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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS1-36、帝国の三勇者~シャングリラの森~

 ジャックが目を覚ましてから鉱石の洞窟ガリウムを出発したリンカ一行。

 ジャックが新たな仲間に加わりリンカ、ココア、メグミ、ゴン、ルカールカ、ジャックの6人パーティーとなった。

 ジャックは、リンカの勝負に負けるがそのタフさと根性にリンカが精神的に負けを宣言し、弟子という名の手下として着いて行く事になった。


「ほれ見えて来たぞ。あれがシャングリラの森、通称:冒険者ハンター殺しの森だ」


 およそ5km程離れていても木々が鬱蒼と繁っておるのが分かり、日の光がほぼ入らず森の中は薄暗い。そのせいで魔物モンスターよりも幽霊が出そうな雰囲気が漂ってくる。


「近くに寄る事に魔物モンスターの殺気がひしひしと肌に伝わってくる」

「そう言って早く戦いたいと言ってる風にしか聞こえません」

「わざと道から外れそう」

「ぷっわはははは、そんな事しねぇって」


 シャングリラの森は、ハッキリと魔物モンスターのランク事に縄張りが別れており、ランク事の道が存在する。

 そのランクの道さえ外れなければ、強い魔物モンスターは現れない。

 希少な素材を手に入れるために強い魔物モンスターの縄張りに入る事はあるが、それ以外だと大抵遠回りしても低いランクの道を選ぶ。

 だけど、例外が2つある。メグミみたいな戦闘狂が、強い魔物モンスターと戦いたくてわざと道を外れるのが一つ。

 もう一つは、成り立てのランクDかCの冒険者ハンターが自分の実力を知りたくて強いランクの道に行ってしまう。

 だから、成り立てのランクDかCの冒険者ハンターが一番死に易い。


「森の入り口に着いたぞ」


 入り口に立ったらいっそうハッキリと分かる。ランクの高い魔物モンスターの殺気が漏れ出ている。

 察知系の魔法や技術スキルを態々使わなくてもランクが高い魔物モンスターなら何処にいるか分かる。


「さっさと行こうぜ」

「そんなキラキラな瞳を向けないでください」


 メグミが童心に戻ったように瞳をキラキラと輝かせている。これは絶対に何かやらかしそうで怖い。


「ゴクン、ここがシャングリラの森か」

「もしかして、ヒビってる?」

「リンカの姉御、俺がビビる男に見えますかい」

「うん、見える」

「ガーン」

「ほら、行くぞ。今日明日で抜けられないんだからな」


 鉱石の洞窟ガリウム側とグフィーラ王国側の出入り口では、普通なら早くて1週間遅くて10日程掛かる。

 何故なら安全に行くため弱いランクの道を通ると、どうしても遠回りになってしまうからだ。

 魔物モンスターの強さ関係なく最短距離で進むなら3日で着く。だけど、普通なら無理な話だ。

 最短距離で行くと、Aランクの道を通る事になる。常識的に4人編成パーティー5組は必要になる危険度だ。


「こっちの道だ。はぐれるなよ」

「ゴンさんは道が分かるのですか?」

「あったりまえよ」

「ウソを付け。ネタバレすると、ただ単に【気配察知】してるだけじゃんよ」


 胸を張るゴンだったが、ルカールカにバラされみるみる内に顔が真っ赤に火照ってしまっている。


「ゴホン、さて行くぞ」

「誤魔化したな」

「誤魔化しましたわね」

「誤魔化した」

「誤魔化したよな」

「ぷっくくくくくわっははははは」

「ルカ煩せぇぞ」


 みんなしてゴンをからかうものだからルカールカが大爆笑で、腹を抱え地面を転がっている。


「ハァーハァー、笑った笑った」

「たぁくぅー、さっさと行くぞ。何時になっても出れねぇぞ」


 ゴンの案内で進んで分かる。この森は一種の生き物みたいなものだと。

 この森の中にいるだけで冒険者ハンターじゃなく獲物になったのではと錯覚に陥る。そういう緊張感が常に付きまとう。


「この森は気付いてると思うが、ただの森ではない」


 それはただ単にランクの高い魔物モンスターがいるという話だけではない。


「ここは迷宮ダンジョンの一種だ。その証拠に、ここで死んだら死体は残らん」


 迷宮ダンジョン、それは冒険者ハンターが一生挑み続ける場所。それは冒険者ハンターが一攫千金の夢を見る場所。それは冒険者ハンターが命を捧げる場所。それは冒険者ハンターが財宝・遺物を発見し地位・名誉・財産を得る場所。それは冒険者ハンターが自らの強さを証明する場所。

 等々と言われている。

 ただ、一つだけ正確な事がある。それはダンジョンが生き物という事だ。

 魔物の素材や財宝・遺物をエサにし、冒険者ハンターを呼び寄せている。それが分かった上で冒険者ハンターはダンジョンの探検を止められない。

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