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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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189食目、《隠者》VS鎖

 カズトが《戦車チャリオット》を撃退してから少し遡る。

 敵を取られ怒り心頭の鎖の勇者サンドラと《死神グリム・リッパー》を横取りした《隠者ハーミット》が衝突していた。


「では、行くよ【影手裏剣】」

「嘗めてるの?」


 日本でお馴染みの時代劇や忍者が主役が使いそうな手裏剣を一枚サンドラに向けて投げて来た。

 回転してる手裏剣は糸で操って言われても納得出来る程に正確無比で向かって来る。


「【千手観音】撃ち落としなさい」


 サンドラの背中にある輪から延びてる腕一本が手裏剣を落とそうと追尾する。

 見事にグーで握られた【千手観音】の拳に手裏剣が当たったが傷一つ付かない。

 むしろ、手裏剣の方が砕けたように見えた。いや、違う。水面を叩いたような変な感触だ。

 その変な感触の通りに手裏剣は水滴みたく四方八方に飛び散り、水滴一粒一粒が手裏剣となり襲い掛かって来る。


「これが【影手裏剣】の真骨頂。【影手裏剣・百花繚乱】砕ける度に増えていく」


 いや、それだけではない。増加した手裏剣全部が追尾してくる。それだけに厄介。

 壊すのではなく、消滅させなければ永遠と増えてしまう。消滅させるには――――――


「影には光。【千手観音・神光】」


【千手観音】から延びる掌から光属性の衝撃波を放つ。効果範囲がそこそこ広く数発で手裏剣全てを消滅させる事が出来た。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁ、目がぁぁぁぁ目がぁぁぁぁぁ」


 この技術スキルの欠点は、眩しすぎて敵味方関係なく目を潰すかもしれない点だ。


「くっ、【影眼】……………これで見れる」


 《隠者ハーミット》は目を瞑った。目を瞑ってるのに、サンドラの攻撃を避け続けている。所謂、心眼みたいなものだ。

 まぁ剣の達人がやるような心眼よりも《隠者ハーミット》の技術スキルが相まって正確無比となっている。


「な、何で当たらないの」


 ヒュンヒュン

「遅い【影刀・朧花】」


 バッと【千手観音】の腕を何本も自分の前へ出し防御体制を取った。聖武器である聖鎖テンペストも壊れない。


「甘い。砂糖みたいに甘いですね。ワタシの影が、ただガードしただけで防げると思ったら大間違いなのよ」


 確実に防御したと思われた《隠者ハーミット》の黒い刀は【千手観音】の腕をすり抜けサンドラの脇腹を切り付ける。


「グハッ」


 切り付けた衝撃で後方へ吹き飛ばされたが鎖がクッションとなり背中のダメージはない。


「くっ、【応急処置】」


 細い鎖で切られた脇腹を縫い付け血管を補修する。内臓は何とか無事である。

 だけど、【千手観音】は解け、しばらくの間は光の聖鎖レイラーンは使えない。


「その厄介な技は、もう使えないようね」

「問題ない。他に切り札はある」


 他にも切り札があるのは本当だが、それを使えるのかは別問題。光の聖鎖レイラーンの長時間使用で体力がかなり磨り減ってる。


「ハァハァ」

「本当に戦えるの?」

「戦えないって言ったら見逃してくれるの?」

「それは殺すに決まってるじゃん」


 何、当たり前の事を聞いてるの?と首を傾げられても困る。そっちの常識は、こちらの非常識なんだから。


「ハァハァ、仕方ないわ。今日位は持つかしら?水の聖鎖ヒュドラ【擬似回復ドーピング】」

「新たな鎖?!」


 あそこから新たな鎖を出すとは一欠片も思っておらず不意打ちを喰らった気分である。

 だけど、攻撃してこない。サンドラは自分の脇腹周辺に半透明な鎖を突き刺した。


「グハッ………………ハァハァ、これでまた戦える」

「しまった!」


 あれは回復ヒール系の技術スキルであったか。回復ヒール系の技術スキルや魔法は少なく、使い手もかなり少ない。そのため本来ならポーションで回復させるのが普通。


「ハァハァ、これは効きますね」


 先程、鎖で縫った脇腹が抜糸出来る程まで回復、完璧に塞がった。


「もう一回切れば死ぬよねぇ?」


 サンドラが使った回復手段は連発出来ないと判断したのだろう。確かにその通りだ。そう連発は出来ない。それにリスクもある。


 スカ

「なっ!外した?」


 確かに剣の間合いに入ったはず。あれなら外す訳がないはずだった。

 だが、サンドラが急に視界から消えた。消えたせいで剣は空を切った。


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