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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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195食目、槌&斧vs《教皇》

「お前の世界に入っていた誰かが壊したのだろう。心当たりはないのか?」

「ハァハァ、鎖の勇者。アイツを閉じ込めていた」


 鎖の勇者。確か、サンドラ・ミッシェルという樹精族ドライアドの女だったか?

 《魔術師ルバトゥル》が地球で生活していた時も特段接触なく、こちらで初めて相対した。だから、特に印象はない。


「それで、どうやってお前の世界を壊したのだ?」


 大雑把だが、持ち主本人が世界の外側にいても中の様子が把握出来る。


「何かを召喚したみたいだ。その魔物モンスターに破壊されたみたいだな」

「召喚魔法を?」


 召喚は魔法しか存在せず、魔法が苦手な勇者には行使出来ないはずだ。だが、影という世界の持ち主本人から召喚されたという。


「もしかして、技術スキルの中に召喚魔法を使用可能にするものがあったのか?」


 《隠者ハーミット》が直ぐ近くにいるのに、ブツブツと一人で独り言のように口ずさんでいる。


「ねぇ、死体偽造と【魔神の右手】を封印して持てるようになったのだから、さっさとずらかりましょう」

「まぁちょっと待て。もう二つ程やる事がある。それに地上を、もう少し様子見てから行こうじゃないか。まだ痛むのだろう?」


 回復したてで身体のあっちこっちが痛む《隠者ハーミット》。本来ならショック状態で死んでもおかしくない程のダメージを壊れた影の反動で受けた。

 一回の回復ヒールで全快する訳にはいかなかった。そこで少しでも休もうと《魔術師ルバトゥル》の提案である。


「外の様子でも観戦しながら休もうじゃないか。【世界地図ワールドマップ】」

「本当に万能ね」


世界地図ワールドマップ】によると、杖・斧・槌の勇者は魔物モンスターを倒しながら国民を避難誘導してるようだ。


「皆さん、こちらです」


 この時のために国民を避難させる場所は用意されている。外部からの攻撃は一切通さない地下大ドーム。

 普段は、魔法の大規模な実験や魔道具の研究に使われている。実験や研究には危険もあるため頑丈に作られており、ちょっとの事ではビクともしない作りになっている。


『ギャォォォォ』

「ここは俺らに任せて先に行け」

「カズトパイセンが勝ったのに、あたしらが負ける訳には行かないのよ」

「ショウ君にサクラちゃん、任せたわ。皆さん行きましょう」


 カズトが幹部の一人を撃退したと連絡が入っていた。それにより士気が上昇し、魔法大国マーリンの魔術師隊も魔物モンスターを倒していく。


「うおぉぉぉりゃりゃりゃ、俺の斧の前ではお前らなんか紙切れ同然だな」

「こっちも負けないわよ」


 まるで魔物モンスターが紙切れように切れては吹っ飛び、切れては吹っ飛びと魔物モンスターを寄せ付けない。


「風の聖斧ヴァイキング【竜巻戦斧斬】うおぉぉぉぉりゃぁぁぁぁ」


 聖斧を遠心力を用い振り回すと、ショウキを中心に竜巻が形成され、魔物モンスターの群れを巻き込み進んでいく。

 巻き込まれた魔物モンスターは鋭い刃に切れたように細切れになっていく。


「アタシも行くよぉぉぉ。雷の聖槌ミョルニル【雷槌投げ(トールブーメラン)】うぅぅぅぅぅりゃぁぁぁぁ」


 助走を付け走り槍投げの要領で投げた。タダ投げただけなのに回転しながら次々と魔物モンスターに命中していき感電した後、真っ黒に焼かれ絶命していく。

 そして、最後には持ち主の元へと返ってくる。神話でのトールでも実際にミョルニルを投げ持ち主の元へ戻って来たという逸話がある。

 まさにそのまんまな技術スキルだ。


「やるじゃないか」

「そっちこそ」


 ショウキとサクラは、カズトの後輩にしてライバル関係でもある。この二人が出会うと何かしらの勝負をする事で、地球にいた頃、カズトが住んでいた地域では有名であった。

 むしろ、名物と化していた。


「グヌヌヌヌヌ、良くも殺ってくれたな。俺の魔物オモチャを」


 物陰に隠れていた《教皇ハイエロファント》が姿を現した。ショウキとサクラはすかさず構え、一目散に駆け出した。


「甘いんだよ。出て来い」

『グッシャァァァァ』


 地面が揺れ、ショウキとサクラは飛び退いた。ビル3階はあるであろうワームという虫型の魔物モンスターが出現した。



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