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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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120食目、扉転移

 フォルスとタマモが戦闘する直前に止められて、ホッと胸を撫で下ろすカズト。


「もうケンカはダメですよ。お二人がやったら、この城が消し飛びます」


 フォルスとタマモ二人も気付かない速度にて間に入られた事に驚き、お互いに振り上げた腕を納める。

 二人の喉元には、カズトが聖剣エクスカリバーを変形させたであろう二対の剣というよりは大型の軍用ナイフぽい形状の聖剣の刃先が向けられている。

 これ以上歩みを進めれば、ざくりと二人の首筋を容易に切り裂ける程に密着している。


「も、もうケンカはしないから………………その聖剣を下げて欲しいのよ」

「うむ、妾も頭に血が昇ったのじゃ(しかし、あれは闇属性か?人間の身で闇を操るとは)」

「絶対ですからね」


 二人を一睨みをし静かな声で約束を確認した。

 カズトは聖剣エクスカリバーを納めアイテムボックスへと仕舞った。無我夢中で無理矢理にアイテムボックスから聖剣エクスカリバーを取り出したため、どっと疲れた。


「それにしても驚きなのよ。私の【おそれ】で聖剣は取り出せないようにしてたのに」


 やはりアンタだったのか!おかしいと思っていた。タマモと会ってから聖剣を、まるでこの世から消滅したかのように存在が感じなくなっていたからだ。


「タマモを怒るでないぞ。一種の自己防衛じゃ。いくら勇者といっても他国の勇者じゃて、こんな短時間で全部を信用出来まい。まぁソナタを気に入ったからでこそ、この部屋へと連れて来たのも事実じゃ」


 カズトも本気で怒ってる訳ではない。ちゃんとした理由があれば、それで強引にでも納得するつもりであった。

 それにしても、獣妖族特有の力・【おそれ】か。実際に喰らった者しか、その恐ろしさは真に理解出来ない。


「怒ってはいませんし、約束を反古にするつもりもないのでご安心を。逆に超大物の方とお近づきになれただけで……………充分です」


 頭では理解し怒ってはいないはずだと自分自身思ってるなのだが、表情は笑っておらず………………まるで鬼のようだったと後々、獣人国家アルカイナの勇者兼部下であるタケにタマモが愚痴ってたとタケ本人から聞いた。


「絶対に怒ってるのよ。あの笑顔は間違いなく怒ってるのよ」

「だから、怒ってませんって。う~ん、これをあげますから機嫌を直してください」


 カズトがタマモへ手渡したのは、レストラン〝カズト〟へ扉を通して転移ワープ出来る御守り型の魔道具・【扉転移ドアープ】だ。

 各国の王族達に手渡そうと、元々思っていた。だから、余分に数はアイテムボックスに用意してある。ただ単に手渡すのが、早くなった次第だ。


「これは魔道具?」

「ほぉ~、こんなにコンパクトなのにかなりの魔力を感じるのじゃ。これを無料でくれるとは」


 一般のファンタジー系のラノベでの獣人は、身体能力は高い代わりに魔法がてんでダメという種族として書かれる事が多い。

 だけど、獣妖族だと違うのか?【おそれ】という特殊な技術スキルを使うし、魔法に関しても詳しくてもおかしくないか。


「えぇ使い方と効果を説明しまうと━━━━━」

「ふむふむ、成る程」

「これで我が愛しのカズちゃんに何時でも会いに行けるのよ」

「愛しのって………………タマモさんのじゃないんですけど」


 タマモの瞳が知らない内にハートになってる。これってあれか?タマモにフラグ立ったと認識すれば良いのか?

 断るのは怖いが断らなければ、俺が後々死ぬ事になる。俺の嫁全員が怒ったら超絶に怖いもんな。


「良いじゃないのよ。私の物になってのよ」

「【おそれ】を使っても、もう俺には効きませんよ?」

「な、なんで!」

「うっははははは、タマモよ。こやつは2~3回程度の【おそれ】で耐性をつけおったわ。ぷっくくくくくうっはははははは」


 腹を抱え床を転がり大爆笑のフォルス。

 フォルス様、いくら何でも笑い過ぎでは?俺がタマモさんの【おそれ】を無効果にした事が笑いのツボに入ったようだ。

 自分でも驚いてはいる。こんなに早く耐性がつくとは思ってみなかった。可能性として考えられるのは、タマモが獣妖族の八王の一柱だったというのも大きいだろう。

 八王の【おそれ】は強力な分、それだけ耐性が上昇しやすかった。ただし、勇者やSランク冒険者以上でないと耐えられずに例外を除いて耐性をつける前に間違いなく死ぬ。


「そ、そんなぁ~!私が、こんなに頼んでもダメなの?」

「ダメなものはダメです。もう既に俺には、勿体無いくらいの素敵な嫁さんがいますから。それとも、俺の店を出禁になりますか?」

「で、出禁?!」

「店には入れないって事です」

「そ、それだけはダメなのよ」


 これに懲りて俺にちょっかいを掛ける事は辞めるだろう。

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