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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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98食目、本の勇者と再会

「まさか!須藤………凛か?!お前まで、こちらの世界に来てたのか?!」

 ルリ姉の容姿は、そのまんまだったから直ぐに分かったものの、コイツの場合は話し方は兎も角、容姿は別人である。

 須藤凛は簡単に言えば、幼馴染みだ。幼稚園から高校まで一緒で12年間クラスまでも一緒だったというミラクルな記録がある。

 従姉のルリ姉とも面識があり、中学までは三人………いや、俺の妹を含め四人で遊んでいた。


「瑠璃が来ていて、僕が来ない事はないだろう。少し時間は掛かったが、こうして君と出会えたんだ。結果往来さ」

 一々髪をサラッと流す仕草がウザく感じてしょうがない。日本にいた頃はそういう仕草はやっていなかったと記憶してるが、残念爽やかイケメンに転生して多少変わったか?


「ルリ姉は、変わってなくて直ぐに分かったけど━━━」

「カズちゃん嬉しい。これも愛が成せるワザねぇ」

 瑠璃がカズトにギュッと抱き付き頬ずりしてる。態とだろうが、豊満な胸が当たって………しかも露出の高いマーリンの衣装を着用してるせいか目のやり場に困る。

 瑠璃は抵抗したが直ぐ様、レイラが瑠璃を引き離し話を再開する。


「お前はずいぶんと変わったな。なんだ、そのぉ………爽やかイケメン………な姿は………ぷっくくくく」

「笑わなくても良いじゃないか。転生する時、地球にいた頃と同じ容姿になれる方が確率的に低いんだ。つまり、カズトや瑠璃の方が少数派なんだ」

 えっ!そうなのか!つまり、簡単な宝くじに当たったようなもんか。それはラッキーな事だ。凛みたいな残念爽やかイケメンになりたくなかったからな。


「そういえば、お前も勇者なのか?」

「良くぞ、聞いてくれました。そうこれが僕の聖武器………聖書:ブリーズ・アメンだ。つまり、僕は本の勇者って訳だ」

 凛は右手に一冊の本を出現させ見せてくれた。聖武器らしく表紙は豪華な装飾で飾られ、見た目だけで値段がつけられない程に売ったら高そうだ。


「カズトは剣の勇者なのだそうたね。同じ勇者の誼で僕の研究会に来てみないかい。可能であれば、この国にいる間で良いからさ。研究の手伝いをしてくれないかい」

「研究の手伝いだと?確か"勇者研究会"だったな。手伝いって何をすれば良いんだ?」


 知らない仲ではないからな、出来るだけ手伝おうと思ってる。それに日本から転生された数少ない知り合いだ。それに一つや二つ借りを作るのも悪くない。

 それと興味があるのもある。コイツは中学と高校では、科学研究部の部長を勤めていた。それが切っ掛けなのか何処かの研究所に研究者として勤めていた経歴を持つ。

 そんなヤツが進めてる研究に興味を持つのは自然な事だとカズトは思ってる。


「簡単な事ですよ。カズトの聖剣を見せてもらったり、僕と模擬戦をしてもらえば十分です。

 その見返りとして、僕が知ってる情報を教えましょう。知りたいんじゃありませんか?他の勇者がどんな方達なのかを。そして、勇者が何なのかを教えて差し上げましょう」


 確かに勇者について俺は自分自身が勇者なのに知らない事が多すぎるかもしれない。

 それに凛の口振りからすると、他の勇者が誰なのか知ってるかのようだ。瑠璃に加え凛まで、こちらに転生され勇者となってるのだ。

 他に知り合いが転生して勇者となってる可能性が十分にありえる。昔呼んだラノベのようにクラスメイトが全員とは、流石にないと思うが…………。


「では、先に報酬支払いしますか。ここではなんだんから、僕の研究所へ案内しようかな」

 ビリっと自分の聖書:ブリーズ・アメンの1ページを破り空中へ放り投げた。聖武器を自ら傷つけるなんてと信じられない面持ちでポカーンと口をあんぐりと開けて本人と瑠璃以外は固まっている。

 破り捨てたページは数秒間、空中を漂った後に信じられない動きをした。折り目や切り口など最初から存在しなかった風にビシッと真っ直ぐに広がり新品同様な紙になっており、独りでにフヨフヨと浮かんでいる。

 そして、元々の大きさの数倍へと拡大され、そこには大きな扉が描かれてある。


「さぁ、入ろうか?ここが僕の研究所の入り口さ。僕が許可しない限り入れないし、見つからない場所さ」

 凛が指をパッチンと鳴らすと紙に描かれてる扉がガチャンとノブが回り独りでに開いた。瑠璃と凛は慣れた様子でスタスタと紙の扉へと入って行く。

 カズトはゴクンとノドを鳴らし、レイラと見詰めコクンと頷き合い恐る恐る紙の扉へと足を踏み入れるのである。


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