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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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102食目、豆腐作り

仕事都合上、遅れてすみません。

なるべく更新出来るよう努めますので、次の話をお楽しみに待っててくださいませ。

 調理場に片隅に空いてるスペースに一見調理器具には見えない道具をアイテムボックスから取り出し設置する。その様相は、まるで料理というより魔女が怪しい薬を調合する風に見えてしまう。


「り、"料理の勇者"殿これは一体?」


 カズトが設置したのは、石臼・人が十数人入れる程の木桶・通常の5倍程ある釜である。他にも細かい道具はあるが、後々使用する時に出そうと思ってる。


「これはこれから作る料理の要となる道具だ。因みに、こんな形の豆ってあるか?出来るだけ、大量に欲しい」


 サンプルに数粒程、料理長ボーロに渡した。


「これは大豆ビルビーですな。えぇ、好きなだけご用意致しましょう。おい、倉庫にある大豆ビルビーをあるだけ持って来い」


 料理長ボーロが部下に命令し、大豆を持って来させる。

 カズトは、この世界の大豆は使用した事ないが、日本での大豆よりも栄養素や味にコクが段違いに高いと聞いた事があるのだ。

 それならば、【異世界通販ショッピング】で買うよりも良さげだという思い半分と未知の味の期待度が半分でワクワク感とドキドキ感が行ったり来たりしてる。


「ご用意出来ました物から、この桶に入れて下さい。そこに綺麗な水を入れ大豆を浸します。大豆に水を吸わせます」

「綺麗な水ならば、青魔術師様の中でシール様がよろしいでしょう。シール様はマーリン随一の水魔法の使い手であります。おい、今直ぐにシール様を呼んで来い」


 魔法大国マーリンでは、最も得意魔法によって魔術師を別けてる。水なら青、炎なら赤、風なら緑という風にだ。

 料理長ボーロが呼んだシールという人物は青魔術師の部隊:ブルー隊を束ねる隊長がシールなのだ。


「珍しいですね。料理長のあなたが私を呼ぶなんて」

「態々こんな所まで足を運んで下さりありがとうございます。シール様」


 ペコペコと頭を下げる料理長ボーロ。

 調理場に入って来たのは、青に統一したマーリンの装束を身に纏ってる二十代前半位だろうか若い女性だ。髪は肩甲骨当たりまで伸び青空か海を思わせるような澄んだ青色だ。それに瞳まで青色で、ずっと見詰めてると吸い込まれそうな感覚を覚える。

 それに露出がかなり多目で目のやり場に困る。何でこう、魔法大国マーリンの女性達は羞恥心って言うものがないのか!


「こちらの方がシール様にご用事がありまして、お力を貸して下さいませんか?こちらの方は"料理の勇者"…………"剣の勇者"殿であります」

「ご紹介授かりました。"剣の勇者"であります、カズトです。よろしくお願いします、シール様」

「シールで結構よ。他の勇者に会えるなんて光栄よ。それで"剣の勇者"様が私に何の用事なのかしら?」


 カズトは大量の大豆ビルビーを入れてる木桶を指した。


「あそこに満たすだけの綺麗な水を出して欲しいのです。不純物がない綺麗な水を。ボーロに聞いたら、シールが一番適してると仰るものですから」

「ふ~ん、まぁ良いわ。ただし条件が2つあるわ。1つ目は私にも"剣の勇者"様がお作りになられた料理をご相伴してくれないかしら?」

「あぁ、それくらいなら構わない。どのみち大量に作る予定だからな。2つ目は何だ?」


 今から俺が作ろうとする物は大量に作ってなんぼだ。少量しか作らないと逆に予算と時間が掛かる場合がある。

 一人や二人が増えても無問題だ。むしろ、百人単位で増えても大丈夫かもしれない。まぁ俺は手作りでコレを作るのは初めてだ。日本では現在機械での大量生産で味が薄く感じてしょうがなかった。こちらでは、一から手作りになるとレストラン経営してると中々出来ない。

 この際、料理長ボーロにコレの作製を手解きして後に料理のアイディアを提供した対価としてウチの店に定期的に卸して貰うつもりだ。もちろん、お金は払う。


「レストラン〝カズト〟に行くための魔道具を私にくださいな。それで手を打ちましょう」

「…………!!」


 遠方や身分・立場の関係上おいそれと来れない常連客に渡してる御守り型の魔道具がある。それがあると店の扉と御守りを所持してる者がいる場所にある扉を繋げる一種の転移ワープが出来る。

 その事を知るには、レストラン〝カズト〟に通い詰め常連客にならなきゃならない。シールが知る由がないのだ。


「何処でその事を?」

「結構噂になってるわよ?知ってる人なら知ってるって感じ?噂によれば、直接貰った者しか発動しないって聞いたわ」


 まぁ隠してる事ではないし、直接渡した時に本人認証の登録を施す魔法が自動的に掛かるよう魔法術式に組み込まれている。この魔法は発動しても作った本人ですら気づかない。


「…………分かりました。特別にお渡しします。ただし、今回の会議が無事に終わったらの報酬としてね。だから、これ以外にも頼む事があるかもしれません」

「くっ、仕方ないわね。背に腹は変えられないもの。会議の期間中、何かあれば相談にくれば良いわ。全面的に手伝うわよ」

「はい、ありがとうございます。では、あの桶を水で満たしてくれれば」


 シールはため息を吐きながら、水魔法の呪文を口ずさみ空中に魔法陣を描き桶いっぱいの大量の綺麗な水を張るのであった。


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