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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS7-26、女婬夢族ジブリールの居場所~正義は悪魔に手解きをする~

 精神魔法【記憶改竄エディット】の副作用として黒森精族ダークエルフ三人は、虚ろな表情でまるでゾンビではないかと錯覚しちゃう程に顔色が悪くなっている。


「「「あぅあぅあぅ」」」

「初めての魔法だから手加減を間違えたのかしら?」


 今まで慕ってきた黒森精族ダークエルフの美しい顔が台無しになってる様を見ても心は平然としている。

 ただ単に魔法の加減を間違えた程度しか思っていない。これも《悪魔デビル》の能力を授かった影響なのかは本人すら分からない。


「どうだ?上手くいったか?」

「少し様子見をした方が良いかもね。初めての魔法で、まだ上手く制御が出来ないようなの」

「これはこれは、あの美人な顔が台無しになってますね」


 俺より遅く入って来たジブリールが黒森精族ダークエルフ三人の顔を見て呟く。

 俺も見たが、精神魔法だけでここまで酷くなるのかと精神系に耐性を持っていても吐き気が催した。


「この達の頭か額に触れたままやってみろ」

「こうですの?精神魔法【記憶改竄エディット】」


 《正義ジャスティス》の言う通りに額へ触れたまま詠唱した。

 そうすると、今度は上手くいったようで三人の生気は戻り、ゾンビ顔になる前と比べると若干美人になったような風に見える。


「ふぅー、これで大丈夫のようね」

「相手に精神魔法を掛ける場合は、相手に触れた方が良い。最も良いとされるのが、精神を司る頭付近だな」

「そうでしたのね」

「ププッ、そんな事も知らないなんて《悪魔デビル》はバカなのね」

「なんですって」


 俺の事を忘れてジブリールとミスティーナの追い掛けっ子が突然と始まる。

 二人は屋敷を飛び出し魔法と技術スキル何でもありありで、ミスティーナがジブリールを追い掛けている。爆音が屋敷にいる俺のところまでも爆音が轟いてくる。

 たまに俺は【探知サーチ】を周囲に展開し、二人の様子を間接的に観察していた。

 気のせいか?周囲にいたはずの魔物モンスターが次々と死んで━━━━いや、消滅している。

 それと地形が次々と姿を変化しているのに気がついた。これは、流石にやり過ぎだ


「あいつら、地形を変えるまで殺るか普通」


 屋敷の窓から外を見詰めた俺は、頭を抱えながらため息を吐いた。窓からでも爆発箇所が楽々見えている。


「たくぅー、これを後片付けするの誰がやるって話だ」


 頭を抱えながらも窓から飛び出した。そして、ちょうど二人の間へ着陸し、攻撃を放つ勢いから二人が自分へと迫って来る。


「おい、いい加減しろ」

「えっ?ちょっと退いてぇぇぇぇ」

「ふぇっ?《正義ジャスティス》早く退いてぇぇぇぇぇ」


 パシッと二人の拳を難なく、それぞれ片手で受け止めると見せ掛けて、二人が突っ込んで来た勢いを利用し投げ飛ばした。


「「げふっ」」


 地面にめり込んだ際に美女とは程遠い獣染みた鳴き声が俺の耳元まで届いた。

 まぁ二人の自業自得なので、俺はけして謝りはしない。いくら服が破れようが汚れようが俺には関係ない。


「ちょっとカズヤ酷いわよ」

「そうよそうよ、《正義ジャスティス》酷いじゃない」

「うっさいわ。この周辺を見て気付かないのか?!何れだけ暴れたら気が済むんだ?」


 大雑把に見た限り半径1km以上は草も生えない荒れ地となり、所々クレーターが出来上がり、魔物モンスターの死体の山と赤い血により土壌が赤く染まっている。


「アッハハハハハ、何の事かしら」

「ピュルルル、知ーらない」


 ミスティーナは高笑いしながら否定する。ジブリールは下手な口笛を吹きわざとらしくソッポを向く。

 いくら本人が否定しようにも荒れに荒れた大地が動かぬ証拠となってる。


「しょうがない。元に戻すか。【聖武器創造ゴッドアルケミー大地の杖(ガイア・ロッド)


 《正義ジャスティス》が創造した武器は、先端にルビーらしき宝石が付いている杖だが、そこだけ目立つだけで後は地味な色合いをしている。


「相変わらず凄まじい技術スキルね。その杖から禍々しさが伝わってきます。それでワタシを殴る気ね」

「ごくん、それをけして妾に向けないでちょうだい」

「お前達、俺をなんだと思ってるんだ」


 俺は呆れながらも一瞬の内に真面目な表情を作る。一息を吐き、両手で大地の杖(ガイア・ロッド)を持ち上げ地面に一突き突いた。


「この大地を癒せ【大地操作ガイアコントロール】」


 《正義ジャスティス》を中心に波動が伝わり、二人が破壊したであろう大地がみるみるの内に草木が生えた。

 ただし、二人が殺し捲った魔物モンスターを再生するのは無理だった。地面を真っ赤に染めていた血や死体は、地面に吸い込ませる形で草木の栄養としたのである。

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