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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS1-27、帝国の三勇者~リンカ、相手に合わせる~

 クラインが今かと今かとテーブルに肘を付き、リンカとジャックの模擬戦を待っている。

 その瞳から止める事は許さんと瞳の奥底から語っている。マジでこの人がギルドマスターなのかと疑いたくなる程に内面が子供ぽい。


 パリポリゴクゴク

「早く始めんか」


 テーブルと椅子と同様、お煎餅とお茶を何処からか取り出し、テレビの前で拝見してる風に飲み食いし始めた。


「なんかすみませんね。ウチのギルドマスターが」

「リンカのところにも似たようなヤツがいるから平気なの」


 チラッとメグミをチラ見した。


「おいっ!何でこっち見るんだ」

「意識過剰なの。別に見てないのよ」


『『ウソだ』』と声に出さないが、ココアとジャックは心の奥底からリンカに向けて言い放ちそうになる。


「さてと、始めるか。ルールはどうする?」

「うーん、オジサンが決めてなの」

「オジサン………………まぁ良い。じゃぁ、相手が参ったと言うか戦闘不能になったら勝ちだ。武器はアリ、死んでもギルドマスターの結界で無かった事になるから致命傷になる攻撃もアリだ」

「それで良いよ?」

「それでは、ワタシが審判をしましょう。このコインが地面に落ちたら開始です」


 ココアがピーンと親指で金貨を上空へ弾く。

 クルクルと回りながら落ちてくる金貨は、数秒しない内に地面をカキィーンと打ち鳴らし戦いのゴングが今鳴った。


「おっ、相手の方やるな」

「えぇ、流石はAランク冒険者ハンターと言ったところでしょうか。今のところリンカのスピードについて行ってます」


 金貨が地面に落下した途端、二人の姿は土煙だけ残し消えた。その数秒後、開始位置より数m上空でインファイトを繰り返しいた。

 お互いにパンチやキックを繰り返しに放っている。だが、攻撃は最大の防御という言葉があるようにお互いのパンチやキックに阻まれ届いていない。

 その攻防は、ほんの数秒の出来事。常人では何が起こってるのか理解出来ないし、そもそも目で追えない。


「ほぉ、あのジャック相手に余裕で着いていく様は、やはり噂じゃなかったか。しかも汗一つ掻いておらん。SSランクは伊達ではないな」

「そうだろそうだろ。ウチのリンカはスゴいだろ」

「なんで、メグミが威張るのですか!普段からリンカにケンカを売ってるあなたが。それにリンカはメグミの物ではないですよ」

「あぁん、やるのか?この野郎」


 メグミがココアに対してギロッと睨み付けるが、ココアはそれを気にせずリンカとジャックの模擬戦を観戦してる。


「やはり手加減していたか。やっぱり自分で確かめないとな」

「あのオッサンは弱かったのです。小さな虫に本気で殺すバカがいるのですか?」

「くっわははははは、あれでもCランク冒険者ハンターなんだがな。SSランクから見たら雑魚ってことか」

「そんな事ないのですよ?でもでも、あのオッサンよりもオジサンの方が楽しめそうなのです」


 リンカがニッコリと笑顔を振り撒くが、ジャックにとっては死神に見える。

 だけど、意外と不思議に楽しく感じるのは何故だろうか?今まで強敵と思える魔物モンスター冒険者ハンター・傭兵等の人間らと戦って来た積もりだが、リンカに感じる感情はなかった。

 いや、今まで戦って来た相手は、実は本当の意味での強敵ではなかった。勝手に俺自身が強敵だと勘違いしていただけだとしたら?

 今日、リンカと出会い、本当の意味での強敵が目の前にいる。その強敵リンカと戦える事がこんなにもワクワクと心底狂喜染みてくる。


「くっふふふふ、そうか。そう言って貰え光栄だ。なら、存分に楽しもう」

「うん、良いよ。手加減するの疲れたのです」


 なら、本気を出させてあげよう。そうでなければ死んでも死にきれない。でも、ここでは致命傷を受けても無かった事になるから安心だ。

 それにウル戦の時もそうだが、リンカはまだ技術スキルを一度も使ってない。


「そんな嘗めた態度を取らせなくしてやる。はぁぁぁぁぁ【空弾エアショット】」


 リンカの方角に向かって何もない空中に正拳突きを何回も始めた。

 そうすると不思議な事に空間が歪み透明な何かがリンカに向かって行く様が遠くからでも確認出来る。


「あれは風属性の拳系技術(スキル)空弾エアショット】だね。大気を叩く胆力と速度を要求する高等技術(スキル)のはずだね。それもあんなに連続使用とはジャックは結構やるね」

「あれを全部回避・受け流す事は普通は無理ですね。えぇ普通なら」


 だけど、リンカは普通じゃない。むしろ、無傷で凌げなければSSランクにはなっていない。


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