SS7-37、女婬夢族ジブリールの居場所~ジェラール王子と朝食~
昨夜、風呂上がりの直後にジェラール王子殿下から手紙を受け取った事で、男女のアレをヤる事になってしまう。
男である《正義》よりも女婬夢族であるジブリールの方が主導権を握り激しい夜であった。
どうやら廊下まで声が響いていたらしく、メイド達がヒソヒソと小声で話してるのが目に付く。おそらく俺達の事を話してるのだろう。
「殿下が、こちらでお待ちになられてます。殿下、お連れ致しました」
『入れ』
メイドの案内でジェラール第三王子殿下が待ってる部屋へ入る。どうやら朝食が用意されており、ニコニコとジェラール第三王子殿下の笑顔が眩しい。
「さぁ座るが良い。余と朝食を洒落混もうぞ」
そんな事を言われても普通は困る。昨日は普通に楽しく食事や雑談をしていた。いくら客人として扱われても有り得ない対応だ。
困った《正義》は、待機してる執事長セーヤンが席に座るよう勧める。
「どうぞ、カズヤ様ジブリール様」
昨日とうってかわって緊張してきた。SSランク冒険者でも緊張しちゃう時はしてしまう。
「それで昨日はお楽しみのようであったようだな」
「そ、それは!」
やはり、ジェラール第三王子殿下の耳にも入っているようだ。あんなに噂好きなメイド達に知られれば、一時間もしない内に城中知られる事になるだろう。
「それでどうであったか?余は今まで恋愛やオナゴと関係を持った事はなくてな」
少年少女が持つ特有の興味というヤツか?ジェラール第三王子殿下は現在13歳らしく、そういう興味を持ってもおかしくないお年頃だ。
「お城で働いていらっしゃるメイド達とは?」
「まだ正妻が居らぬのに妾もなにもないだろう」
それもそうか。そこはちゃんと王族として一線を引いてるらしい。
でも、この時代でジェラール第三王子殿下のお年で正妻の候補一人や二人は居そうなものだと思うのだが?ラノベの読み過ぎか。
「他国に余の正妻候補はいるが会った事ないな。それよりも早く話さぬか。ソナタの夜の営みを」
本当に話さなくてはならないのか?!それは何て羞恥プレイなんだろうか。
俺、一体何か悪い事をしたと言うのか!いや、魔神教会の幹部だし、これから悪い事をしようとしてるからか。
「恥ずかしいですが、こんな事をしました」
「ジブリール?!」
何の恥じらいもなく、ジブリールがジェラール第三王子殿下に昨日の嬉し恥ずかしい行為を包み隠さず話してしまう。
「ほぉほぉ実に興味深いな。余に正妻と子作りをする時にでも試してみよう」
心の奥底から参考にしないでと祈りを捧げるが通じる様子がない。隣に座ってるジブリールを見ると、ペロッと舌を出しテヘペロをしている。
これは絶対に楽しんでやったと確信を持って言える。きっと俺の慌てふためく様子を見て内心で笑っていたに違いない。だけど、そんなジブリールも何故か可愛く見えてしまう。
最初の頃は、そう思わなかったが切っ掛けは、どうであれ恋は盲目とは良く言ったものだ。
「さてと、余も約束を果たそうとしよう。セーヤン、カズヤとジブリールを例の場所へ案内をせよ」
「畏まりました。カズヤ様ジブリール様、ご案内致します」
とうとう剣の勇者が倒したとされる魔王の身体の一部が見れる。本当は冒険者としてではなく、魔神教会の幹部として拝見する必要があったからだ。
Sランク以上の冒険者なら誰の目からも怪しまれない。Sランク以上になるには、それだけ大変で信用も得る事が出来る。
「こちらになられます」
執事長セーヤンに着いて行く事、およそ10分間。王城の地下を何階降りたか分からないが、相当深く降りたと思う。
5~6mはあるであろう扉に近衛兵らしき鎧を装着した男二人が微動だにする事はなく立っている。
「警備ご苦労様」
「「セーヤン様、お疲れ様です」」
「聞いておると思うが、この二人を中へ入れてくれぬか」
執事長セーヤンに敬礼をする近衛兵二人。
そんな様子を見ると、執事長セーヤンがタダ者ではない風に見える。もしかしたら強いのか?
「少しお下がりを。封印の門、開きます」
近衛兵が手を添えずに扉が自動的に開いた。扉の隙間から寒気を感じる程に冷気というより殺気染みたドス黒いオーラが溢れている。




