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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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SS1-15、帝国の三勇者~鉱石の洞窟ガリウム到着~

 太陽が、ちょうど水平線に隠れ始める時間帯に、リンカ・メグミ・ココアの三人は鉱石の洞窟ガリウムへと到着した。

 向かう途中でメグミが起き、予定していた時間よりも早く到着出来た。鉱石の洞窟ガリウムは、名前の通りに大きな洞窟内に出来た国であり、土精族ドワーフが中心として築き上げた鍛冶士を主な産業にしてる国である。

 武器や防具の聖地として冒険者や宝剣を求めて大貴族が挙って買いに来る。有名な土精族ドワーフの職人が作製したものになると、武器や防具に銘が彫られ高値で取引される事も屡々ある。

 一種の箔というものだ。


 冒険者は、ランクを上げるのと同時に箔を得たいため、銘入りの武器や防具を手に入れるのに危険なクエストを受ける傾向がある。危険性がある程、報酬金が高いからだ。

 その傾向のせいか、一番命を落とし易いのがBランクからだと言われている。Bランクから危険具合がグーンと増していき、自分の実力に見合わないクエストに挑む者が多い。

 リンカ・ココア・メグミの三人は全員Aランク以上である。リンカとメグミがSランク、ココアがAランクとなっている。


「ここがガリウムか?」

「えぇ、間違いありません。この門に描かれてる龍の紋様、ガリウム王家の紋様です」

「スゴい、大きいです」


 到着したと言っても、まだ国の中には入れていない。鉱石の洞窟ガリウムに入るための身分確認を八つ頭がある龍が描かれてる門の出入り口で近衛兵によって行われている。

 リンカ・ココア・メグミの三人は、その身分確認をする列に並んでる最中だ。列の後方からでも門の大きさが分かる。およそビル十数階分はあろう高さだ。

 そんな光景に息を飲むしかない。日本でも、まずお目に掛かれない絶景というものだ。


「何か身分を証明するものはお持ちか?」

「どうやら俺達の番のようだぜ」

「これで宜しいでしょうか?」

「早く入りたいのです」


 三人分の冒険者ギルドカードを近衛兵に手渡した。一枚一枚確認してる近衛兵の顔色がだんだんと青くなってる気がする。


「し、失礼致しました。勇者とは露知らず、お許しを」

「別に怒ってる訳ではないので」

「早く入れてくれればな」

「ですです、お腹空いたのです」

「失礼しました。こちらからお入りになられます」

「後、これ。ここに来るまでに盗賊に襲われまして、盗賊の頭みたいです」

「はっ、こちらにて受け取っておきます。報酬に関しては後日、冒険者ギルドに預けておきますのでお受け取りお願いします」


 八頭の龍が描かれてる巨大門が直接開く訳ではなく、その巨大門の脇に、およそ高さ2m程の扉が設けられている。そこから出入りするそうだ。

 中に入ると鉱石の洞窟の名の通りに壁全体が、断崖絶壁みたく空を覆うように国全体を覆っている。

 太陽の光は遮断されてるが、予想以上に中は明るい。これは洞窟の天井付近に外の太陽光を取り込み、中を照らす特殊な鉱石が含まれてるらしい。

 その影響で中が洞窟なのに明るくなっている。外が夜になれば、中も暗くなる仕組みだ。


「さてと宿屋は、何処かにあるか?」

「あれなんかどうでしょう?」

「腹減ったから、何処でも良いのです」


 ココアが指したのは、土竜の洞穴亭という看板を掲げた食堂らしき建物だ。二階建てらしく、おそらく宿屋兼業なのだろう。

 中から何か美味しそうな匂いが、こちらまで漂って来る。その匂いにリンカは我慢の限界のようで、フラフラと二人を置いてきぼりにし土竜の洞穴亭に入って行った。


 チリーンチリーン

「土竜の洞穴亭へいらっしゃいませ。お食事にしますか?それとも宿泊に致しますか?」

「両方だけど、先ずはご飯です」


 バンっ

「ハァハァ、ちょっと待てコラ!俺達を置いてくな」

「リンカは、相変わらず食事の事になると早いですね」

「取り敢えず三人で席空いてる?」

「は、はい!こちらへどうぞ」


 土竜の洞穴亭の従業員も土精族ドワーフで、何も知らなかったら土精族ドワーフの女性は5歳~6歳に見える。

 リンカは、つい頭を撫でたくなる衝動を我慢し席に着いた。ココアとメグミも席に着いた。

 メニューを見ると、〝岩魚ロックフィッシュの煮物〟〝焼き岩魚ロックフィッシュ〟〝岩魚ロックフィッシュの干物〟等々ここの名物は岩魚ロックフィッシュらしい。


「俺はそうだなぁ。岩魚ロックフィッシュの照焼き定食で」

「ワタシは、岩魚ロックフィッシュの刺し身定食にします」

「リンカは、岩魚ロックフィッシュの干物定食です」

「後は、エールでも頼むか」

「ワタシも頼みます」

「ですです、ココアも」

「「ココアは、まだダメ」」

「ぷんすか、これでもココアは20歳過ぎてるんですけど」

「「そうだっけ」」

「ぷんすか、二人ともヒドイです」


 怒る素振りをするリンカを見て、ココアとメグミの二人は笑いながら岩魚ロックフィッシュ料理を堪能している。

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