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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS1-17、帝国の三勇者~ゴンに自らの正体を明かす~

「ゴンさんがお聞きになるのはごもっともですわね。ゴンさんは、帝国ブレインズは知ってますか?」

「もちろん知っておる。そもそも帝国の名を知らない者は、産まれたばかりの赤ん坊くらいだろうな。良い意味でも悪い意味でも有名過ぎる」


 国により認められた商人や冒険者くらいしか自由に出入り出来ない、ほぼ鎖国状態の帝国ブレインズは名前だけなら誰だって知っている。

 良い意味では、魔道具の開発・発明が随一で、ここで作られた魔道具は高値で取引される。

 それに帝国ブレインズ唯一無二の力がある。それは、科学だ。魔道具と平行して科学も国内で発展している。魔道具を作る最中、科学兵器を国内で生産している。ただし、科学兵器は機密事項として国外に持ち込み不可としている。

 悪い意味で有名なのは、科学兵器で武装した科学隊により何ヵ国か滅亡している事だ。そうやって吸収し大きくなってきた。

 今現在は、戦争を仕掛ける事はないが危険なのは変わりない。なので、監視の意味を込めて強制的に世界会議メープルの参加国として登録されている。

 だが、今まで参加した事は指の数より少なく今では幽霊部員化となっている。


「まさか!お嬢さん達、帝国ブレインズから来たのか?」

「そうよ、私達………………帝国の三勇者なんです」

「なんじゃと!」


 帝国ブレインズの名と同様、帝国の花形といえる冒険者兼勇者のリンカ・ココア・メグミの三人組だが、これも名前だけが有名過ぎて帝国ブレインズの住民以外だと誰もその姿を見た事はいない。

 王国グフィーラの元勇者パーティーのゴンが驚くのも無理はない。だって、一回は会ってみたいと思ってた人物が目の前にいるのだから。


「お、お嬢ちゃん達が………………帝国の三勇者じゃと!」

「信じられないなら、リンカのギルドカード見る?」


 この世界にステータスを知る方法は四つ存在する。

 一つ目は、【開示オープン】を使い自ら見る方法。これは大抵の冒険者なら使える。ただし、自分自身にしか見られない。

 二つ目は、【鑑定】を使う方法。これは相手のステータスも見られるがレベルに左右される。

 三つ目は、とある魔道具を使う方法。この魔道具が希少過ぎて殆んど使用される事はない。なので、ここでは説明を割愛する事にする。

 四つ目は、リンカが提案したようにギルドカードで確認する事だ。冒険者と商人どちらのギルドカードでも確認出来る。

 一番手っ取り早いのが四つ目だ。身分証明にもなり、過去の犯罪歴やクエスト成功率等々様々な事が記されている。


「おぉ、本当に帝国の三勇者とはのぉ。もっとゴツいのを想像してたわい」

「それは無理もありませんね。名前だけが各国に伝わり、容姿や年齢、男女なのかまでも帝国によって秘匿されてましたから」

「成る程な。勇者ならお嬢ちゃん達の強さは理解出来たわい。だが、何故カズトを知ってるのか?そこはどうなんだ?」


 ギラリと鋭い視線でゴンは三人を睨む。

 元勇者パーティーであるゴンは、カズトの事になると殺気染みた雰囲気に早変わりする。

 いくら会いたいと思っていた相手でも仲間カズトの敵なら容赦はしない。倒す事は出来なくても、一矢報いる覚悟だ。


「実は、このリンカはカズトさんの妹なんです」

「………………ジーっ」


 リンカがカズトの実妹という事実にゴンは、驚きの余りリンカを頭から足下まで舐め回すように見詰めた。

 カズトの妹と言われれば、何処かカズトに雰囲気が似てる気がする。目元や口元等細かいパーツもカズトにそっくりだ。


「オジさんオジさん、エッチ?」


 リンカがわざとらしく胸元を両腕で隠すように胸の前で腕を組んだ。ココアとメグミもそれに便乗し、ゴンから引くように壁へ後退する。


「俺はエロくない。すまなかった。つい、良く見ればカズトとそっくりだと思い、じっくりと」

「エロい視線を送っちゃった?」

「違う!そこの二人もそこまで下がらなくても、オジちゃん泣いちゃうぞ」


 筋骨粒々な男の泣き顔なんて誰得な感じだ。ゴンの泣き顔に益々二人はドン引きで角隅まで後退してる。


「このリンカというお嬢ちゃんが、カズトの妹なのは理解したからそんなに下がるな!」

「まぁゴンさんをからかうのは、このくらいにして」

「やはり俺をからかっていたのかい!」

「あっははははは、このオッサン想像以上におもしれぇ」

「メグミ、五月蝿いので静かにしてくださいね。話が進みませんから」

「おめぇだって、ノリノリでからかっていたじゃ……………バタンキュー」


 メグミが最後まで言い終わる前にベッドに倒れ込んだ。気絶してるようで目を回してる。


「おっほほほほほ、一体何があったんでしょうね」

「流石は、ココアの速業……………ボソッ」


 ボソッとリンカが呟いた。一般人なら聞き逃してしまう程の小さな声だが、ゴンにはハッキリと聞こえていた。



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