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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
1章グフィーラ王国・古都

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ss1-1、帝国の三勇者~元魔王城の調査~

プロローグからおよそ4ヶ月後の話

 カズトがレストラン"カズト"を開業してから四ヶ月余り過ぎた時、とある者達が魔王城跡へ訪れていた。


「うっしょー、本当に噂は本当だったんだな。魔王城が跡形もなく瓦礫まみれだぜ」


「魔王の魔力が感知出来なくなった事で分かりきってましたが、まさかここまでとは思ってませんでした」


「………これをやったのは勇者という噂ですが………」


 魔王城の玉座の間に開いた風穴と言えば良いのか、まだそれ相応の戦闘が合ったと言われれば納得が出来る。

 だが、この風穴を開けたのは()()()()()の魔法だけなのだ。


「あの()()を見ても今だに信じられないな」


「私も同じ気持ちですが、事実なのは変わりありません」


 アギドの住人なら絶対に出てこない言葉を発した。

 そう、この彼女達三人は元々アギドの住人ではないという事になる。そうなると、この三人も転生か転移でアギドにやって来た事になるが、事実は本人かそれに関わった者しか知らない。


「でも、良く魔王討伐されると良く分かったな。リンカ」


 リンカと呼ばれた少女は、褒められ事がよっぽど嬉しいようで、ようやく育ってきた胸を張りドヤ顔をしてる。

 このリンカという少女は、武道家らしく最低限の衣服しか着用してなく、水着ぽい衣装でちらほら装飾品を着飾る位で露出が目立つ。因みにリンカは武道家ではなく、"拳の勇者"と呼ばれる勇者の一人だ。その両手にはガントレット、両足にはソルレットが装着されており、普通の武器とは違い威圧感を放っている。


「兄さんに関してはリンカの直感は良く当たるのです」


「その直感を信頼してるからこそココアの魔法で探知を実行出来たんだからな」


「いえいえ、時間が一ヶ月とあったからこそ可能だったのですよ。もし半月より短時間ならワタシでも不可能でしたですよ」


 ココアと呼ばれた少女は謙虚な物言いだが服装はその逆でアイドル風な衣装を着用し三人の中では外見的に一番目立ってる。

 服装からして一番勇者らしくないがココアも勇者で"歌の勇者"と呼ばれている。歌操作という固有技術(ユニークスキル)を操り、その様子から"戦う歌姫"と二つ名がついている。


「撮影出来たのは、メグミのお陰でしょう。カメラ付きドローンを操作してね」


「いやいや、俺はただドローンを操作しただけだ。ここまでドローンを運べたのはココアの魔法のお陰だもんよ。アレが無かったら無理だった」


 メグミと呼ばれた俺っ娘は、大海を感じさせる純粋な青のビキニアーマーを着用してる。メグミ曰く水魔法を得意とするからと理由から青にしたようだ。

 二人が勇者ならもちろんメグミも勇者で今は手に持ってないが槍を武器として戦う"槍の勇者"で接近戦から遠距離戦をどんと来いと言う程苦手な距離はない。


「それにしても、あの映像に映ってた勇者は本当にリンカの兄なのかい(先輩もこっちに来てたとは驚きだぜ)」


「それは間違いありませんのです。リンカが兄さんを見間違う事絶対にあり得ませんなのです」


「なら、次の目的地は決まったようなものですね。確か剣の勇者はグフィーラ王国の勇者のはず」


 三人は噂程度に剣の勇者が飲食店を経営してる事を少なからず知ってる。もしも、剣の勇者が同じ日本人ならそこで日本食が食べられるかもしれないと期待してる。


「剣の勇者の作る料理かぁ~。リンカの兄殿は料理上手なのか?」


「リンカの兄さんながら上手です。早く会いたいです、兄さん━━━いえ、カズト」


 リンカは日本にいた頃から料理音痴で塩と砂糖を間違うのは日常茶飯事でそれならまだ優しい方だ。最悪になると、どうして食材から王水を作るのか摩訶不思議な事が起こる。

 それにより、兄から一生キッチンに入るなと禁止令が発令してしまった。だから、バレンタインには参加してないし学校の家庭科でやる調理実習がある日にはカズトは保健室へと逃亡してた。


「でも、まずは報告しなくては。グフィーラ王国に行くのはそれからになりそうね」


「えぇ~面倒臭いから、まずグフィーラ王国から行かねぇか。早く日本食を食べてぇよ」


「それからでも遅くない……………はず」


 二人がグフィーラ王国行きに賛成するが、ココアは渋い顔をする。


「二人とももう忘れたのですか。定期的に報告いれないと刺客が来ますよ」


 三人を所有してる国は帝国ブレインズ、魔法よりも"科学"が発展してる大国であり、その技術を外に漏らさないよう鎖国してる独立国家なのだ。

だから、この国では馬より早く走る鉄の塊である"車"や空を飛ぶ鉄の塊である"飛行機"等々ファンタジーぽくない物が多数存在する。



「たくぅ、それが面倒なんだよな」


「ですです、でも、報告しないともっと面倒な事になりそうなのです」


「本当にワタシの魔法で吹き飛ばそうかしら。うふふふ」


 ココアは微笑むが目が全然笑ってない。本当に本気で国一つを滅ぼそうとしてる表情だと二人は感じた。

 でも、それをやると世界中から指名手配され、更に面倒な事になること請け合いである。


「冗談よ。そんな事したら面倒事が増えるじゃない。アイドルであるワタシが本気でするとでも?」


((いやいや、本気で言ってたよ。外見からは想像出来ないけど))


 話し合った結果、先に帝国ブレインズに報告をし、その後にグフィーラ王国に行く計画を立て魔王城を後にする三人であった。


「「「はぁー、日本食が食べたいなぁ」」」


 日本食(希望)を得るために先を急ぐ三人の女勇者である。











多分、本編の主人公とその内合流するはず



だと信じたい。

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