表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/530

20食目、女神の指輪

 指輪の鑑定結果。


 名前:女神との結婚指輪


 付与魔法:固定化(装備した箇所から一生外せません。一種の呪いです)


 効果:装備者の全ステータス五割アップ、全状態異常無効化、女神シロと通信(いつでも寂しい時には連絡ちょうだい♪待ってるわよ)


 おい、思いっきり結婚指輪と書いてあるではないか。しかも呪いまで掛かってるし、解呪してもダメでとても強力な呪いのようだ。


「おい、このダ女神とんでもない物を渡しやがって呪いのアイテムじゃないか」


『ふん、私を疎かにした罰よ』


 それはシロ様にも責任あると思いますけど、まぁ俺が悪い事にしてあげます。

 だから、シロ様にお願いがあります。指輪の名前変えてもらえませんか? 手を合わせ祈るようにお願いをした。


『私と結婚素敵じゃない。カズトの世界でも神に結婚をする風習あるわよね』


 それは神官や宗教の話で神と結婚して一生独身を貫き通すという一部地域の話だ。日本に住んでいた俺には関係ない。


『いいじゃない。全ステータス五割アップに全状態異常無効化よ。こんなに凄い効果を持つアイテムは滅多にないわよ』


 確かに凄い効果だ。固定化の呪いと比べても有り余る。まぁ鎧や兜じゃないだけ、まだマシか。指輪で助かったと喜ぶか。鎧や兜が一生脱げないとなると悲惨だからな。

 もう、この指輪の事を聞いても同じ事の繰り返しだと判断したカズトは頭を切り替えた。


「シロ様、この目の前のウィンドウですが………どうにかなりませんか?」



 拾いますか?/ 見捨てますか?/嫁にしますか?

 再び見るがまだ存在し続けるウィンドウ、真ん中はバッドだとして右と左は意味的に同じじゃないか?

 ユニが強制的に俺の嫁にされて可愛そうじゃないか?いや、普段から俺の貞操を狙って来てるし、俺に好意持ってるのか?


「それは私の固有魔法でね、とても強力で一回発動したら私でも取り消せないわ」


 見た目を考えると意外にもとんでもない魔法だと言う事は分かった。つまり、選択するしかないのか。それを遊び半分で発動しやがって、このダ女神は。


 ウィンドウの正式名称は女神の強制問答(トイタダスモノ)、女神シロ様の固有魔法である。指定した者に対し問いを出し、強制的に回答を強いり、その回答によって周囲に影響を及ぼす事があるとかないとか………多分ある。

 回答するまでの間、回答する者以外は時間が停止するので、無駄に高等な魔法技術を使用してるとカズトは思ってる。


「………くそ、これだ」


 カズトが選んだのは、"拾います"だ。一番無難そうなのを選んだつもりだが、さてどうなるのやら。


『ぷくくくく、このヘタレめ』


 ダ女神め五月蝿いよ、ヘタレで結構。時間は停止しているが、再開した後ユニを嫁に選んでいたら仲間に問い詰められ死ぬ思いをする事は必須だとカズト自身感じていた。

 もうそろそろ時間が動き出す時、女神シロはカズトにとある命令を下した。拒否権はもちろん無いに等しい。


『定期的にカズトの料理を私はご所望する。もし、忘れたなら━━━』


「忘れないから勘弁して下さい」


 女神シロに日本特有の謝り方"ザ・土下座"で料理を作る事を約束した。女神シロの怒りが食べ物で収まるなら安いものだ。

 女神シロとの話が終わるのと同時に時間が動き出し早速影響が出始めた。


「勇者殿が自ら案内してくれるのですね」


 もし、ユニに尻尾が付いていたなら、思いっきり振ってる事だろう。あの薔薇隊隊長とは思えない程、瞳がキラキラと輝いている。うっ………シロ様のせいで俺は悪くないのに、罪悪感で心が痛いんですけど………。明らかに女神シロの魔法による影響が出ている。密かにニアのステータスを鑑定してみるが、ステータス上は何の異常も見つからない。

 流石は女神シロの魔法という事だろう。これでは、ニアを元に戻す事は出来ない。異常だが異常が見つからなければ、解呪を施しても無駄になるだけだ。


「あぁ、案内するからついて来てくれ」


 仕方ないので、今は様子を見る事にする。ユニ以外は影響がないようで、良かったと言うべきか。ユニ程の女性から言い寄られてカズト自身は満更でもないが、後ろから嫉妬という殺気が突き刺さって表面上態度には出さないでいる。


「この部屋と両隣の部屋だな。これが鍵になるからなくさないように注意してくれ」


 カズトはユニと新人リーダーに鍵を二本渡し、一階の厨房へと戻ろうとしたが新人リーダーに止められた。

 ユニともう少しだけでも話していて欲しいと言われた。レイラとドロシーには許可取ってるらしく、万事OKな状況だ。何時許可を取ったのか不明だが、準備万端なのに驚かされた。


「お前達、何勝手な事を」


 ユニは部下五人を怒ろうとするが、全員悪びれる事は一切なく割り振られた部屋へと逃げるのであった。


「あっ、ユニ隊長………もし、ヤッテも音漏れはしないようなのでご安心を」


 ヒョッコリと扉の隙間から覗き込み、そう言う新人リーダーはニヤニヤと笑ってバタンと扉を閉めた。しょうがないとカズトはユニと一緒に部屋に入り、話に付き合う事にした。

 これもサービス━━仕事だと割り切る事に徹する事にする。そうしないと、カズト自身ユニを襲うかもしれないから。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ