ。コラッ」

「クックックッ、威勢が良いねぇ。それがウソか真か…………試してやるさね」


 口から出たデマカセだ。だが、拡がっているよりも一個体に纏まっていた方が、まだ勝てると……………勝算はララを見た時からあった。

 破いた服を前に戻すと、またもや元通りに戻ってる。


「先ずは、これさね。【武器虫ウェポンワーム:剣】」


 腕よりも数十cmは長いヒラヒラした袖から剣の刃だけが出て来た。魔物モンスターが勇者相手に武器で戦うとは愚の骨頂。


「おりゃぁぁぁぁ、【火炎斧ファイヤーアックス】」


 ガキン

 本来ならバターのように相手の武器を一刀両断する炎の斧が、ララの剣に阻まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ