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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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141食目、巨人の姫

「妾の娘を紹介するわよ。さぁ、あいさつをしなさい」

「シャルラ・セークス女王が娘、シャルロット・セークスですわ。剣の勇者カズト様のお噂は聞いておりますわ。お会い出来て光栄でありますわ」

「剣の勇者でありますカズトです。グフィーラ王国の勇者でもあります。シャルロット姫にお会い出来、光栄であります」


 お互いに紹介済ませ、握手を交わした。シャルロット姫は、セークス女王の娘という事だろう。見目麗しい美人であり、セークス女王と似てるドレスで着飾ってる。

 だけど、握手して分かった。こんな美しく華奢な体の内側は、とんでもないエネルギーが内包されてると言えば良いのか?

 外見からは判別が出来ないが、とてつもない筋肉質でそこら辺の騎士や冒険者では、あっという間に返り討ちにしてしまう程の実力の持ち主だと、カズトは握手をしてる間に冷や汗を掻いた。


「クスクス、妾の娘を姫と申すか」


 俺は何か変な事でも言ったのかと首を傾げる。

 外見に関してはセークス女王のDNAを受け継いでいると言われて納得出来る程に美人だから俺は姫と言った訳だ。


「シャルロットはのぉ、暇を見付けてはお主の本を年がら年中読み耽っとるのぉ」


 自分の事柄を書かれた本を読まれるのは、やはり恥ずかしいと思ってしまう。

 俺もレイラに貸してもらい、パラパラと軽く読んで見たが、俺が八割で残りは他のパーティーメンバーの事が書かれていた。

 やはり、同じパーティー内でも勇者とその他では、読者は絶対に勇者の話に夢中になる。他のメンバーは眼中ない。ただし、勇者を際ただせるために他のメンバーも登場させているだけだ。


 シャルロットも勇者の話に夢中になってる一人であり、自分の部屋には全巻揃えてある。新刊が出る度に金に糸目をつけずに収集する。

 本が貴重なだけに、王族か位が高い貴族だけが出来る力業だ。本が貴重な点を除けば、シャルロットは漫画に出てきそうな文学少女だと感じ、この世界なら読書は姫らしい趣味だと思える。

 読書を嗜むシャルロットを安易に妄想出来、微笑ましく自然と笑顔が零れる。


「お母様、カズト様の前で言わないでくださいませ」


 実の母親に俺が登場する本を俺に暴露され、ゆでダコのように一気に顔だけではなく腕や足先等、露出されてる箇所は大半真っ赤に染まってる。

 隣で、この状況を見てるシドニス王とガリュウは、口を押さえながらも肩を震わせ今にでも大笑いしそうな雰囲気である。


「あのお転婆娘が読書とか……………プックククク、信じられないな」

「ガリュウ、アンタ黙りなさい」

「カズト、シャルロットは騎士に混じって訓練をしてるのだ。その上、騎士の誰よりも強いと聞く。これがお転婆娘と言わないで何と言う」


 巨人大国クルセナは、男しか騎士になれない。そのため女が訓練に混じるなど前例がない。

 だが、王族には逆らえず仕方なく、シャルロットを度々参加させたところスジが良く、練習試合に至っては圧勝してしまう程に強かった。

 最初は、王女を傷付けないよう最初の何名かは手加減をしていたが、それは間違いだと知る。

 シャルロットの圧倒的な戦闘スタイルに自然と手加減ではなく、本気で残りの騎士達は戦った。だけど、敵う騎士は居らず騎士にとって惨めな結果となった。本来なら騎士のプライドは、ズタズタに切り開かれた事だろう。

 しかし、その日から騎士達のマスコット的キャラクターみたく可愛がれ癒しの象徴となったのだ。


「シャルロット姫は、可憐で素敵な女性だと俺は思いますよ」

「カズト様、そうよね。本当に勇者伝説からそのまま出て来たようだわ」


 シャルロットの瞳がハートになってる気がするけど、きっと気のせいだ。見なかった事にしよう。


「ふむ、英雄は色を好むというものだが、カズトは見事にモテるのだな」

「ガリュウも引く手あまたではないのか」


 王子だし、自国では黄色い声が其処ら十に響き合ってるのではないのか?それに貴族のご息女からもたくさん手紙が来ていそうただ。


「オレか?ないない、こんな強面な顔なのに俺がモテる訳ないだろう」


 いやいや、十分にイケメンな部類に入るって。筋肉好きな女性がいたら、多分ガリュウをほっとかないと思う。

 日本でも消防士の男達の写真集が話題になった事がある。鍛え抜かれた筋肉を魅せるような写真集で、筋肉好きな女性が買い漁り販売されてから数日で、完売され重版もされたと聞いた事がある。


「そうですか?ガリュウは王子なのですし、引く手あまただと思ったのですけど?もしかしたら、王子だから高嶺の花と思って誰も声を掛けずらいだけなのでは?」

「ぐわっははははは、俺が高嶺の花だって?それこそないぞ。ぐわっははははは」


 ただ自分では気付かないだけで、案外カズトの勘は当たっていたりする。

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