SS7-16、女婬夢族ジブリールの居場所~夜の森盗賊団~
無事に二階へ上がる事が出来た。ジブリールの探知によると黒森精族の頭は、一番奥の部屋にいるらしい。
どうやら酒宴をしており、誰も部屋の外へは出ない様子だ。酔っ払ってるなら都合が良い。
今の内に寝首を掻けば、それでクエスト完了になる。だけど、長年討伐出来ずにSランククエストになったのだ。いくらドブクエストと呼ばれていても油断出来ない。
『《正義》よ、早速行くのよ』
『いや、待て。ここは慎重に行くべきだ』
こちらは、SランクとAランクで一国をも滅ぼせる戦力に等しい。ただし、《正義》とジブリールで二人だ。人数の暴力には、どうしも抗えない時がある。
だけど、それを可能にするのがSランクであり、魔神教会の最高戦力と言っても過言でもない。
『なぁ、この廃城を壊した方が早くないか?』
『討伐証明が必要になる。瓦礫から引き摺り出すのは、案外苦労するぞ。それに全員揃ってないしな』
盗賊の討伐クエストは、魔物討伐と同じで討伐証明に必要な部位が必要である。
討伐の場合は、盗賊本人の生首か生け捕りでギルドに引き渡すかのどちらかだ。魔物と違って、生け捕りでもクエスト完了になる。
ただし、生け捕りの方が難しい。移動にも手間が掛かるし、殆んどの場合は殺す選択を取る。
だがまぁ、生け捕りで引き渡す時にクエストの報酬とは別に犯罪奴隷を売ったと見なされ、その分が加算される。
ただし、犯罪奴隷は安く二束三文の金額しかならず、馬車や監視の手間から結局殺す選択が取られる事の方が多い。
むしろ、盗賊が身に付けていた装備品を懐に仕舞い、後日売ってしまった方が金になる。
そこは盗賊を討伐した者の特権といえる。
『全員、部屋にいるか?』
『はい、います。動く気配もしません』
『よし、いくぞ』
ジブリールは羽根を生やし宙に浮いた。《正義》は摺り足忍び足で音を立てずに奥の部屋へ進む。
部屋の扉前までたどり着き、一旦息を整える。いくら隠密系の技術で気配を消してるとはいえ、扉を開け飛び込んだらバレてしまう。
そのため扉を開けたら、一気に勝負をつけるためにジブリールと《正義》は、お互いにアイコンタクトで扉を開ける合図を送った。
☆★☆★☆★
「ねぇ、誰か外を見て来てくれないかしら?」
一人ベッドに横たわってる黒い下着姿の黒森精族の女が、トランプゲームをやってる漆黒土精族の男五人に命令を出す。
「あぁん?見張りなら人間のクズどもがいるだろう?」
トランプに夢中のようで適当に返事をし、漆黒土精族の男どもは行く気が、全くない。
「どうやら、殺られたようだね。どう殺ったかは知らないが、この近くまで侵入者が来ているよ。分かったら、さっさと行きな」
森精族と黒森精族は、種族は違えど元々は一つの種族であった。森で産まれ森で生きる種族なだけあって生命には敏感だ。所謂、種族特性といえよう。
この廃城位の広さ程度なら息をするみたいに生命の有無を感知出来る。もしも誰かが死ねば、何処で何時殺されたのか、それとも病気やケガが原因で亡くなったのか丸和かりだ。その逆も然別。
「姐様、私達が行きましょうか?」
「可愛いお前達は、ここにいな」
下着姿をしている黒森精族以外の黒森精族4人は、メイド服を着用しており、ミニスカートからは黒い美脚が顔を覗かせている。
これを着せたヤツは分かってるのだろうか?ハイソックスとミニスカートの間をちゃんと適度な距離を開けてある。つまりは、絶対領域というやつだ。
その絶対領域を下着姿の黒森精族は、女同士なのに遠慮なく触る。
メイド服の黒森精族も満更でもない様子で頬を赤らめながらも、なされるままにされている。というよりも、満更でもなさそうだ。
「ちっ……………行けば良いんだろが。その代わりに戻ってきたら━━━」
「分かってるわよ。好きな子と抱かせてあげる。もちろん、ワタシでも良いわよ」
「分かってるじゃないか。お前ら、行くぞ」
漆黒土精族の男どもは卑しい笑みを浮かべながら、部屋を出て行く。
「全く、漆黒土精族は、クズばかりね。あなた達も、そう思わない?」
漆黒土精族全員が部屋から出たところを見計らって、メイドの絶対領域と化してる太腿を撫でながら、そう訪ねる。
「姐様、私達もそう思います。男どもは、どいつもこいつもクズばかりです」
「うふふふふっ、そうね」
漆黒土精族達が戻って来るまで、メイド達とイチャイチャしようとベッドへ座らせた。




