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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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171食目、本の正体

「カズトは、右の子を頼む。僕は、あなたの相手をしようか」

「ふん、1対1をしようとする訳?だれが、そんな見え見えの罠に突っ込むのよ。《戦車チャリオット》殺ってしまいなさい」

「ふっはぁー、姉さん分かった。殺す」


 眠たそうにしてた少女が嘘のように殺気を放つ。くノ一装束の少女とは比べるのが馬鹿馬鹿しく思える程に濃い。

 瞳も先程の眠たそうにしてる少女のそれとは違い、ギラギラと獲物を狩る肉食獣と類似してる。


「カズト、今だ」

「闇の聖剣ジャックザリッパー【時間停止タイムストップ】」


 リンの合図で聖剣エックスカリバーを闇の聖剣ジャックザリッパーに変え、闇属性が得意とされる時間操作の一つ【時間停止タイムストップ】を発動した。

 世界が白黒に変わったと錯覚してしまう程にガラリと変化した。今、この瞬間に動いていられるのは、闇の聖剣ジャックザリッパーを手にするカズトだけだ。


「ハァハァ、今の内に」


 ただし、強力過ぎる力というものはリスクや反動があるものだ。闇の聖剣ジャックザリッパーもしかり。


「ここまで来れば誰も邪魔は入らないだろう」


 リンがいる宝物庫から眠たそうな少女(今は殺気をビンビンだしている)を連れ出し出来るだけ宝物庫から離れた。


「ジャックザリッパー解除」


 再び時間が動き出した。連れ出した眠たそうにしてる少女も辺りをキョロキョロと見渡す。


「姉さんはどこ?」

「俺が君をここまで連れ出した」

「あなたが……………姉さんの命令通り殺す。殺してから姉さんと合流。クルミは、No7《戦車チャリオット》、教祖様が戦う前には名乗れって言うから名乗った」

「させないし、殺される積もりもないよ。それに名乗られたからには、俺も名乗ろう。剣の勇者カズト、尋常に勝負だ」


 カズトと《戦車チャリオット》の戦いが始まった頃、宝物庫でリンとくノ一装束の少女と向かい合っていた。


「これはどういう事?!ワタシの可愛い《戦車チャリオット》がいなくなるなんて!」

「なに、カズトがやっただけの話だ。少しの間だけだが、時間を操れる技術スキルがあるのでね」

「時間を?!まさか《世界ザ・ワールド》以外にもいるなんて」


 おや?幹部の一人なのか?これは良い情報だ。だが、この情報は僕には必要ない。


「そんな情報をくれるなんて親切なお嬢さんだ」

「はっ!しまったぁぁぁぁぁ。でも、お前を殺すから問題ない。ワタシは《隠者ハーネット》、お前を殺す者の名前だ」

「僕は、本の勇者リン。そして、魔神教会幹部になる者でもある」

「何を言ってるの?頭でも打ったの?」


 リンは自分の右手を掲げ手の甲を見せた。そこには先程まで無かったはずの物が浮かび上がっていた。

 魔神教会の幹部の証でもあるタロットのアルカナとNoが記されていた。


「改めて言おう。僕は、本の勇者でもありNo1《魔術師ルバトゥル》のリン・スドウだ」

「なっ!なんでココにいる?!」

「敵を騙すのは味方からってね。僕の任務は、お前達に【魔神の右手】を盗ませる事なんだ。そのついでに、ここで僕を死んだ事にして脱出する事だ。もちろん手伝ってくれるよね?《隠者ハーネット》」


 勇者でもこんなヒョロヒョロとしたガキになら殺られるはずがないと、たかをくくっていた。だが、それも過去の事。

 リンが《魔術師ルバトゥル》のアルカナを見せた途端、背筋に寒気を覚えた。そして、一瞬で《隠者ハーネット》は理解してしまう。

 明らかに《隠者ハーネット》より《魔術師ルバトゥル》の方が格が上だと。戦えば確実に返り討ちに合うのは《隠者ハーネット》だ。


「わ、分かりました。《魔術師ルバトゥル》様の仰る通りに致します」

「そうかそうか、良かったよ。断れたら無理矢理にでも従わせるしかなかったからさ。そうだ、もつ一つ伝える事があった。この国に幹部候補がいるから、そいつも連れて行くから忘れないでね」

「はっ!仰せのままに」

「そんなに緊張しないでよ。魔神様を敬う仲間じゃないか。さてと、【魔神の右手】が収められてる祭壇に行こうか」


 クルリとリンは《隠者ハーネット》に背中を向け歩き始める。《隠者ハーネット》もリンの背中を追い掛け宝物庫の奥へと歩いて行った。

 金銀財宝が保管されてる部屋をいくつも通り過ぎ最奥である部屋へ辿り着いた。この部屋にも金銀財宝の類いしかなく、目的の【魔神の右手】は何処にも見当たらない。


「ここにあるのですか?」

「この奥だ」

「壁しかないのですが?」

「隠し扉となっているんだ。一種の結界魔法で、お前の影でも通り抜けは不可能だ。だが、僕なら結界を解く方法を知っている」


その方法を探るために右手の甲にあるアルカナを隠し、自分の立場を偽って来たのだ。

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