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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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179食目、銃の助っ人

「大丈夫でしたか?」


 ケンゴの周辺に植物を生やし傘にした。これで植物が屋根となり重力を防げる。


「ムフフフフ、生きていただと!いや、それよりも何で立っていられる?!」

「そんな無意味な質問をしていて良いのですか?」


 アシュリーが上を指す。無数の隕石が《ザ・スター》に向かって落ちて来る。

 その余波でアシュリーとケンゴまでも襲い掛かると思いきや、アシュリーは更に自分らの周辺に木々を覆い隠すように生やし盾にする。


「【花盾】、これで大丈夫なはずです」

「ムフフフフ、こちらも切り札を持ってるのですよ」


 そうでもなきゃ、冷静でいられる訳がない。


「ムフフフフ、受け切れないなら何処かへ飛ばせば良いだけの事ですよ。座標を設定【転移星ワープスター】」


 無数の隕石を転移させ、他の被害出そうな箇所へ落とそうとした。だが、その考えは間違いだと気付く。


 パリン

「なっ!【転移星ワープスター】が割れただと?!」

「ゲホゲホ。ふん、そんなチンケな技で俺の奥義の一つを敗れるかよ」

「喋らないで。全身の骨が折れてるのよ。【回復ヒール】」


 淡い光がケンゴを包み込む。本来勇者が苦手とする魔法をアシュリーが使った。それも攻撃魔法よりも上位にある回復魔法をだ。


「ムフフフフ、ならこれです。【何でも吸い込む黒星(ブラックホール)】」


 《ザ・スター》は余裕そうに真っ黒いビー玉程の球体を上空へ発射した。

 一見、ただの黒い玉だが、その周辺は強風が渦巻いている。ケンゴが落とした隕石も吸い込まれ黒い玉と共に消滅した。


「ハァハァ、くそ!」

「ケンゴは、ワタシが守ります」

「ムフフフフ、守れますかねぇ?瀕死の仲間なんか置いて逃げれば良いじゃないですか?」

「仲間ならココにいるぜ」


 棒らしき物体が声がする方向から《ザ・スター》に投げられ向かって来る。

 いや、伸びて来てるのか?投げた訳ではなく、自重で折れずにグングンと伸びて迫って来てる。


「くっ、声を掛けては奇襲の意味はありませんねぇ」

「でも、驚いたろ?攻撃をしようとする手を止めれば御の字だ」


 あのまま駆けていれば、おそらくタケヒコの援護は間に合わなかった。

 それならばと、タケヒコの聖武器である聖棍ニョイボウを伸ばした方が早い。


「よっ、待たせたな」

「タケヒコ」

「タケちゃん」

「ここは下がれ。オレが相手してやる」

「しかし━━━━」


 タケヒコからの殺気によりケイゴは、ゴクンと言葉を噤む。アシュリーもゴクンとノドを鳴らし、ケイゴを担ぎ上げ後退する。


「ムフフフフ、今度は棍の勇者ですか?」

「よくもケンゴをやってくれたな」


 棍の勇者は、獣人の国アルカイナで召喚された勇者だが、その容姿は尻尾を覗けば人間と大差がない風に見える。


「ムフフフフ、あの虫の息で生きていられますかな?」

「うん?もしかして地雷を仕込んでた?」


 ギクッ

「な、何故それを」


 そもそも見えないはずだが、それなのに今来たばかりの棍の勇者が知ってるんだ?!


「これだろ?」


 グシャグシャに握り込まれた物体を見せ付けられる。それが地雷なのか仕掛けた本人でさえ、面影がなく分からない。


「ちょっと待て!地雷だぞ。下手に触ったら爆発するだろ?」

「獣妖族の【オソレ】って知ってるか?」

「あぁ噂程度なら」


 話に付き合う振りをして、新たな地雷を作る。【空気地雷エアーマイン】、空中に漂い無色透明無臭であるため見付けるのは不可能に近い。ただし、作った本人には見えている。

 当たれば木っ端微塵で頑丈な勇者でもタダでは済まない。腕の一つや二つは吹き飛ぶはずだ。


「はぁ~、だからさ。話してるのに余計な真似をするんじゃねぇよ」


 ドカァーン

 わざとタケヒコは、空中に漂う【空気地雷エアーマイン】の一つをニョイボウを伸ばし突っついた。

 爆発するが爆風は、タケヒコに届いておらず【空気地雷エアーマイン】の残骸が地面に落ちる。


「なっ!」


 意味が分からない。もしかして、【空気地雷エアーマイン】が見えてるのか?!


「オレも獣妖族の一人でさ。【オソレ】が使える訳でね。その【オソレ】で、お前のチャチなトラップなんざ、お見通しな訳よ」

「!!」


 それじゃぁ、仕組んだ地雷は全てコイツに撤去されたと言うのか?!そういえば、地雷の爆発音がしないと思っていた。

 コイツの仕業だったのか!


「ムフフフフ、折角の芸術を台無しにしやがって」

「芸術?」

「そうだ、地雷による爆発と響き渡る悲鳴。そして、その辺りに吹き飛ぶ肉片が芸術と言わないで何と言う」

「狂ってるな」


 何処かの誰かさんが芸術は爆発だと言っていたような気がするが、それよりも狂ってるとタケヒコは引く。

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