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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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181食目、《吊るされた男》vs青龍隊隊長その2

 十数体の人形から繰り広げられる剣撃や銃弾を風属性を用いた剣技で受け切っているビィト。魔法を使って来ないだけ捌き易い。


「流石は青龍隊隊長という事か。なら、更に増やしていこうか」


 パチンとリザが指を鳴らすと人形が十体程増えた。数の暴力で押し潰すそうとしてるのか。


「お前は戦わないのか?」


 たまに人形を犠牲にしても銃撃や刃物を投げてくるが、基本的には人形に任せている。


「戦う?戦ってるじゃないか。人形族ドールマスターの戦いは、最初自らが作った人形共に戦わせる事から始まる。オレと戦いたかったら、まずそいつらを倒す事だな」


 そう言いながらも人形の数が減らない。むしろ増加している。一体一体は、そこまで強くないがアリのように群れて来る。どんだけ払い退けても湯水のように沸いてキリがない。


「いた仕方ない。【大旋風・斬】」


 ビィトが愛剣カゼタチの柄を長く持ち、思いっきりぶん回した。そうすると、十数mある竜巻が出現する。


「ふぅ、どんなもんだい」

「ほぉ、これは大きいじゃないか」


 竜巻に大量よ人形が巻き込まれ上空に上昇する。

 だけど、ただ竜巻に巻き上げられただけではない。良く見ると、竜巻の中で人形が鋭い刃物で切られるように時間が経つに連れ人形共の身体は細かくなっていく。


「ヒドイ事をしやがるぜ」

「お前が言うな!」

「オレは良いんだよ。なんせ、オレが親だからな」


 子である人形を平気で殺すリザを到底許せるはずがない。敵であったが、人形共のためにコイツはこの場で倒す。


「そして、おめでとう。オレと一騎討ちの資格を与えるぜ」

「嬉しくないな」

「そんな事言うなよ。オレが一騎討ちするなんて滅多にないぜ」


 ニヤニヤとリザが笑う。明らかに自分の方が格上だと思ってる者の態度だ。

 傲慢で、それでいて平気で人の生活を踏みにじる事が大好きだと、あのニヤニヤとした笑顔が物語ってる。


「さぁ始めるか?」

「絶対にここで倒す」


 お互い相手の様子を注視しながら出方を伺う。片や勇者の次に強いとされるグフィーラ王国の隊長の一人、片や魔神教会の幹部の一人。

 どちらも強者と言える故に中々手が出せないでいる。


「来ないならこっちから行くぜ。【カラクリ武装:俊敏性強化ローラースケート】&【カラクリ武装:電動回転刃チェーンソー】」


 リザの足裏からタイヤらしき物体が出現した。それに右腕の肘から指先までが刃物に変化した。


 ギュイィィィィィィン

「余所見してたら切り刻んじゃうぞ」

「消えっ!」


 ガキィィィィィン

 目で追えなかったが、気配を察知しリザの電動回転刃チェーンソーを受け止めた。


 ギュイィィィィィィン

「ほらほら、そのまま受けていたらお前の武器が壊れちゃうぞ」

「くっ!」


 リザ自身も人形で細身にも関わらず、一撃一撃が重い。何処からこんな力が出て来るのか?分からない。


「早くお前の血を見せてくれよ。あの噴き出す様が堪らないんだ」

「そんなに見たいなら自分の血を見たら良いじゃなあか」

「はぁぁぁぁぁ?何を言ってやがる。オレ様には赤い血は流れてないんだよ。まぁオイルは流れてるかもしれねぇがな」


 そうだった。リザは、無機質な素材で身体を構築してる特殊な種族だ。


 バキィィィィィン

「キャハハハハハ、とうとう壊れてしまったな」

「………………」


 愛剣カゼタチの刀身が粉々に砕けた。今まで刃こぼれ知らずだった愛剣が壊れ黄昏てるビィトに追い討ちを掛けるように毒舌を吐きまくるリザ。


「…………ありがとう」

「あぁん?何を言ってやがる?」

「だから、ありがとうと言ったのさ。これで本来のカゼタチの能力が使える」


 ビィト自ら砕けた刃身を柄から取り外した。これで柄のみとなる愛剣カゼタチ━━━━いや、真の名は〝風龍剣カゼタチ〟聖剣には及ばないものの強力な魔剣の一振り。

 聖剣の紛い物と呼ばれる事のある魔剣だが、風龍剣カゼタチは他の魔剣とは比べられるのも馬鹿馬鹿しくなる程に強力だ。

 制限はあるものの、他の魔剣とは違い壊れる事はないとされる。


「目に見えていた刀身は、真のカゼタチを封印するためのもの。封印を解くためには刀身を壊す必要があるが、装備者自ら破壊出来ないという制約があるんだ。だから、封印を解いてくれて〝ありがとう〟と言ったのだ」

「なっにぃぃぃぃぃぃ?!オレを騙したのか!」

「騙してないさ。俺も壊れると思ってなかったのだから」


 その封印は、本当に強固で今まで一度も刀身が壊れ封印が解けた事はない。

 だが、その力の使い方は理解してる。聖剣もそうだが、魔剣にも意思みたいなものがあるとされており、長年使ってると意思が伝わる事がある。

 まぁ魔剣の強弱もピンからキリまであるという事だ。直ぐに限界に達する物もあれば、伝説として語られる物まである。

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