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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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SS10-14、ジョルの仕事〜《愚者》vs帝国の三勇者その2〜

「くそっ、転移魔法だと!」

「……………ねぇ、リンカ達に何かした?何か違和感がある。その違和感で、ココアの魅了を無効化した?」

「オレもさっきから技術スキルが使えねぇ。お前が出て来たあたりからなぁ」


 おや?この違和感に気付くとは。《運命の輪(ホールフォーチュン)》と同じく技術スキルを封じてる訳ですが、その内容は大きく異なる。


「ふむ、その観察眼。それに雰囲気と言いますか、カノン様の面影がありますね。流石は妹君と言ったところですかな」

「なに?!」

「おや?君は気付いて無かったのですかな?」


 どうりで強い訳だ。教祖カノン様の妹君であるリンカを改めて全身隈なく観察する。

 確かに面影がある気がする。


「不愉快。あのクズ姉と一緒にしないで」

「おやおや、これは嫌われたものです。それでどうです?こっちの仲間にはなりませんか?」

「《愚者ザ・フール》様!」

「ここで勧誘なんて意味不明。当然答えはお断り。あっかんべー」


 舌を大きく出し人差し指で右目の下部を広げた。あんなヤツの仲間になるなんて絶対に嫌だ。


「では、《戦う歌姫》はどうなっても良いと?」

「うっ………」

「「ココア!」」


 ココアの首が更に絞まる。勇者でもこの状態なら首をへし折るなんて雑作もない。


「別に殺す積りはありません。タダ殺す以外でやるかもしれませんが」

「ココアに何をやる気だ」

「あなた方の世界ではどうだったのか知りませんが、この世界では死ぬ事よりも辛い事の方が多いのですよ」


 例えば拷問だったり、奴隷に落とすのも辛い。借金奴隷ならまだしも犯罪奴隷と同じく、劣悪な環境で山での強制労働は死ぬ事よりも辛い。

 自殺を図ろうとしても隷属の首輪という魔道具にて、その行動事態が出来ない仕様となっている。


「性奴隷として物好きな貴族にも売るのも良いかもしれませんね。かの《戦う歌姫》は勇者の中でも一番有名で可愛いですから。高値で売れる事間違いなしです」

「ひぃっ!」

「ココアを離せっ」

「えっ?ゴホッ」


 目の前にいるはずの《武神》が、いつの間にか使えないはずの技術スキルを使っており、儂の脇腹が腕みたいなもので殴れている。


「メグミ」

「おうよ。ココア無事か」


 脇腹を殴られ《戦う歌姫》を離してしまった。そこを《狂槍》が、すかさず受け止めた。


「遅いわよ。バカ」

「五月蝿え。助けたんだから良いだろ」


 悪態を付きながらも信用してる仲間通し、助けられて嫌なはずがない。お互いにてぇてぇしている。


「ゲホッ、どうして使えるのですか?」

「うん?リンカは、隙を探すのが得意。お前の技術スキルにある隙を探した。少し時間掛かったけど」

「隙ですと?!この技術スキルに隙なんか」


 《愚者ザ・フール》は、口を噤んだ。


 《運命の輪(ホイールフォーチュン)》ジョルを助ける前、少しばかり様子を見ていた。

 そう、まるで《武神》が運命に抗ってるように攻撃を当ててる様を。普通なら有り得ない事だが、《武神》の言う通りに隙があって、そこを攻撃されてるとすれば、勝率はグッと下がる。

 だが、こちらとてまだ切り札がない訳ではない。


「何にでも弱点がある」

「くっふふふふ、これは是非ともお招き頂きたいものです。お嬢様方は、この世界アグドに恨みはないのですか?理不尽にも召喚されて」

「「「何を言ってるの?」」」


 見事にハモった。


 召喚された者の中には恨みを持つ者もいるかもしれないが、少なくとも《愚者ザ・フール》にいる勇者3人は恨みは持ってない。

 むしろ、感謝している。地球ではあり得なかった技術スキルや魔法、魔物モンスターとの戦闘、それに今まで出逢った人々との思い出全てに感謝してる。

 地球にいたら経験出来なかった事に今でもワクワクドキドキが止まらない。地球に帰る事が出来ても拒否する。

 地球に戻ったら、また退屈な日々に逆戻りだ。毎日同じ事の繰り返し。そんな日々は、もう嫌だ。なら、ずっと異世界アグドに骨を埋める覚悟を3人は既に持っている。


「なに?」

「リンカ達は、異世界アグドが楽しくてしょうがない」

「そうね、地球あっちにいたら経験出来ない事柄ばかりですもの」

「はん。地球あっちに戻る事が出来てもこちらから願い下げだぜ」

「「「だから、お断りだ。あっかんべー」」」


 最早、リンカ達3人にとって魔神教会は敵認定となった。異世界アグドを壊すなら、それを許さない


「仕方ないですね。これは勧誘不可能ですな。なら、殺します」

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