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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS7-30、女婬夢族ジブリールの居場所~一旦、拠点へ帰る~

 登城するまでの間、一週間は冒険者ハンターギルドのクエスト受注禁止されている。

 その間の宿泊料金や生活に必要な消耗品に掛かるお金等は、もろもろ国から出して貰えるらしい。

 もちろん、報償金とは別でだ。なんとも太っ腹なグフィーラ王国だが、それほどに夜の森盗賊団が厄介な存在だったのだろう。


「それで一週間を何して過ごそうかと考えたが」

「クエストにも行けないし、街の外にも行けないのよね」

「それでどう過ごすのよ」


 ジブリールとミスティーナの二人は、《正義ジャスティス》の言葉を待っている。


「一回、我が主にミスティーナを紹介しようと思う」

「我が主って?」

「教祖様に合うの?」


 ジブリールも一回会った切りで会っていない。《正義ジャスティス》の相棒として常に行動を共にしていたから魔神教会の本拠地である総本山には一人で転移した事はない。


「あぁ転移するだけだから時間は掛からないだろう」

「転移?転移って高等魔法ではなかったかしら?」


 本来なら転移魔法は、使い手が限られる高等魔法で、難易度Sクラスなのは常識だ。

 だが、転移する場所を限定するなら、その限りではない。難易度は、グッと下がりCかDクラスだ。

 魔神教会総本山に転移するだけだから、そこまで難しくない。タロットのアルカナを受け入れた時点で、魔神教会総本山に行く転移は出来るようになってる。


「ジブリールは、一回経験してるが今回は俺がやるから覚えろ。ミスティーナもだ」

「分かったのよ」

「えぇ、分かったわ」

「では、俺に捕まれ。行くぞ」


 ジブリールとミスティーナが《正義ジャスティス》の腕を掴んで数秒後、宿屋の部屋から三人の姿は消えていた。


「ほら、着いたぞ」

「ここが魔神教会総本山」


 ミスティーナは物珍しそうに辺りをキョロキョロと見渡す。ジブリールの時もそうだったが、ドキドキが止まらない。


「ここが総本山だ。奥に教祖様の部屋がある。そこにいるはずだ」

「相変わらず広いのよね」

「ここは何処にあるのかしら?」

「知らん。正確には知りようがない。ここは転移でしか来れないし、【探知サーチ】にも引っ掛からないからな」


 話してる内に教祖様であるカノンの部屋に着いた。《正義ジャスティス》がドアをノックすると中から声がした。


「失礼します。《正義ジャスティス》です」


 教祖カノンの隣には《愚者ザ・フール》と《世界ザ・ワールド》が鎮座している。


「あら、珍しいわね。あなたが私の部屋を訪ねるなんて。その後ろのは、この前カードをあげた?」


 椅子から立ち上がるとジブリールの側に近寄り、ネットリと身体全体を観察し始めた。

 数分間、ジックリと観察し終わった後は背後からガシッとジブリールの豊満に育った胸を掴んだ。


「きゃっ!ちょっ、そこは触れたら……………あっ」

「ふぅっ、満足。あんなチビッ子だったのに、ここまで精気を吸って成長するなんて予想外だわ」


 教祖カノンに揉まれ尽くされたジブリールは、床に這いつくばり痙攣している。

 ハァハァと息遣いが荒くなってる様は、やはり女姻夢族サキュバスだ。物凄くエロく見えてしまう。


「女であるはずの私でさえ、エロく思えてしまうんだもの。《正義ジャスティス》は我慢出来ないんじゃない?」

「何の事か俺には分かりません」


 《正義ジャスティス》は、何の事だか知らない存ぜぬを通し表情を一切変えずに否定する。

 だけど、教祖カノンには《正義ジャスティス》の心の内側をお見通しであった。


「みんなには言ってない私の技術スキルがあるの。それはカードの渡した者の心が分かるというもの。《正義ジャスティス》、あなたは《恋人ラバーズ》をヤってしまいたいと、自分色に染めたいと思ってるはずよ」

「そ、そそそそそんな事は!」


 珍しくテンパる《正義ジャスティス》を見る教祖カノン以外の者達は驚きを隠せないでいる。


「今までヤらなかったの?強いと思ったら、実はヘタレとか笑える」


 グサッとミスティーナの容赦のない言葉に心を抉られる《正義ジャスティス》は、膝を付いた。


「そんな《正義ジャスティス》に命令です。《恋人ラバーズ》とヤりなさい。直ぐにという訳ではないわよ。何時ヤるかは自分のタイミングで決めなさい」

「はっ!承知致しました」


 とんでもない命令でも教祖カノンに従う《正義ジャスティス》。断ろうとしても元々無理な話だが、《正義ジャスティス》は教祖カノンを神のように信仰している。

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