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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS7-17、女婬夢族ジブリールの居場所~夜の森盗賊団頭:ミスティーナ~

 リーダー格の黒森精族ダークエルフの女が漆黒土精族ダークドワーフに指示を出し部屋から追い出すタイミングで、《正義》とジブリールが部屋の扉横に座り込み様子を伺おうとしてるところであった。


漆黒土精族ダークドワーフだな。お前は、あいつらを追って殺せ』

『了解よ。行ってくるわ』


 どういう訳か分からないが、漆黒土精族ダークドワーフが出て行ったお陰で人数が半分程まで減ってくれた。

 男相手ならジブリールが下手を打つ事もなかろう。干からびた漆黒土精族ダークドワーフの山が出来ている様子が容易に想像出来る。

 それよりも、俺は部屋にいるリーダー格である黒森精族ダークエルフを殺す事に専念しようじゃないか。


(リーダーを入れると、黒森精族ダークエルフは全員で5人。いける)


 無造作に開いてる扉から音を立てずに忍び込めた。まだ、こちらには気付いてない様子。

 《正義》がいける!と剣を突き刺すように振り上げ、リーダー格の黒森精族ダークエルフへ一気に振り下げようとした瞬間、《正義》が剣を突き刺す事を予知したかのように意外な行動に出た。


「ねぇ、ちょっとワタシの前に立ってくれない?」

「姐様、ここですか?」

「そこで良いわよ。お前達は、なんて可愛いんだろうね?」


 黒森精族ダークエルフのメイドの一人がなんというタイミングで《正義》の前へ立ってしまった。

 もう剣の振り下ろす手が止まらない。そのまま、グサッとメイドの背中から剣が心臓一刺しで突き刺さった。

 メイドの血が見えないはずの剣に伝い落ちる。そのせいで剣の輪郭がハッキリと見えてしまっている。

 突き刺さったメイドは、心臓を貫かれたからか絶命しており数秒後に倒れ込んだ。突き刺した剣は抜けずに、そのまま手放した。

 時間があれば、剣を抜いたと思うが先程まで《正義》がいた場所には、リーダー格の黒森精族ダークエルフが抜いた細剣レイピアがあった。

 もう少し後退するのが遅れたら首に細剣レイピアが突き刺さっていた。


「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」


 何が起きたのか理解するのに数秒掛かったメイド達の悲鳴が部屋全体に響き渡る。


「そこにいるのは分かってるわ。さぁ姿を現しなさい」


 無言を通すか、隠蔽を解き姿を現すか、それともこのまま去るかの選択の内、3つ目は論外だ。クエスト失敗になってしまう。


「どうしてバレた?完璧に隠蔽出来たと思うのだが?」


 そこで2つ目を選んだ。どうせバレてるのだし、隠蔽を続けても無意味になる。

 でも、どうしてバレたのか気になるところ。完璧に姿は見えず、気配や音も暗殺者顔負けの消し方、どれを取ってもバレる要素が微塵もない。


「ふん、知れたことよ。いくら姿や気配を消せても、そこに何かある限りワタシは見逃さないわ」


 黒森精族ダークエルフと殺り合った事は何度かあるが、奇襲が成功した事は皆無である。

 それだけ気配というよりも、そこに何かがあれば気付くレベルだ。奇襲や暗殺なんか成功するはずがない。


「この達は、まだ黒森精族ダークエルフとして未熟だからアナタに気が付かなかったけど、ワタシはそういかないわ」


 俺に殺された同類の敵と言わんばかりに俺へ細剣レイピアを差し出す。

 だけど、《正義》は違和感を感じて仕方がない。リーダー格の黒森精族ダークエルフからは、言葉とは裏腹に殺気が一切混もってない。


「お前達は、ここにいなさい」


 ガクガク

「で、ですが」

「そんなに怖がれては逆に足手まといだわ」

「わ、分かりました」


 メイド達に、ニコッと微笑むと俺に向き直った。リーダー格の黒森精族ダークエルフが指のサインで、俺にこの部屋から出るようにと指示を出した。

 特に従う義理はないが後ろのメイド達は、この部屋にいるだろうから従う事にする。


「ここで良いわよね。中で戦うと壊れかねないし」

「あぁ、俺は何処でも構わないが、一つ質問良いか?」


 違和感の正体を明らかにするために《正義》は、リーダー格の黒森精族ダークエルフに質問する。


「良いわよ」

「さっきから殺気が全然ないが、本当に戦う気あるのか?」


 そう、メイドが一人が俺に殺された後の細剣レイピアによる一突きの時も殺気が全然なく、回避が遅れるところであった。


「ねぇ、アナタSSランク冒険者のカズヤよね?」


俺の事を知ってるのか?


「人違いでないか?」

「キャハハハハ、そんな訳ないじゃない。流石にSSランクを間違うはずないって」


《正義》も男だから普通に美女に名前を知られていれば嬉しい。嬉しいが、それは相手が敵じゃない時に限ってだ。

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