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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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159食目、人形族

 人形族ドールマスターは、予備人形ストックと呼ばれる自分ソックリな人形を作り出す事が出来、本体メインが危機的状況となった時に予備人形ストックの一体と入れ換わり、その予備人形ストック本体メインになる事が出来るという。

 そういう意味で不老不死なのだそうだ。ただし、予備人形ストックが尽き、本体メインが殺られれば死ぬらしい。

 希少種族の一種なので、本来ここまでの情報は普通なら手に入れられない。

 これらの情報は、過去に召喚された勇者数人で、人形族ドールマスターを捕獲又は討伐の任務を受け、持ち帰った情報らしい。

 そして、その情報は各国の冒険者ハンターギルドに保管されている。ただし、長年の月日で大抵は忘れられてしまっている。


「それが本当なら、まだ生きてる可能性は高いな」

「えぇ、それとリザ・テミスは人形族ドールマスターの女王であり、最悪の大犯罪者なのだよ」


 リザ・テミスと呼ばれる人形族ドールマスターは、過去に自らの欲望を発散させるため一つのとある国を滅ぼしている。


「滅んだ国の名はアルテミス。神の使いと呼ばれた種族:天使族エンジェルが治めていた国。そこを消滅させたのがリザ・テミスだ」


 人形族ドールマスターの話でも驚きの連続なのに、そこへ天使族エンジェルの国の滅亡とスケールが大きくなっていく。

 この中で最も寿命が短い人間の王であるグフィーラ王はもちろんの事。選ばれ者しか入れない神樹の森フリーヘイムの王であるフレイ王、隔離された別次元にあるとされる樹界マトリョーシカの女王であるルルシー女王は知らなかった模様で、混乱している。


「少し整理させて欲しい」


 あまりの情報量にグフィーラ王は手を挙げた。混乱する頭を一旦落ち着かせるために数分間の時間を要した。

 フレイ王とルルシー女王も同じ状況で、一旦落ち着きを取り戻すために黙祷し、息をゆっくりと吐いた。


「我の国にある冒険者ハンターギルドにも保管さらてるかもしれないが、期待出来んな」

「余のところは冒険者ハンターギルドすらないからな」

「妾の国にもないな」


 そもそも神樹の森フリーヘイムと樹界マトリョーシカは、冒険者ハンターギルドが国の性質上置けない事が大きいが、ほぼ国民全員が戦士と呼べる程に強いのも大きな要因だ。


「では、これも知らないだろう。アテテミスが滅んだ後、その当時の冒険者ハンターを数百名を投じ国内を探索したと記録にある。探索した結果、天使族エンジェルの死体が一体もなかったそうだ。もちろん生きてる者など皆無だ」

「焼いたとか埋めたとかではないのかね」

「妾は覚えておる。その当時、参加しておったからのぉ。あれは建物が幾つか崩壊しておったが、虐殺したというより連れ去ったと見るべきじゃろうな」


 死と再生を繰り返す不死鳥族フェニックスであるフォルス女王もまた不死と言われる種族の長である。

 それ故に参加したと言うフォルス女王の言い分は説得力がある。


「本当かどうかは分からぬが、死の人形(デス・ドール)の材料が天使族エンジェルの死体という噂がある」


 死体を使って人形作りとか想像するだけで遺憾だと、ここにいる国王・女王は顔をしかめる。


「まぁこれはあくまで噂だ。本当かどうか確かめる術は今のところない。その代わりにリザ・テミスのNoが分かっただけでも収穫であろう。No持ちが魔神教会の幹部の可能性大と妾の国では結論が出ておる」

「わっはははは、襲って来たならば返り討ちにするまでの事よ」

「その通りよ。あんな奴ら木っ端微塵にしてあげたのに」

「脳筋どもが、そんな単純な話でないわ。そんな事なら天使族エンジェルが殺られる訳なかろう」

「それには同意致します。我が龍人族ドラゴノイドと匹敵する戦闘集団でしたから」


 プライドが高い龍人族ドラゴノイドの女王が同格と認めたものだから、巨人大国クルセナの女王であるセークス女王と鬼国シェールの王であるシドニス王は萎縮した。

 脳筋である二種族の長でも龍人族ドラゴノイドの強さは身を持って理解している。

 単純に理性がない魔物モンスターとしてのドラゴンなら楽とはいかないが、セークス女王とシドニス王の二人なら単独で討伐も出来る。

 だけど、龍人族ドラゴノイドだとそうはいかなくなる。理性を持ち、ドラゴンが使用しなかった魔法や技術スキルを多用してくる。

 これには脳筋である二人では為す術はないに等しく、ボコボコにされるのがオチだ。


「そ、そそそそそんなに強かったのか?天使族エンジェルとやらは」

「な、なななななにビビってるのよ。それでも男なの?」

「お前だって似たものだろうが」

「我は女であるぞ。多少、ビビっておる方が可愛いらしくて良いと言うものだ」


 ギロッと二人は睨み合い火花が散っている。相変わらず、この二人は仲が良いのか悪いのか分からない。

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