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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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SS10-11、ジョルの仕事〜帝国の三勇者&《紅》vs《運命の輪》その5〜

 ここで《戦う歌姫》ココアが立ち塞がるか。いくらアゲハ隊の隊長であるワタクシでも逃げ切れるか分からない。

 何故なら、噂によると最速の勇者なのだから。


「あなただけは拘束します。勇者3人から逃げられるとでも?」

「チッ、我の能力ながら運が悪い」


 が、任務は達成している。逃げるだけなら、どうとでもなる。


「良くやった。ココア」

「リンカが捕まえるはずだったのに」

「二人とも遅いわよ」


 《武神》と《狂槍》も追い付いてきやがった。普通なら絶対絶命な場面だ。則捕まって尋問を受ける事になるだろう。

 だが、確率を操作すれば逃走だけなら、どうにかなるか。


「そんなに強張らなくて良いわよ。タダ、あなたと話したいだけ」

「話だと」

「そう、例えば…………魔神教会の教祖と呼ばれる存在が実は勇者なのかとか」

「ッッ!」


 何処でバレた!教祖カノン様は、けして表には出ずに幹部達を手足のように使っている。もし出る時は、幹部の勧誘する時だけだ。


「その反応間違いありませんね」

「どういう事だ?」

「彼が口上した時に仰ってたでしょ?」


『ワタクシは、魔神教会No10《運命の輪ルーンフォーチュン》のジョルでございます。以後、お見知り置きを』


「10という数字で、運命の輪という二つ名。これはタロットと一致しています。他の幹部もそうなんでしょう」

「それって、つまりオレらが持ってる“シリーズ系統”の技術スキルと同じだと?」

「タダ私達と違うのは、他の者に付与出来るらしいという点ですね。おそらく1人に1つの技術スキルでしょう」


 それも合ってる。教祖カノン様から与えられる技術スキルを2つ以上身に宿した時、身体は崩壊すると云われている。


「リンカは分かってた。メグミは、脳筋バカだから分かってなかったみたいだけど」

「オ、オレも分かっていたさ」

「ウソを付くのは良くない」

「……………」


 一見、《武神》と《狂槍》が口喧嘩してる風に見え隙があると思いきや、あれは抜けられない。

 二人の隙を掻い潜ったと思った瞬間に捕まるだろう。ここは牢屋だ。勇者3人という名の牢屋にワタクシはいる。


「二人は放っといて、教祖とは誰ですか?」

「言う訳なかろう」


 誰が言うか!ワタクシが一番尊敬してる教祖カノン様の事を。ここで話せば、裏切り者として消される。二度はない。


「そう、本当は使いたくなかったけど仕方ないわね。【魅了の歌アンプティーテーション】」


 デバフを生じる技術スキルか?そんなのワタクシには通用はしない。アゲハ隊には、どんなデバフでも無効出来るよう鍛えてある。


 だが

(それにしても美しい声だ。あぁ~ココア様)


「落ちたね」

「落ちたな」

「ココアには逆らわないようにしよう」

「そうだな。あれに掛かった自分を想像するだけで鳥肌が立ってしまうぜ」


 麻痺や毒、石化等様々なデバフは数有れど、魅了を扱える者は魔物モンスターと種族両方探しても指の数で足りる。

 それ故に魅了を看破出来る者も少ない。ジョルもその例外ではなく、見事に魅了に掛かってしまっている。


「それじゃぁ聞くわよ。魔神教会の教祖って誰?」

「はいぃ、ココア様。それは、教祖カノン様、盾の勇者にて我々に力を授けたお方で御座います」


 リンカの眉がピクッと動いた。


「その教祖カノン様の本名って分かるかしら?」

「はいぃぃ、皇花音で御座います」

「あのぉバカ姉がぁぁぁぁ一体全体何をやってるんだぁぁぁぁぁ」


 リンカの顔が、まるで般若のお面みたいな顔へと変貌している風に錯覚する程に表情が憤怒で満たされている。


「リンカ、お前の顔ヤバいって」

「はっ!ごめん、ついカノン姉の怒りを思い出して。いつか会ったらお仕置きしないと」


 リンカがお仕置きをするとなると相当な覚悟が必要そうだ。だが、リンカの話から聞いてる二人からすると同情の余地は皆無だと言わざるを得ない。

 リンカが話さなくてもココアとメグミの二人は、リンカの姉カノンを間接的に知っている。いや、二人だけではない。地球にいるほぼ全員がカノンの名前と顔は知っている。

 何故なら、ほんの4歳から子役としてとあるテレビドラマに出演。そこから歌手・声優に挑戦し早くも頭角を表した。

 中学辺りになると、女優業の傍らリンカみたいな様々なスポーツにも取り組み、そこでも活躍。リンカが武道家として有名になる前はカノンの独壇場であった。


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