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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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SS10-10、ジョルの仕事〜帝国の三勇者&《紅》vs《運命の輪》その4〜

 弱点だと?確かに、この技術スキルに弱点はある。だが、それは元々の確率がゼロ%以下の時は不発に終わる位だ。

 それと運気を吸収してる間は無防備になっていたが、それはもう克服した。

 一回に一個を対象しか出来ないが、一回対象に触れさえすれば、移動しながら吸収出来るようになっていた。


「弱点?何のことだ?」

「それは、こういう事」


 目の前に立っていたはずのリンカが、いつの間にか横に立っており頬に裏拳が飛んで来た。


 そんなバカな?!回避率を上げてるんだぞ!当たるはずがない。そもそもじっとリンカを見ていたはずだ。見逃すはずがないのに、急に横に現れパンチを食らわすとか理解出来ない。

 すかさず離れる前にナイフを投げたが外れた。しかし、何故だ?何故リンカのパンチが当たった?


「これが、その技術スキルの弱点」

「いったい何が起こったのだ」


 急に予想外なところから現れたように見えた。


「相手の無意識に入り込む【陽炎】という歩法術。それは自動的に発動する技術スキルでも同じこと」

「だが、技術スキルと魔法は封じてるんだぞ」

「やっぱりそうなんだ。リンカの【陽炎】は技術スキルではない。元々こちらに来る前に習得していた」


 そ、そんなバカな?!あんな不思議な事が技術スキルや魔法ではないというのか!


「お前は技能スキルや魔法に頼り過ぎている。だから、自分の技術スキルを過信過ぎて、技術スキルの穴を見逃す」

「だから、何だ?ワタクシの技術スキルは無敵でございます」


 技術スキルの過信?穴?それが何だ。そんなの関係ない。ワタクシの技術スキルは因果律を操作する。


「なら、避けてみて」

「グホッ」


 避けられない。回避率MAXまで上げてるんだぞ。やはり、無意識とやらのところに入り込んで攻撃してるのか?!

 それを技術スキル無しでやってのけるとか、最早化け物。いや、《武神》か。二つ名の通りの実力を持っていただけか。


 なら、仕方ない。こちらも、もう一つの技術スキルを使うか。


「【回転ローターリー:飛び回る雷蜂(サンダービー)】」


 雷属性を帯びたナイフ数本を空中へ投げると、ナイフは回転し始め宙に留まる。粘体族スライムのスゥと同じ戦法を取る。


「行け。切りつけなさい」

「うん、予想以上に速い」


 ウソをつけ!紙一重で避けてるではないか!一回当たれば、感電して動けなくなるはずなのに、当たる気配がしない。


「チッ、お前ら逃げるぞ。こいつ等には勝てねぇ」

「はっ!隊長、もう逃げる道を確保してます」

「いけない!障壁の一部に穴が開いてるわ」

「オレが止める」


 槍の勇者《狂槍》のメグミが出て来たか。タダ、《武神》リンカとは違い、【確率変動ラッキーセブン】の弱点はつけないはずだ。


「炎の聖槍グングリル」

「なにっ!」


 技術スキルや魔法は封じてるはずだ。何故、使える?


「メグミは悪運だけあるから」

「そんな理由だけで突破されて…………げっ?!」


 たまるか!と叫ぼうとしたところ変な声が出た。《狂槍》メグミに対してのみ技術スキルと魔法の不発率が見事にマイナスへと振り切っていた。

 つまり、成功率が逆に高いということを意味している。いや、これは絶対に成功しちゃう。


「むふっ、どうやらオレなら思う存分に殺れるみたいだな」


 だが、技術スキルや魔法が使えても当たらなきゃ意味はない。《狂槍》メグミに対しては絶対回避は機能してるみたいだ。


「おらぁ【火炎槍ファイヤーランス】10連打」

「ッッ!」


 《狂槍》メグミの周囲に炎で構成さらている槍が浮遊し、一斉射撃の如く、こちらへ飛んで来る。

 外れると分かってはいるが、ジョルは振り返り技術スキルを使った。


「自分の攻撃でも喰らってろ【回転反射リターン】」


 炎の槍の刃先が180°回転し、《狂槍》メグミへと向かって行く。


「小賢しい真似を」


 バシバシと炎の槍を叩き落とす。数秒程だが、時間稼ぎにはなった。逃げる道沿いに偶然か?ブローレ商会支店がある。

 これも【確率変動ラッキーセブン】の恩恵か。ジョルは迷わずブローレ商会支店の建物へ近寄り、外壁に一回触れた。後は離れようとも自然に消滅し、運気がこちらへと流れてくる。


「よし、任務完了だ。お前ら障壁の穴から出ろ」

「くそっ!逃げられてしまうぞ」


 ほとんどのアゲハ隊は障壁の穴から出れた。だが、ジョルを除いて。


「私の音速から逃げられるとは思わない事です」

「《戦う歌姫》ココア!」


 全世界で最も有名な勇者がジョルの前に立ち塞がった。

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