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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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93食目、マーリン第二王女はカズトのファン

 俺の写真集アルバムを奪うための騒動があったが、ここは謁見の間という事で直ぐに沈黙となった。


「もう一人紹介したい者がおる。我が娘・ニーニエじゃ。ほれ、ニーニエ挨拶しなさい」

 瑠璃と共に現れたもう一人の人影はマーリン女王の娘であった。カズトと同い年か少し下位だろう。可愛いよりは美女と言った方がしっくりくる。

 前の二人同様、下着に近い服装であり、これはまた瑠璃と互角かそれ以上の巨乳の持ち主で、ついつい視線がそこに集中してしまう

 道端を歩いていたら10人中9人は振り向くと言っても過言でない。カズトも大多数の内に入るところだった。もし、入っていたらレイラの冷たい視線を向けられていたところだ。

 ニーニエ妃殿下の巨乳に視線を向けてた事がレイラにバレてないようで助かった。俺はホッと胸を撫で下ろす。


「お初にお目に掛かります。魔法大国マーリン第二王女ニーニエ・マーリンと申します。よろしくお願いしますわ、"剣の勇者(カズト)"様」

 ニコリとカーテシーをしながらニーニエは微笑んだ。カズトは表情に出さないが内心ドキリと心臓がバクバクと鳴ってる。


「ニーニエは、そなたのファンだそうだ。もし泣かす事があれば………どうなるか分かっておるな?」

 ファンと言ってるのに、何でか娘が男を家に連れ込んだ時の男親みたいな事を言われる。

 マーリン女王の威圧でカズトはビクビクと冷や汗が止まらず震えが止まらない。


「母様、魔力にそんな量の殺気を乗せては剣の勇者(カズト)様が怯えてしまいますわ。すみません、剣の勇者(カズト)様。母様が失礼な事を」

 これが魔力だというのか!こんな魔力の使い方は知らないし、見た事がない。流石は魔法大国の女王ということか。


「ふん、妾の魔力に耐えて見せたという事は流石は勇者という事か。この国にいる間だけでもニーニエと仲良くしてくれれば良いさ。それ以上は求めぬ」

 恋人や婚約を求められなくて、ホッとカズトは安堵する。もし、求められたら隣にレイラがいるのに洒落にならないところであった。


「グフィーラ王とその王妃よ、長旅の疲れもござろう。部屋をご用意してある故、休んでは如何かな?他の国は、まだ到着まで時間は掛かるだろう。それに、後は若い者同士で親睦を深めるのも良かろう。それと剣の勇者よ、そなたの美味な料理を楽しみにしているぞ」


 マーリン女王の後を王様王妃様はついて行き、謁見の間にはカズト達が残ってしまう。

 流石に謁見の間に、このままいるのはマズイという事で瑠璃とニーニエの案内で空いてる部屋へと来てる。それでも城という事で部屋一つ一つが広すぎる訳だ。


「はぁ、まさかルリ姉がこちらに来てて勇者になってるとは思わなかったよ」

「それは私もだよ。あの優しくて格好良いカズちゃんも、こちらに来てるなんて!しかも魔王を討伐したと聞いた時は心臓が止まるかと思いましたわよ」


 お互いに来てて、しかも勇者をやってるとは思わないだろう。瑠璃の方は先に魔王討伐の情報を知らされ、それを成し遂げたのがカズトだと知り得る立場だという事もあり、魔法大国マーリンにカズトが来る事は予め知っていた。


「うふふふふ、サプライズ成功かしら」


 カズトにとってサプライズ過ぎる事実だ。本当なら勇者を辞めてもらい地球に帰ってもらいたいのが本心だ。


「カズちゃんを残して帰るなんて嫌ですから。それに、私も勇者として強いんだから。なんなら、模擬戦をやっても良いわよ?」

「ルリ姉と戦うなんてケガさせたら━━━」

「「賛成!」」


 瑠璃の提案をレイラとニーニエの二人が支持し、俺と瑠璃の模擬戦をやる事が直ぐ様決まった。もちろん俺の意見なんてスルーだ。女が大多数だと男なんてなんとも弱いものだ。


「なら、場所はどうするんだ?」

 カズトは抗い何とかして模擬戦を中止に持ち込めないかと頭をフル回転させる。ルリ姉にケガさせたくないし、そもそも戦いたくない。


「場所はここでいいじゃない?」

 ここって普通と言っちゃ広すぎるが普通の客部屋である。ここで戦っては更地になってしまうではないか。


「大丈夫よ、私の技術スキルを使用すればね」

 そう告げると瑠璃の手元には、何時取り出したのか一本の杖が握られている。

 その杖は瑠璃の腰位の長さで、所々宝石類で装飾されており、豪華絢爛とまでいかなくとも人々を魅了する美しさを放っている。


「この杖が私の聖武器………聖杖せいじょうガラティーンよ」

 マーリン女王が"杖の勇者"と断言してる時点で気づくべきだった。まさかルリ姉が勇者の象徴である聖武器を手に入れてるとは思いもしなかった。


「だけど、聖武器を持った勇者同士の戦闘となれば、それこそここは焼け野原に━━━」

「聞いてなかったのかな?それは私の技術スキルで万事解決なのだよ。エジソン君」

 そこはワトソンではなかろうか。そんな突っ込みはどうでも良い。

 解決出来るとなれば、これはもう逃げ道が無いではないか。何か逃げ道になる案はないか考えるが何も思いつかない。


「闇の聖杖:ダークライに形態変化モードチェンジ………からの【疑似世界創造ワールドレプリカ】発動」


 瑠璃が技術スキルを使用した途端、周囲は光に包まれ目を開けたら、そこは知らない世界だった。







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