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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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180食目、《吊るされた男》vs青龍隊隊長

 グフィーラ王国の王様の護衛として剣の勇者カズトと共に遠征してきた青龍隊隊長であるビィト。

 王様の命に従い、全勇者のサポートをしつつ敵を屠ってる。召喚されたと思われる魔物モンスターの中に人形が混じっている。

 その影響で度々トラウマが呼び起こされ、狂戦士バーサーカー化しそうになる。


「やはり、この中にあの人形共を召喚した奴がいるのか?」

「おや?お前は確か……………」


 ビィトの目の前に別格な人形が現れる。外見だけは人間とそう変わらない。

 だが、良く見ると関節が人形のそれと同じく見える。コイツが人形共を召喚した親玉で間違いないだろう。


「あの時、オレの可愛い死の人形(デス・ドール)を全滅させた騎士様ではないですか?」

死の人形(デス・ドール)と言ったな?貴様、名前を何と言う?答えなければ斬る」


 目の前の人形に抜刀をし、自らの愛剣カゼタチを向ける。隊を任せられる長としての経験から危険だと本能が告げている。

 ここで確実に倒さなければいけない。はたして、自分の力が相手に通用するのか?分からないが、死んでも致命傷は負わせてやる。


「オレの名前を知りたきゃ、先にそっちが名乗れ。騎士様は礼儀もなってないのかい?」

「それは失礼した。グフィーラ王国所属青龍隊隊長ビィト」

「ふん、オレは魔神教会所属No12《吊るされた男(ハングドマン)》リザ・テミス。別に忘れても良いぜ。どうせ、死ぬからよ」


 リザの名前と声に顔からビィトは、とある記憶を思い出した。何故自分が人形を見ると、狂戦士バーサーカー化となるのか?

 本人でも分からない謎であった。それが今この瞬間、パズルのピースが填まるように全てが合致する。


「貴様かぁぁぁぁぁ?!俺の村を滅ぼしたのは」

「んっ?村?」

「忘れぬとは言わせぬぞ。かれこれ20年前、俺の村を焼き滅ぼした」

「20年前…………20年前…………」


 《吊るされた男(ハングドマン)》改めリザは、顎に指先を当てながら考える素振りを見せる。


「あぁ、あの辺境にあった村かぁ?あそこの生き残り…………そういえば、泣きわめく子供がいたっけな。ククククク、まさかこんなに早く復讐しに来るとは思いもしなかったぜ」

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁ」


 怒りを露にするビィト。そのお陰か、いつものように狂戦士バーサーカー化しない。


「これだから殺しはやめられねぇよな。無駄だと分かってるのに挑んで来るとか、そんな奴らをまた殺すのが楽しくしょうがねぇ」

「はぁぁぁぁぁ風付与魔法【風太刀】」


 愛剣カゼタチに風属性を纏い、リザに斬りに掛かるがその刃は届かない。


「【カラクリ武装:糸切り鋏】急に斬るとは、ひでぇじゃねぇか」


 身長の2倍はあるであろう鋏で、ビィトの剣を受け止めた。ガチガチとつばぜり合いをし続け両者一歩も引かない。


「【風太刀】でも斬れないだと!」

「くっふふふふふ、オレにだけ相手をしても良いのかよ」


 ビィトの腹に向けて第三者が剣を突き付けようとしている。それにいち早く気付き、リザから距離を取る。


「人形?」

「オレの僕共だ。いけ、お前達」


 カタカタ

 五歳児程の身長で、この場でなければ普通にそこら辺で遊んでいる子供と見間違うこと必然だ。

 腕や足、口元等関節を動かす度にカタカタと生きてる者からしないような音が鳴り響く。


 ガキィン

「小さいのに力負けしてるだと!それに速い!」


 人形だから出来る動き。体中に仕込んである武器や付与魔法の魔方陣によるステータス上昇や他の効果付与で、予想外の動きをしてくる。


「クックックッ、オレの可愛い可愛い我が子は強いだろ。お前達抑えとき【カラクリ武装:連射砲ガトリング】」


 ガチャガチャバンバンバンバン

 機械音の轟音が鳴り響き何の躊躇いなく人形ごとビィトを撃ち抜く。人形は無残に風穴が体中に空き機能停止した。


「我が子と言っておきながらヒドイ事をしやがるな」

「クックックッ、また作り直せば良いんだよ。なにせ、オレら人形族ドールマスターはそういう種族なんだから」


 多少かすり傷は負ったが、ほぼ無傷に等しい状態でビィトは弾丸の雨を得意の風魔法と相剣カゼタチで防いだ。


「お前達行きな」

「なに!」


 最初は3体だったが、リザの号令に十数体現れビィトに襲い掛かる。

 1体1体は大した事ないが、数が数だけに纏わり付けられたら中々厳しいものがある。


「お前ら死ぬんだぞ。それで良いのか?」

「クックックッ、話し掛けても無駄さ。こいつらは親のオレにしか命令しか聞かないようプログラムしてある」


 ビィトには、プログラムが何の事か理解出来ないが、もうどうしようもない事だけは理解出来た。


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