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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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175食目、鎖vs死神その3

 《死神グリム・リッパー》から伸びている黒い死の腕とサンドラの細い鎖で編み込んだ腕が激突する。

 腐食せずに黒い死の腕を圧倒している。黒い死の腕が霧散しても辺りをこれ以上腐食させないために【千手観音】によって浄化する。


「くっ、忌々しい勇者め。儂は《死神》だぞ。死を超越した者よ。あの無機質な神擬きに負けるはずがない」

「なら、その無機質な神とやらに今日負けるのよ」

「おのれぇぇぇぇぇ」


 サンドラは息を切らしておらず、その反対に《死神グリム・リッパー》はゼーゼーと息遣いが粗い。


「これでも喰らえ。【死の吐息(デス・ブレス)】」

「それは効きません。【千手観音・後光黙殺】」


 サンドラの背後にある無数の細い鎖に編まれた腕が生えてる輪っかが光り輝き出した。

 その光は目が開けられない程に眩しく一見目潰しとも取れる技術スキルだが、とある物体には良く効く。

 それはアンデット系やレイス系の魔物モンスターには良く効く浄化の光となる。

 それと《死神グリム・リッパー》と名乗るからにはアンデットやレイスと似たような何かなのではとサンドラは推測した。


「これは一体何じゃ?!」


 光が止んだ後、《死神グリム・リッパー》の体の至る所から黒い煙が発生し膝をついていた。


「グハッ!ハァハァ、この儂がこんな小娘に膝をつくとは」

「侮ったからよ。これで終わりね」


 弱り切った《死神グリム・リッパー》に勢い良く息の根を止めるために近寄るが、そう問屋が卸さなかった。


「《死神グリム・リッパー》ワタシが手を貸しても良いのよ」

「ハァハァ、《隠者ハーミット》いらぬ世話だ」

「でも、ワタシにも殺る事があるの」


 ザシュ

 《隠者ハーミット》の影による一突きが《死神グリム・リッパー》の体に風穴を開ける。


「グハッ!貴様!」

「ふん、弱ったアナタに何が出来るのかしら?一回死んで出直した方が利口よ」

「お前?!ワタクシのかたきに何をする」

「あら?折角、殺してあげたんだから感謝しても良くない?」


 サンドラと《隠者ハーミット》は、バチバチとにらみ合い、お互いの動向を伺っている。


「クスクス、そんなに怖い顔して怖いわ」

「お前も教会の幹部なのよね?なら、ワタクシの敵だ」

「あなたにワタシを殺れるかしら?さてと、邪魔なコイツを収納してと」


 瀕死の《死神グリム・リッパー》を影へ収納する。これで頼まれた死体は手に入れる事が出来た。魔法大国マーリンの住人でも良かったが、新鮮な死体の方が良いだろう。

 臭くならないし。


「キサマぁぁぁぁぁぁ、ソイツを返せぇぇぇぇぇ。ソイツを殺らせろぉぉぉぉぉ」

「だから、頭に血が上り過ぎだって。隙が多過ぎだから簡単に殺られちゃう」


 サンドラの怒涛の猛攻を掻い潜り、影で作った刃の一太刀で《隠者ハーミット》はサンドラの首元を狙った。


「グハッ!ハァハァ」

「首を切り落とす積もりだったんだけどな」


 そこは勇者、《隠者ハーミット》の一太刀の軌道を鎖の腕でずらした。その結果、どうにか頭は胴体にくっついてる。


「まだ殺る積もり?」

「ハァハァ、当たり前だ。ふぅ、まだ殺れる」

「どんだけタフなのよ」


 首の変わりに切られた胸元の傷は、もう塞がった。勇者だけではなく樹精族ドライアドの能力により回復が早くなっている。

 だけど、無限ではない。どんな力にも反動はあるものだ。


「殺るのは良いけど、手加減は出来ないよ?」

「望むところだ」


 今、《隠者ハーミット》の目の前にいる鎖の勇者サンドラは、本の勇者兼《魔術師ルバトゥル》のリンよりは嫌な感覚はしない、それに弱い。

 《死神グリム・リッパー》と戦ったから弱ってるのか?それとも元々弱いのか?どちらも差して違いはない。弱いのには変わりはないのだから。


 ここから鎖の勇者サンドラvs《死神グリム・リッパー》から鎖の勇者サンドラvs《隠者ハーミット》と切り替わった。


「では、行くよ【影手裏剣】」

「嘗めてるの?」


 くノ一の格好らしく《隠者ハーミット》は、手裏剣をサンドラに投げた。

 アクビをしていても回避出来る。と、サンドラは甘く考えてる。これがタダ投げただけなら、サンドラの考えで間違いない。

 だけど、これは技術スキルにより作られた物だと忘れている。タダの手裏剣のはずがない。




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