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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS8-7、スゥの1日~スゥとライファン、ブロー商会を訪れる~

日付を間違えました。遅れてすみません。

 ランファンがカズトから貰った手土産を手に、ブローレ商会を訪れる。ブローレ商会の現会長であるブラン・ブローレがいるであろう本店は、グフィーラ王国の王都内にある貴族街に構えてる。

 本店があるからには支店がある。支店は、グフィーラ王国内に十数店舗構えており、グフィーラ王国一の大商会というのは常識である。

 グフィーラ王国以外では、例外を除き各国に2~3店舗支店がある。元々がグフィーラ王国の商会なので、他国で出すとなると条件が厳しいのと費用がかなり掛かるそうなのは少し調べれば分かる事。


「ここかにゃ?ずいぶんと豪勢だにゃ」


 一発で、そこがブローレ商会本店と分かった。外見は満遍なく金や大理石で装飾されており、上級貴族の豪邸よりもお金を使ってるのが丸分かりだ。

 絶対に貴族以外だと門前払いされる雰囲気だ。普通なら気後れされそうだが、ランファンには関係ない。この国の者でないし、むしろ商人ならランファンの名を知らないとモグリだ。


「ちょっと失礼するにゃ」

「あっ、はい。何のご用でしょうか?」


 グフィーラ王国に獣人は、そこそこいる方だが王都の貴族街にいるのは珍しい。それもグフィーラ王国随一のブローレ商会本店に獣人が訪れるなんて皆無に等しい。

 普通なら獣臭いと追い出されるのがオチだ。だけど、誰にも気付かれずに受付にいたものだから受付嬢は驚いた様子だ。


「会長ブランはいるかにゃ?」

「会長にアポはお取りですか?」

「アポは取ってにゃいけど、代わりにこれを見せるにゃ」


 ランファンが受付のテーブルに置いたのは、自分の商人ギルドカードだ。そこには、ランファンの名前とランクが記載されている。

 ギルドカードの色は金色で、最高ランクであるSSを意味している。商人ギルドでは、SSランクは世界で十数人いる程度だ。その中で行商人としてSSランクに到達したのはランファン位だろう。

 大抵のSSランクの商人は、自分の店を何軒も持ってるものだ。そして、表にはほぼ出て来なくなる。大抵の仕事は部下や下っぱに任せ、上でふんぞり返ってる。


「!!た、ただいま会長に確認を取ってきますので少々お待ちくださいませ」


 受付嬢が慌てた様子で奥に引っ込んだ。おそらく確認しに行ったのだろう。

 受付嬢が、あんな反応する事を予想した上でランファンは自分のギルドカードを見せた。

 目の前に自分達のボスと同じ立場の者が、いきなり現れたらどうなるか?そんなの分かり切ってる事だ。


「ハァハァ、お待たせ致しました」


 うん、受付嬢が戻って来る時間が予想より大分早い。大抵は二択しかない。居留守を使うか面会するかだが、今回は後者の方のようだ。

 例外として、もう1つある。それは、追い払った後にゴロツキや武装集団を使って始末する事。

 ランファン的に3つ目の選択が取られるかと内心思っていたが、そんな事はないらしい。


「どうぞ、会長がお会いになるそうです。離れないよう着いて来てくださいませ」

「分かったにゃ」


 受付嬢の背後を着いて行く中、廊下の壁にはオークションに掛けられたら日本円にして軽く億はくだらない絵画が、壁一面に飾れられている。

 階段を上がる際に気付いた。手摺には、ダイヤモンドやルビー、サファイア等の宝石が豪華に埋め込められている。ここだけでも数億はくだらないだろう。

 受付嬢を追い掛けてから数分後、二階の廊下にある突き当たりで止まった。

 一見、扉はなく壁に囲まれてる風にしか見えない。しかし、受付嬢は少し壁を探るように突き当たり付近で何かを探してる。


「えーと、確かここ当たりに………………あっ、ありました」


 ポチっと受付嬢が壁の景色に隠されているボタンを見つけ、それを押した。

 そうすると、突き当たりの壁が横へスライドし扉が現れたでないか!まるで、魔法使いや錬金術師が己れの研究資料を隠すための隠し部屋みたいだ。


 コンコン

「会長、ランファン様をお連れ致しました」

『入れ』

「失礼致します」


 受付嬢が扉を開け部屋の中へ入った。ランファンも続けて入ると、豪華絢爛なテーブルと椅子に座る豚が――――――いや、間違えた。

 豚人族オークが――――――いや、良く観察すると、人間だ。豚や豚人族オークに見間違えてしまう程に腹が出てる人間だ。


「そこの見目麗しい猫人族ケットシーのお嬢さんが、あの《招き猫》ランファン様なのか?!」

「そういうお前が、ブローレ商会現会長ブラン・ブローレかにゃ?」


 質問を質問で返すランファン。

 こんな奴がカズトに刺客を送り込んだと考えるだけで、はらわたが煮えくり返ってしょうがない。

 だが、自分の怒りよりもカズトからの頼みの方が大事だ。憤怒を限りなく抑え込み、どうにかポーカーフェイスを努める。

 ランファンの肩に乗ってるはずのスゥの【分身体】は、いつの間にかいなくなっていた。ブローレ商会本店に入るまでは確かに居た。

 スゥはカズトの仲間だ。バレずに上手くやる事だろう。

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