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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS7-39、女婬夢族ジブリールの居場所~正義対黒い正義~

 《正義ジャスティス》の推察だと、あの影の正体は魔王の魔力が意思を持ち具現化したものだ。

 本来は魔力そのものには空気みたいなもので感じる事は出来ても触ったり見たりする事は例外を除いて出来ない。

 だが、魔力が限界よりも溜まり過ぎると稀に物質化する事がある。それが影の正体だと《正義ジャスティス》は睨んでいる。

 だから、考えが合っていれば、このまま影を切り落とし霧散し続ければ、その内魔力が尽き影は発生しなくなるはずだ。


「ハァハァ、少し疲れて来たな」


 分身が倒した影を含めれば、100体は越えた。だけど、下手に頑丈で倒すのに時間が掛かる。それに加え、学習能力があるのか俺らの動きに対応してきてる節が見受けられる。


「ハァハァ、少し様子見と行こうか。【光学迷彩カメレオン】」


 周囲の景色に溶け込むように《正義ジャスティス》本人は、姿が消えた。

 正しくは、透明になっただけ。光の屈折を操作し、周囲の景色を自分の身体に投影してるだけだ。

 動くと空間の歪みが生じるが、良く見ないと判別不可能である。影は知能よりも本能で動く節があるからバレる心配はないだろう。


「とりゃぁぁぁぁぁぁ」


 影を次から次へと切り伏せるが、およそ300体を倒したところで影の周囲が刃みたく鋭利な刃物へと変化し、容易には切断出来なくなった。


「くっ、一端の剣士を相手にしてるみたいだ」


 刃みたく変化しただけではなく、こちらが透明と化してるのに気配を察してるみたいに攻撃を合わせて来る。

 それに影の先端が人間の手みたく5本に分かれ掴んで来ようとする仕草が見れる。


(捕まれると、何かしらの状態異常になるのか?)


 捕まえて別の影で攻撃させるよりかは捕まえる事に意味があると考えるべきだ。

 手型の影は、他の影と同様に速度スピードはそんなに速くないから油断さえしなければ、捕まる心配はない。

 ないはずだが、何故か不安が頭を過る。他に何か見落としがないか?


「ぎゃぁっ」


 分身の一人が手型の影に右腕を捕まれた。そうすると、右腕から黒い血管が身体全体に伸びて行く。

 身体全体に及んだ頃には分身の意識は失くなり、影に身体を乗っ取られた風に本人を見詰める。


「これは【侵食】!」

「ギャォォォォォォ」


 状態異常である侵食。それに掛かると意識が失くなり、身体を乗っ取られてしまう。寄生する魔物モンスターが多く所持してる。


「これはいけない。【光分身】解除」


 他の分身も捕まってしまえば、【侵食】により乗っ取られる。ただ、分身を解除すれば【侵食】されても消えて意味がないと考えたのだが。


「ギャォォォォォォ」

「なにっ!【侵食】された分身が消えない」


【侵食】に侵された分身以外は消えたが、【侵食】された分身は、むしろ悪化したように見える。

 もしかして、最悪な敵を産み出してしまったのか?!だが、自分と戦えるなんて中々出来ない経験だ。


「面白い。来い、お前より強い事を証明してやる」

「ギャォォォォォォ」


 やはり速い。が、知能を失い狂戦士化してるからか?直線的で攻撃が読みやすい。

 それに他の影は、まだまだ存在してるが、どういう訳か襲って来ない。まぁそれはそれで有り難い。


「ギャルルルルル」

「甘い、【光刃】」


 単純な技術スキルで光の刃を飛ばすだけだが、思いほか効果的のようで回避しないで剣で受けてる。

 受け切れない【光刃】は、足や脇腹に致命傷でないが喰らってる。


「もしかして技術スキルが使えないのか?」


 分身でも技術スキルは使えた。それも本人と全く同じ技量で。だから、使えなくなっているのなら、そこに勝機があるかもしれない。


「ギャォォォォォォ」

「な、避けた?!」


 黒い分身が回避し始め、こちらへ近寄って来る。それも曲芸染みて壁走りとかバク転で避けたり、何でそれで回避出来るやり方で避けながら近寄って来る。


「なら、【光輪】」


【光刃】が三日月型なら【光輪】はドーナッツ型だ。それも追尾型で、避けても避けてもリターンして黒い分身を追尾していく。


「ギャオ?!」


 追尾する事に気が付いたようで、俺から遠ざかった。【光輪】の方が速く時間が経つに連れ距離が縮まる一方だ。


「ギャオロロロ!」


 因みに攻撃系の技術スキルではない。捕縛するための技術スキルで、命中した瞬間に上腕部、大腿部、太腿三ヶ所に光の輪で拘束する。

 これで動けないはずだ。黒い分身を捕縛しても影は一向に襲って来ない。黒い分身を倒さないと襲って来ないのか?



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