表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

316/551

162食目、アイスを箱買い

 パンッ

 リリシーが手を胸前で叩き、何かを閃いたようだ。キラキラと瞳が輝いている。


「そうです。ここにいらっしゃる皆様で、買えば良いのではありませんか?皆様、アイテムボックスをお持ちでしょうし、それが一番良いのではありませんか?」


 リリシーが、みんなの前でそう提案する。

 確かにアイテムボックス内に入れたままなら時間経過はしないからアイスクリームは溶けない。オレンジジュースは冷えたままで、保存出来る。

 だけど、ここにいる全員がアイテムボックスを持ってる事にカズトは驚きを隠せない。

 アイテムボックスって希少な魔法ではなかったのか。まぁそういう俺も持ってるのだけれど。


「意義なし」

「それは良い考えね」

「わぁぁぁ、これでまた食べれる」

「小娘、良い事を言うじゃないか」

「小娘ではないです。リリシーという素敵な名前があるのです」

「済まなかった。リリシーよ」


 リリシーの提案に誰も反対の意見はなく、またアイスクリームを食べれる事に歓喜の声が部屋に木霊する。

 だけど、その一方でカズトに負担がのし掛かる。ただ、【異世界通販ショッピング】にて取り寄せれば良いだけと思いきや、この中で【異世界通販ショッピング】の存在を知ってるのはレイラしかいない。

 バレないようアイテムボックスから取り出したと演技をしなければならない。


「それでカズちゃん、どうなのだ?タマモ達に売ってくれぬか」

「カズト兄さん、お願いします。リリシーにもお売りください」

「キュイキュイ」


 ハクももっと食べたいと言ってるみたいだ。


「ハクちゃんももっと食べたいって申しておるわよ。ハクちゃんもアイテムボックス持ちだから大丈夫のはずなのよ」

「ちょっと待ってください。何でハクが、アイテムボックスを持ってるって分かるのですか?」

「えっだって━━━━」


 獣人とその上位種族である獣妖族は、あらゆる動物と意志疎通が出来るらしい。

 まだ幼い種族の子供で言葉を話せなくても意志疎通が出来るだとか。


「ハクちゃんは、まだ【人化】を使える年齢になってないだけで、立派な龍人族ドラゴノイドなのよ。アイテムボックスなんか相当な量が入るそうよ」


 凄いな。もちろん、ハクがアイテムボックス持ちという事に驚いたが、タマモがハクの言葉を理解出来る事の方が、俺にとって驚愕である。

 驚愕してる俺に、ここにいる全員の視線が集中され、みんなの瞳から『早く出せ』と訴え掛けてきてる。


「わ、分かりました。ただし、ここにいる人達と今会議にご出席中の王様達以外には漏らす事を禁止します」


 もしも他の貴族達にアイスクリームの存在を知られたなら店に押し寄せて来る可能性が安易に想像出来る。

 甘味が少ない世界では、アイスクリームは極上品の一つとなり得る。冷たく口に含んだ瞬間、舌の上で蕩ける。俺が貴族なら大枚を果たして求めるからだ。


「それでみなさん、アイスクリームの味が二種類あるのですが、どちらに致しますか?」


 カズトが用意するアイスクリームの味として考えたのが、バニラとチョコレートだ。先ずは、この2つで様子見をし、ご希望があれば徐々にフレーバーを増やしていくつもりだ。


「他にもあるのか?」

「えぇ、僕らの世界では様々なアイスクリームが開発されてましたね」


 変わり種としては、醤油・唐辛子・温泉卵とか食べた事はないが、その地方の名物がアイスにした感じだ。

 他には、カキフライ・シラス・もんじゃ焼き等々、オカズをアイスに乗っけたのもある。

 料理人として味は気になるが、お店では出さない方が良いだろう。というより、どうして現地の人達は、これらをアイスと合体させたのか疑問だ。


「まぁ取り敢えず、この二種類から選びください」


 俺は、【異世界通販ショッピング】からアイス屋のガラスケースの中に並んでいるような業務用を2つ買った。

 もちろん掬うためのディッシャーも一緒に買い、実演してみる。


「こちらが、皆さんが最初に食べたバニラという味です。で、こちらがチョコレート……………味見してみます?」

「「「「「もちろん」」」」」


 チョコレートアイスを一掬いずつ取り分け振る舞った。バニラと同じく一口掬ったチョコレートアイスは口の中で溶けて消えた。

 バニラとは違う味わいに、口に運ぶ手が止まらないでいる。俺も久し振りに味わったが美味しく感じる。

 今さらだが、どちらかを一つ選べるのかと考えてしまう。俺的にはチョコレート味が好きだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ