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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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94食目、カズトVS杖の勇者

「ここは………何処かの世界へと転移したのか?」

 見える限り建物はなく、近くに人々が住む国や村は見当たらない。周囲は見る限り原っぱで………それにしても空気が上手い。地球では、こんなに空気が上手い箇所を探すのは難しい位だ。

 ついつい、背伸びして寝転びたくなる。


「ここは私が創造した世界です。そう、私の世界と言うべきでしょう」

 あの部屋にいた四人全員が来たようだ。それにしても、世界の創造とか…………もう、神のレベルではないか!個人が持って良いレベルを遥かに越えてる。


「この世界を維持しながら戦えるのか?」

 一般の冒険者や魔法使いなら、この技術スキルを発動しただけで2~3週間程は寝込む事だろう。

 だけど、瑠璃は勇者でしかも"杖"のだ。こういう類いの技術スキルを使用するに至っては勇者の中でも一位か二位の使い手だ。

 カズトでも似たような技術スキルを持つが、アレはまた別のタイプに属するため比べようがない。使う事があれば、また説明しようと思う。


無問題モンマンタイです。ニーニエとレイラちゃんは、そこで見ててね。お姉さん、頑張っちゃうから」

「はい、頑張ってください。姉様」

「どっちも頑張ってくださいませ」

 レイラとニーニエは、何処から出したのか白い丸テーブルに座ってお茶を楽しんで手を振ってる。


「もう、どうなっても知らないからな」

「おっ!やる気になってお姉ちゃん嬉しいよ」


 カズトは聖剣エクスカリバーを構える。

 もう戦ってお互いの力量を計るしかない。お互いが納得しないと、この先には進めないだろう。いくら話し合いしても平行線のままだ。


「では、私からね。光の聖杖:光玉【殲滅光フォトンレーザー】」

 光玉の先端にある水晶ぽい宝玉から真っ直ぐに目映い光線が迫って来てる。速度にして一万km/s、光としては遅いが人間が避けれる速度ではない。

 だけど、それは普通の人間の場合だ。カズトは勇者で軽々しく光線を目の端に捉え反応する。


「次はこっちの番だ。水の聖剣:ウンディーネ………カウンター技【水月】」

 瑠璃の【殲滅光フォトンレーザー】に合わせ【水月】となる技を放つ。

殲滅光フォトンレーザー】は水の聖剣:ウィンディーネの刃内を駆け巡り瑠璃の方向へと跳ね返る。それも倍のスピードとパワーになって瑠璃に迫り来る。


「光の聖杖:光玉【絶対防光壁リフレクター】」

 カズトが跳ね返した【殲滅光フォトンレーザー】が光のドーム型防壁に吸収されていく。


「やはり杖と言ったら長距離になるわな。なら、接近戦に持ち込めば、こちらの勝ちだ。水の聖剣:ウンディーネ【水無月の舞】はあぁぁぁぁぁ」

 カズトが六人に増え、狙い撃ちされないようバラバラの方向から瑠璃に駆けていく。


「甘いわね、増えた事には驚いたわよ。だけどね、ただそれだけだわ。風の聖杖:ウィング【風玉ウィンボール】、複数いる時は全部狙えば良いだけだもんね」


 カズトと同じ数の風の玉らしき物体がカズトに向かって行く。避けようとするものの追尾式な技のようで、それぞれのカズトへと接近する。


「甘いのは………どちらかな?」

 瑠璃の宣言通りに五人のカズトに当たりはした。ただ一人だけは………オリジナルのカズトだけはスパッと半分に切断し無傷だ。

 残りのカズトは水となり、周辺に飛び散った。これがカズトの罠であった。


「水の聖剣:ウンディーネ【水無月・弐ノ段:氷花月】」

 元々カズトの分身だった水は、もちろん瑠璃に飛び散ってベットリと濡れている。

 その水が徐々に氷始め体全体を覆って行く。氷始めた箇所から氷の花が咲き最終的には瑠璃サイズの氷のツリーが出来上がる。


「ふぅ、これで………終わりか?」

 多少の油断からかカズトはソッポを向いて考え事をしてしまった。

 凍り付けにしたとはいえ、まだ油断出来ない。冒険者ハンターの一般的な依頼にある盗賊や魔物モンスター討伐ならこれで決着が着いてる。

 だけど、相手は勇者だ。いくら罠に嵌めたとはいえ、これで決着が着いたとは考えにくい。


「…………炎の聖杖………ファイアリィー………奥義発動【炎龍の紅衣(ファイアリィー)】」


 氷ツリーの中から微かに声が聞こえる。いや、確かに聞こえた。カズトが振り替えると、氷ツリーが燃えているではないか!普通氷が燃える等物理的にあり得ない。


「流石にビビったわ。でも、残念だったわね。カズちゃんに奥の手があるように私にも奥の手があるのよ」

 燃え盛る氷の中から燃え盛るように赤く露出が高目なドレスを着た瑠璃が出て来た。凍っただけだから傷はないのだが、何も無かった風に出て来るのは"剣の勇者"であるカズトでもショックを隠しきれない。



「ふん、誰が奥の手と言った?それでも、取って置きな技である事には変わりないが………」

「強がっちゃって………カズちゃん可愛いんだから」

 瑠璃がクネクネと体をくねらせている。そんな瑠璃をカズトは若干引いている。

 まだ女子高生がやる分には分かるが、カズトより年上で結婚してても可笑しくない年齢の女がクネクネとくねらせたら、カズトにとっては誰得な気分である。


「本当の事なんだが………まぁしょうがない。俺も少し本気を出すか」

 

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