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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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正月2023

明けましておめでとうございます。

今年もたくさんの料理お届けに行けたらと思います。まぁ戦闘描写も多いですが、そこはご容赦を。

また素晴らしい一年にして行きましょう

「「「「「「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」」」」」」


 まだ外は肌寒い中、レストラン“カズト”では元気な声が鳴り響く。ホールの接客組と唯一の女性料理人であるミミは普段のチャイナ服ではなく、誰もが一輪の花が咲き乱れるが如く、美しい意匠を施された着物を着こなしている。

 その一方で、男性陣二人は地味な着物ながらも男らしさを醸し出してる。


「どうです?カズト、私似合ってますか?」

「とても似合ってるじゃないか」


 レイラの着物は青を基調とし、千差万別な扇の柄が全体的に描かれている。縁起の良い柄の一つで、明るい未来を意味する柄である。

 何処か恥しそうに頬を赤らめモジモジと指先を弄ってる。そんな仕草をしていると、こちらまで恥ずかしくなってくる。


「カズト、私はどうかしら?」

「ドロシーも似合ってぞ。やはり、特に赤が良く似合う」


 ドロシーの着物は、全体的に赤を基調とし前面と背後に大きい鳳凰が描かれている。

 鳳凰も着物の柄として用いられ、平和と夫婦円満の意味があり人気がある柄の一つである。

 それに態とであろうか?胸元を少しはだけ谷間を強調させ、カズトに見せて来る。だが、そこに俺が下手に反応したら他の嫁達から鋭い視線が俺の肌に突き刺さってしまう。


 チョンチョン

「うん?ミミどうした?」

「ミミはどう?似合ってる?」


 珍しい。ミミが衣服の感想を聞いて来るなんて。いつも眠そうで無表情なミミが感想を求めて来るなんて、俺泣いてきちゃう。

 それにニコリと普段無表情な顔とは思えない程に可愛い笑みを浮かべた。これにはカズトもドキュンと心を撃ち抜かれる。


 ポンポン

「も、もちろんだとも。ミミも可愛いよ」

「カズト、照れてる?」

「て、照れてない!」


 ミミの着物は、白を基調とし麻の葉模様が全体的に描かれている。ミミらしい模様で、強い魔除けや厄払いの意味がある。

 頭を撫でてると、ミミの頬が若干ピンク色に染まってるように見えるが気のせいか?


「兄ちゃん、僕は似合ってるかな?」


 モジモジと恥しそうにルーシーが聞いて来る。僕っ娘で犬耳犬尻尾でロリっ子で、そんな仕草をして聞いて来たら答えは一つだろう。


 ヨシヨシ

「もちろん、可愛いよ」

「か、かわっ!そ、そんな事聞いてるんじゃなくて、この着物が似合ってるか聞いてるんだよ?!」


 ルーシーの着物は、黄色を基調とし犬や猫等の動物が描かれ元気なルーシーのために造られかのようだ。

 もちろん似合ってる。これ程、ルーシーに似合う着物は中々見付からない。

 だが、可愛いとは口から出るものの、何故か似合ってるという言葉はルーシーに対して羞恥心が勝り言えないでいる。


「そんな事より、そこに隠れてないで出て来たらどうた?」


 柱の影に隠れてるのは、生き別れていたルーシーの妹であるリリーシアことリリーだ。

 魔王によって魔族へと改造されたが、魔族の証である角は幻惑の細布(インビシブル・リボン)を巻き付け他者には見えないようにしている。


「カズト様、妾にはこんなの似合うはずはない。お姉ちゃんからも言ってください」

「か………」

「か?」

「可愛いぃぃぃぃぃ。凄く美人さんで僕よりも着物似合ってるよ」


 リリーシアにルーシーが抱き着き興奮してる。ルーシーじゃなくとも着物を着たリリーシアは別嬪さんに見える。


「いえ、お姉ちゃんの方が…………その…………」

「うん?」


 ボソッ 

「に、似合ってます」

「良く聞こえないなぁ」

「あぁんもう、カズト様見てないで助けて」


 魔王によって奪われた時間は戻って来ないが、その分を取り戻そうとたまにリリーシアに対してルーシーのスキンシップが炸裂する。

 因みにリリーシアの着物は、黒色を基調とし満点の星空のように白い点や線が辺り一面に施されている。


「最後はユニなのだが」

「カズト、ユニを連れて来ましたわよ」

「な、何で!私だけ、こんなのなんだ?!みんなと違うじゃないか?!」


 ユニが着替えたのは、着物というより着物風コスプレ衣装と言えるものだ。

 全員、足首近くまで裾があるものの、ユニに関しては膝の半分程度しかない。まぁ言うなれば、ミニスカだ。スカートのように裾は繋がっており、見えそうで見えない創りとなっている。

 それに袖も肘から手首しか在らず、肩から肘までは素肌が見えている。まるで、ユニはアイドルのようだ。


「ユニ、似合ってるぞ。それはユニのために用意したんだ」

「カズトが私のために?」

「あぁそうだ」

「もう、しょうがないわね」


 よし、どうやらユニは納得してくれたようだ。それにしても、こう見渡すと本当に美人揃い踏みだ。


「よし、ミミと獅子之助は用意してくれ」

「んっ」

「ガッテンだ」


 二人が準備したのは、正月には欠かせない“お餅”だ。それを搗くのに欠かせない臼と杵だ。

 臼に炊いた餅米を入れ、杵で搗いていく。獅子之助が杵を持ち、ミミが餅米を裏返す。

 これを繰り返し、搗き立てのお餅を次から次へと作っていく。用意した味は、アンコ・きな粉・海苔に醤油・大根おろしを用意した。


「みんな各自で食べてくれ」


 各々がお餅を堪能し、レストラン“カズト”の正月は過ぎていった。

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