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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS1-43、帝国の三勇者~やっと食べられる~

「そうか、カズトは魔法大国マーリンにいるのか」


 カズト(分身)が、説明してくれた。今現在、王様に依頼された任務により魔法大国マーリンにいる事。

 そこで料理を振る舞ってる事。

 他の勇者が、他国の王族の護衛として集まってる事。等々を事細かく話してくれた。


「リンカの兄に会ってみたかったぜ。相当強いのだろうな」

「メグミなんかボコボコのケチョンケチョンになるに決まってます」

「はんっ、殺らないと分かんねぇよ」


 バチバチとリンカとメグミが火花を散らす。そんな様子を見ているカズト(分身)は、軽く口元に左手を添え微笑していた。


「ごめんごめん。仲が良いと思ってね」

「「誰がこんなヤツと」」

「ほら、仲が良いじゃないか。ケンカをする程に仲が良いとは良く言ったものだ」


 ぐぬぬぬっとリンカとメグミは、カズト(分身)の言葉に対して何も言い返す事が出来ず、言葉が詰まってしまった。


「それよりも何か食わないか?長旅で疲れただろう。向こうの俺からも許可は取ってある」


 カズト(分身)でも本人と変わらない美味しさで料理を作れる。本人から頼んだと直々に念話で来た。


「何が良い?」

「リンカはね、ハンバーグ」

「私は、オムライスにしようかしら」

「オレは、カツカレーだな」

「リンカの姉御と同じヤツを頼む」

「ご主人━━━メグミ様と同じ物を」

「俺はそうだな。鳥の唐揚げとキンキンに冷えたエールを」

「アタシはそうだねぇ。焼き鳥全種とエールを頼むよ」


 ハンバーグ×2、カツカレー×2、オムライス×1、鳥の唐揚げ×1、焼き鳥全種盛り×1、エール×2注文承りました。


 さぁ作りがいがある。


 本当ならカイト本人が直ぐに戻ってリンカ達の料理を作って差し上げたいと向こうから念話により騒いでるが、王様の護衛も任されてる手前、今直ぐに帰って来るのは無理というもの。


「注文が入った。手伝ってくれ」

「カズトの妹?」

「そうなのか?!へぇカズトに似て別嬪さんだろうな」


 ドロシーとの話し声が聞こえたのか?ミミが珍しく聞いて来る。それに便乗するように獅子之助が話に割って入る。


「後で紹介するから今は手伝ってくれ」

「合点承知之助」

「んっ。その約束忘れないで」


 この二人、本当に俺の妹に会う気まんまだ。さっさと作ってしまうかと、ミミと獅子之助は何時もよりも手早く千手観音みたく腕が残像で何本にも見えた。


「カズト殿、遅いですぞ」

「んっ、こちらも出来上がった」


 は、早いよ二人共。そんなに俺の妹に興味津々なのは理解出来るけど、急ぎ過ぎだ。


「ハァハァ、お待たせ。持って来たよ」

「待ってました」


 これ程の料理が並ぶと豪華絢爛で目映い。やり遂げた感があり、料理人冥利に尽きるってものだ。


「兄さんの料理、久し振り」

「フワフワトロトロのオムライス」

「うぉぉぉぉぉ、カツがでけぇぇぇぇぇ」


 カズトが作ったのはハンバーグとオムライスだ。それ以外は、ミミと獅子之助が作り上げた。


「これがハンバーグとやらなのか。ご主人様が大好物という」

「ジャック、食べて。兄さんのハンバーグは絶品」


 ハンバーグの中に肉汁が閉じ込められており、噛む度にジュワァーっと口の中に溢れて来る。

 肉の塊を焼いた時よりも肉汁が溢れ肉のジュースを飲んでるみたいで堪らない。


「これは!めちゃくちゃ美味しいぜ。肉の塊を焼く時よりも肉汁が溢れてきやがる。流石は姉御の兄貴だな」

「そう、良かった。はぐっもぐもぐ……………ゴクン。ほにゃん、美味しくて頬が落ちる」


 満足してくれてるようで安心した。これで不味いと言われてたら立ち直る自信がない。

 それよりも、リンカの隣にいる男は一体誰だ?仲間だというのは一緒にいるから分かる。

 まさか、リンカの恋人か?いやいや、それはない。おそらく、リンカと勝負して負けたのだろう。

 そこで、リンカの強さに惚れて着いて来たという感じか?まぁ恋人じゃなかったら何でも良い。


「ガツガツモグモグ…………ゴクン。カツカレーお代わり」

「こちらもカツカレーお代わりお願いします」

「アクア、お前良い食いっぷりじゃねぇか」

「お褒め預り光栄です。魔物モンスターの時は、こんな美味しい食べ物があるなんて知りませんでした。ご主人様に出会えた事に感謝しかありません」


 スゴい食いっぷりだ。まるで飲み物のように流し込んでいる。何となく大盛にしたが、予想以上にメグミとやらは大食漢らしい。

 難なくと平らげお代わりを要求している。空になった皿を下げ、カツカレー大盛をメグミとアクアの目の前に再び置いた。

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